６の月に入るころ、またまたゆりは気が欲しい状態に陥っていた。それが４日目ともなると、もらえる人からもらい
まくっている。男に引っ付くのが恥ずかしいとかそんなことを言ってる場合でもなかった。
「なんだか久しぶりだねー。ジェナサイト」
ゆりはジェナサイトに引っ付いて言った。
「はい。ひどくだるそうですね。大丈夫ですか？」
ジェナサイトが心配げに聞いてきた。美男子という外見ではないがきりっとした眉で男らしい顔立ち、短髪の黒髪の男で、
昔からたまに気をもらっている。
あまり自己主張するほうでもなく、ぺらぺらしゃべる方でもないが何か聞けばちゃんと答えてくれるし、好感がもてる男だった。
アナスターシャがおなかにいる時は死んだ振りに巻き込まれたのがこのジェナサイトだったが、こちらのゆりはそのことは知らない。
「ごめん。ちょっと寝てもいい？」
ゆりがだるそうに言った。
「いいですよ」
「じゃあちょっとベッド来て。横になりたい」
「はあ・・・」
体があんまりだるかったためにゆりはジェナサイトの手を引いて寝室に行き、ベッドに行った。
「横にきてー」
「はい・・・」
ゆりは寝転んだままジェナサイトにべたっと抱きついてそのままぐーと寝てしまった。
変な事されるかも、という考えはまるでない。
参ったな・・・
まさかこんな展開になるとは思いもよらず、ジェナサイトは赤面していた。
よっぽどしんどいんだろうな・・・
それにしても、王妃はいい匂いだな・・・
・・・・・髪に触れるくらいはいいか
体はベッタリ引っ付かれていたが、ゆりの髪に触れてみたくなり、ちょっとだけ触れた。
そうしていたら、なにやら思念が聞こえてきた。
ーうた、うた
ーうた・・・
「？」
周りにはだれもいないし、思念はすぐ側から感じた。
もしかして、おなかの御子様たちが、歌を歌えって言ってるのか？
ーうた・・・うた・・・
ーうた・・・
仕方なくジェナサイトは歌を歌いだした。子守唄のような物を思い出しながら歌っていたが、歌を歌うなんて
本当に久しぶりなので恥ずかしくてしょうがない。しかも、自分で分かるくらい音程もずれていた。
ーもっと、もっと
ーもっと
「え・・・」
ジェナサイトは困った様子で二曲目を歌いだしたのだった。
第29話
その日、ゆりの様子が心配で様子を見に来たユリウスは、ノックしても誰も出ないので勝手に部屋に入ってみた。
先ほどすれ違ったゆりの侍女には、ゆりは部屋だと聞いていたのだ。
すると変な男の声が聞こえてきた。
「ね〜むれ〜良い子〜」
何だこの下手糞な歌は・・・・
声は部屋の右にある部屋から聞こえてきた。そちらは寝室だと知っていたのだが、一緒にいる者の気は、ゆりの儀式の
男たちの気とは違っていたので、ユリウスはそのままこっそり様子を伺いに行った。そして、ベッドの上で歌っている
ジェナサイトを見たのだった。ジェナサイトはユリウスに気づき、げっと歌をやめた。
「ジェナサイト・・・歌下手だな」
ユリウスが冷たく見て言った。二人は戦士仲間だし当然顔見知りだが、別に仲がよいというわけでもない。たまに
砦で顔を合わすくらいの間柄だ。
「・・・勝手に入ってくるな」
「何だ、お前王妃に変な事でもしてたんじゃないだろうな」
ユリウスが眉をひそめた。
「そんなことするか。あ、そうだ、お前歌歌え」
「え？」
「王妃のおなかの御子達が歌を歌えというんだ。だから歌ってたんだ。」
「そうなのか？」
ーうたうた
ーうた・・・
「本当だ、私にも聞こえた。」
「ほら、歌え。なんでもいいから」
「うーん・・・」
ユリウスはベッドに座り、歌を歌いだした。
おお、中々いい声じゃないか。
ジェナサイトはユリウスの歌を聞くのは初めてだったが、綺麗な声だったので、意外に思った。
こうやってるとちゃんと女に見えるな。しゃべらなきゃいい女なのに・・・
「夜の〜空を〜みあげ〜てごらん〜ぴかぴかぴかぴかお星様〜」
ーあー
ーうー
どうやら一緒に歌っているらしい。そうジェナサイトは感じて微笑ましく思い、ふいに横を見て
「うわ！」と声をあげた。その声でユリウスが歌をやめた。
「なんて声出すんだ。王妃が起きるじゃないか」
ユリウスが小さな声で言った。
「見ろ、これ」
ジェナサイトがあごをしゃくってジェスチャーする。ユリウスはゆりの横の開いている布団の所から、
二つの小さな顔がのぞいてるのを見てぎょっとした。
うわ・・・・
白くぼんやりしていたが、それは赤ん坊に相違なかった。
王にお知らせせねば・・・
ユリウスはラクシュミに思念を送った。するとラクシュミと３人の子供たちが寝室にやってきて、
初めての赤ん坊達と対面したのだった。
ーあーあー
ーうー
シーツに二人はちょこんと座っていたが、まだ本当に小さかった。
「やーん、かわいい・・・」
アナスターシャが思わず言った。体はどちらもぼんやりしていて、どちらが男か女かはまだわからなかった。
「すごいなあ。なんだか感動した」
ラギが言った。
「本当に二人いるんだねえ」
とシス。
ラクシュミは目を細めて無言で二人を見下ろしていた。ゆりはジェナサイトに引っ付いて寝たままだったが、
だれもそれについては何も言わず、ラクシュミの前でゆりに引っ付いていたジェナサイトはかなり困った顔を
していた。
ユリウスも微笑ましく子供を見つめている。
こてんと一人がひっくり返ると、もう一人もひっくり返った。
「かわゆい」
やがて子供たちは消えて、ほのぼのとした雰囲気が漂った。
「ねえ、父様、いつ産まれるかな」
アナスターシャが聞いた。
「さあな、双子は一人の時よりも長くかかるようだからな」
その時、ゆりが目を開けた。
「あーよく寝た・・・ごめんね。退屈だったでしょ？」
ゆりはジェナサイトの顔を見て言った。
「いえ・・・」
ジェナサイトの顔は引きつっていた。ゆりは横にユリウスがいるのに気づいて、反対側に子供たちとラクシュミまで
いたのでぎょっとした。
「な、何してんの！？」
「今赤ちゃんが出てたんだよ。かわいかったよ」
ラギの言葉にゆりは目を見開いた。
「本当？私も見たかった。」
「じゃあな、私は行く」
ラクシュミは消えた。
「すごいよね。まだ産まれてもいないのに見れるなんて」
ラギが感動したように言っていた。
「本当にね、すごいよねー」
「すごいすごい」
アナスターシャとシスも感激している。
「いいなあ。いっつも私だけ見れない」
ゆりは口を尖らせた。
「今日はありがとうね。ジェナサイト」
ゆりはジェナサイトに微笑んだ。
「いえ、私も御子様達が見れて得しました。また呼んでください」
「うん」
ジェナサイトとユリウスは去って行った。
ユリウスはその後ジュメに会いに行った。ジュメは最近食欲があるらしく、かなり食事の量が増えたようだ。
結構寮の部屋で過ごすことが多いらしい。
先ほどの話をすると、ジュメもうらやましがっていた。
「お子様達も見たかったですが、ジェナサイトの歌も聞いてみたかったですよ」
「下手だったぞ。すごく」
ユリウスがそういうと、ジュメは笑った。
「子供っていいなあ。男とひっつかずに子供ができればいいのになあ」
ユリウスは真顔で言っていて、ジュメに「それは無理です」と言われていた。
次の日にはゆりはかなり体調は元に戻っていたので、子供たちがまた特別結界を作って外に出してくれた。
だがこの日は前にとったのと同じきのこはみつからなかった。
「ちぇー」
ラギはせっせと草のようなのを抜いてカゴにいれている。
「何とってるの？」
「薬草だよ。いろいろ混ぜて遊ぶんだよ」
「ふーん、好きねえ。そういうの」
アナスターシャとシスはぶらぶら歩いていた。
「母様綺麗なお花があるよ」
アナスターシャが草の中を指指して言った。オレンジ色の花で、釣鐘のような花が一本の茎に一杯ついている。
「本当だ。せっかくだからお花とっていこう」
「母さんその花なめたらだめだよ。毒だからね」
ラギにいわれてゆりがえっとのけぞった。
「じゃああっちの青いのは？」
「あれは普通の花だよ」
「あんた歩く植物図鑑みたいね」
ゆりは感心するようにいい、青いチューリップのような花をいくつか抜いた。
「シスにーあの木の実とって」
ラギがいい、シスがいいよといって、かごを受け取り、宙を飛んで木の実をひょいひょいかごにいれた。
一つ上から落ちてきて、ラギが拾った。
「それなに？」
ゆりが近づいて聞いた。
丸い木の実で、殻がすごく固そうだった。
「これを割ると中においしい実があるんだよ。ハザーク様の侍女さんらが好きなんだって、もっていってあげるんだよ」
「へー。」
アナスターシャも宙を飛んで同じように実を採った。
「こんくらいでいい？」
シスはラギにカゴを見せた。30個ほど入っている。
「ありがとう。」
ゆりと子供たちはそのままぶらぶら移動した。
すると、シャナーンがぱっと近づいてきた。
「こんにちは」
子供たちが挨拶し、ゆりも笑顔で挨拶した。
「お散歩中ですか。どうですか？気の方は」
「みんなにもらいまくってだいぶ落ち着いたよ。」
「そうですか・・・あの・・また呼んでください。私若いですから、平気ですから」
「本当？じゃあ３日後の午後、部屋に来てくれる？」
ゆりがそういうと、シャナーンはうれしそうな顔で「はい」と言って去って行った。
いつ見てもかわいいなあ。シャナーンって・・・
ゆりがそう思っていると、
「母さんシャナーン恋人にするの？」
とラギに聞かれてぎょっとした。
「何言ってるの。恋人にはしないわよ」
「なんで？シャナーン母さんの事好きって言ってたよ」
「シャナーンはまだ大人になったばかりじゃないの。そんなことしないわよ」
「別にいいじゃない。僕シャナーン好きだし」
「あのね・・・」
「父様の母様は恋人10人くらいいたんだって、母様はまだ余裕あるね」
シスが言った。
「よ・・・余裕って・・・」
「僕大きくなったら母様の恋人になってあげるからね」
とシスが続けて言った。
「ありがと。気持ちだけもらっとく」
ゆりは複雑な表情で言った。
一体この子らの価値観はどうなってるんだか・・・謎だなあ・・・
３日後、約束通りシャナーンがにこにこしてやってきた。
「シャナーンってほんとうれしそうにきてくれるね」
「うれしいですから」
ああ、どうせなら他の可愛い女の子と熱々になればいいのになあ・・・
その方が絶対似合うのに。
シャナーンに引っ付きながらもそう思ってしまうゆりだった。
「シャナーンって、この前の赤い月は女の子と過ごしたんでしょ？」
「はい」
「その・・・無事終わった？」
ゆりがおずおずと聞いた。
「はい、無事終わりました」
シャナーンは微笑んで返答してくれた。
聞きたいけど・・・何人と過ごした？とかあんまり聞くのもあれだよねえ・・・
「その女の子のことは好きになった？」
「はあ、まあ、それなりに好きは好きですよ。」
「そう・・」
よかった。それなりに女の子とも仲良くやってるみたい。
ゆりがほっとしてると、
「ですが王妃を想うほどには、想えないですけど・・・」
とシャナーンが続けた。
「・・・・私、シャナーンがそこまで憧れるような王妃様じゃないよ。ただ王様の子供産んでるだけだし」
「そんなことないですよ。王妃はとってもかわいいです」
「ありがとう」
かわいいシャナーンに言われると、ちょっと複雑だなあ・・・
「王妃の綺麗な瞳がとっても好きです」
「・・・」
シャナーンの綺麗な顔が少し近づいてきた。
ああ、シャナーンってほんと、なんて綺麗な顔してんのかしら・・・
ゆりはうっとりしてしまい、そのまま顔を近づけてちゅっと唇にキスした。
シャナーンは目を瞬いた。
あれ？私今何した？
ゆりは自分がした行為にぎょっとした。
「王妃・・・うれしいです。とっても」
シャナーンはゆりの背中に腕を回して、今度は自分からキスしてきた。
ぎょえー！！！
その頃、城からたまたま出たラギは、外に人だかりができているのを近づいて行った。皆上を見ながら指をさしている。
「どうしたのー？」
「王子、蛇霊神ですよ」
「え？」
ラギも上を見上げた。すると、黒っぽい透けている大きな蛇が、城の上の方をゆっくりと移動していた。
「うわ！あれが蛇霊神！？」
初めて見たラギは驚いて食い入るように見つめた。
なんで蛇霊神きたんだろう。母さんの儀式かな。でも、王様からまだそういう知らせはないし・・・
ちょっと行ってみよう・・・
ラギは走って城の中に戻って行った。
ゆりはシャナーンに熱烈にキスされて気が遠くなっていたが、自分の腕はなぜかしっかりとシャナーンの背中に
回っているのを見て確信した。
誰か来たに違いない。
「シャ、シャナーン、ごめん、ちょっと王様呼んでくれるかな？」
ゆりは顔を離して言った。
「ここにですか？」
「うん。なんだか儀式になりそう」
ラクシュミはすぐにやってきた。
「お、王様・・・儀式になりそう・・・」
「そのようだな。蛇霊神がもう来てるぞ」
「え？」
ラクシュミが指を指して、ゆりはその方向にある窓を見た。そこにある小窓から蛇の顔がのぞいていたのでゆりは
「ひえっ！」と悲鳴をあげた。
なんでもう来てるんだ！はっ！それよりも！
「シャ、シャナーン、ありがとう。もう今日は帰って」
ゆりはシャナーンに言った。
「・・・・ミカエルとイシュタールはこれないな。ちょっと北の方でやっかいな敵を追いかけてるようだ」
「そうなの？いいよ別に４人で」
ラクシュミがシャナーンを見た。
「だ、だめだめ！シャナーンはだめよ！」
ゆりはあわてて手を振った。
そんな時、ひょっこりラギがやってきたのだった。
「儀式は４人でやるから、帰ってシャナーン」
「・・・王妃、あの・・・」
シャナーンは何か言いたそうだった。
「まあ、４人でもいいならいいが・・・」
ラクシュミが言ったとき、その後ろから顔をのぞかせたラギが言った。
「４はだめだよ。縁起が悪いよ！」
「え・・・・縁起？縁起なんてどうでもいいわよ！」
ゆりが悲鳴交じりに言った。
「よくないよ！３か５にしてよ！」
ラギが言う。
「じゃあ３人で」
ゆりがあっさり言うと、ラクシュミが、「もう４人共呼んでしまったぞ」と言った。
「一人パスすればいいよ。別に一回くらい」
「あの・・・王妃・・・」
「だれをのぞくんだ？」
「・・・じゃんけんで負けた人」
「・・・・シャナーンを入れればいいじゃないか」
「だめよ！何言ってるの！」
「王妃！私も参加したいです！」
シャナーンがついに言った。
「だ、だめだよ。あれは・・・あんなことさせられないよ！」
「お願いです。王妃・・・」
「そう言われても・・・」
「いいじゃないか。シャナーンは元々お前が好きだったんだし、お前だってシャナーンを可愛いと思ってるだろ？」
「それとこれとは話が別よ！」
「王妃・・・王妃は私が嫌いなんですか？」
シャナーンは泣きそうな顔で言った。
「そんなことないよ。好きだけど・・・」
「じゃあお願いします。今回だけでもいいですから・・・」
「・・・」
そんなすがるように見られても・・・
なんだか状況が複雑になってきたのでラギは逃げた。
その時フリットが部屋にやってきた。
「シャナーン・・・」
「ミカエルとイシュタールはこれないからな。ゆり、３人にするか、シャナーンを入れるかどうするんだ？」
「３人なら帰る」
ゆりが言った。
「え・・・あれ？」
どうやら言ったのは女蛇らしい。
「シャナーン、今回はお前も入れ。フリット後はまかせたぞ」
ラクシュミはそう言って消えた。
「王妃・・・」
シャナーンはうれしそうにゆりを見た。
「・・・ははは・・・・えーん・・・」
ゆりは泣きたくなってきた。
「・・・大丈夫か？シャナーン、お前にはまだ早いような気がするが・・・」
フリットが言うと、シャナーンは「大丈夫です」と言い切った。
「まあ、とりあえず王妃、寝室の方に行きましょう」
「うう・・・」
フリットは優しくゆりの頭をなでてベッドのほうに移動させた。
「フリットォ・・・」
「よしよし」
フリットはゆりを抱きしめて優しくなでた。そうしてると他の男達もやってきた。皆一様にシャナーンを見て
ぎょっとしたが、フリットが思念で説明したので誰も何も言わなかった。
フリットに抱きしめられてるうちにゆりは落ち着いてきた。
「ねえ、お酒もってきてもらって」
「お酒？」
「うん。皆で楽しくお酒飲んでね」
ゆりは笑って言った。
ミカエル・・・ついてないな・・・
どうやら降りてきたのはミカエルが大好きな酒好き女蛇のようだった。
やがて、部屋に大量のお酒が運び込まれてきた。城の外にいた蛇霊神は、もう寝室の中に入り込み、天井近くをうろうろ
していた。
「すごいな。もう待ってるのか・・・」
ジュノーが蛇を見上げて言った。
ゆりはすっかり羞恥心も理性もぽんと飛び、お酒を体に注いでフリットとからみだした。
初回からこれはちょっときついんじゃないか？
そう思ったヴィラは、シャナーンに、
ー無理に参加しなくてもいいんだぞ？
と思念を送った。シャナーンは
ー参加します
ときっぱり思念を返してきた。
普通、これだけの光景を見せられれば多少はたじろいだりするものだと思うが、シャナーンはそんな様子もなく、
ただじっとゆりを見ていた。嫌悪の表情も浮かべていない。
王妃が好きだとは聞いていたが、その思いは半端ではないようだ。
そうヴィラは感じた。
男４人とからんだゆりはシャナーンを見た。
「シャナーン、大丈夫？」
ゆりはちょっと不安げに見ていた。
「大丈夫ですよ。王妃」
シャナーンはゆりに近づいて言った。
「本当？私のこと愛してる？」
「愛してますよ」
「じゃあ全部脱いで抱きしめて」
「はい」
「皆はお酒飲んでてね。」
ゆりは他の皆に言って、自分の肌に紫色の液体を注いだ。
シャナーンの肌には、背中からおなかにかけて、薄い紺色の蛇がいた。
「可愛い蛇ね」
ゆりがその蛇に指をはわせた。
シャナーンはゆりを抱きしめて、熱烈に肌に口付けて行った。
こんなに早くあなたに触れることができるなんて・・・・
他に男がいたとしても、シャナーンはうれしくてたまらなかった。
儀式はかなり長い時間行われて、ゆりは３度も蛇を呼び、全部で11匹もの蛇がゆりの中に入ったのだった。
終わったころにはラクシュミがゆりを迎えにきて、男たちはみなぐでんぐでんになって救護室に運ばれた。
朝起きたゆりは昨日の事を思い出して顔面蒼白になった。
どうしよう・・・シャナーンにあんなこともこんなこともしてしまった。ガーン・・・
お花を一緒に見ていたほのぼのとした仲から、いきなり濃密な仲になってしまい、ゆりは穴があったら入りたいほど
だった。
しかもよりによって降りてきたのは過激な女蛇だったので、ゆりはつい乗せられるように男達と何度もひっついて
愛撫しあってしまった。
何で私は儀式になったらああなっちゃうんだ。それよりも・・・
シャナーンの性癖がゆがんだらどうしよう・・・・
ゆりは真面目に心配し、しばらくベッドから起き上がることができなかった。