第３話
そして新たな年が明けた。ゆりのおなかはかなりでかいままで、ゆりとしてはいつ産んでもおかしくない状態だった。むしろ早く産んですっきりしたかった。
アナスターシャの6回目の誕生日お祝いも、体の調子が悪いと部屋にこもっている。アナスターシャはドレスを着てラクシュミと一緒にみんなに挨拶していた。ラクシュミの腕の中にはシスもいる。闘技場では旅回りの劇団がやってきて劇を披露しているとか。
今回からは、街ではシスの誕生日お祝いも一緒にすることにしていた。昨年は交わりの月の最中が誕生日だったので交わりの月が終わってお祝いがあったが、一緒にやってしまった方がいいということになったのだ。
国中がお祝いムードで盛り上がっているが、一人ゆりは沈んでいる。
そんな時、ジュノーとヴィラが部屋にやってきた。「王妃、お元気ですか？」
「うん」
昨年末ミカエルに見られてしまったので、ゆりはもう開き直っていた。来てくれる人には顔をみせている。
二人はゆりの姿を見ても別に何も言わなかった。前もって誰かから聞いたかもしれないとゆりは思った。
「街はにぎやかですよ。王妃にも見せてあげたいです」
ジュノーが言った。
「平和で結構だね」
「おや、なんだか機嫌が悪いですね」
ゆりのしかめっ面を見てヴィラが言った。
「別にー」
「もう少しの我慢ですよ」
「うん。わかってる」
「元気出してください。王妃」
ジュノーが優しく言ってゆりの手をなでた。
「なんか、この前ミカエル殿がうなってましたよ。おなか押さえて」
ヴィラが笑顔で言った。
「いいのよ。ミカエルなんてイシュタールにぼこぼこにされたら」
「ふふふ」
ジュノーもおかしそうに笑った。
その時、ぱっと部屋にきらきら光る物が現れた。よく見るとアナスターシャだった。きらきら光る銀色のドレスを着ている。髪の毛も頭の上で少しくくり、ピンクのリボンがくっついていた。本当に愛らしい姿をしている。
「母様ー」
アナスターシャはべたっとゆりに抱きついた。
「おお、かわいらしいですねー」
「本当に、妖精のようですよ」
ヴィラとジュノーが目を細めて言った。アナスターシャは去年に比べてそんなに身長も変わってない。子供は年ごとにどんどん
成長するわけではなく、ある程度大きくなって数年止まることを繰り返すようだ。
「母様、これ、ケーキもらったの。食べて」
アナスターシャは手に20センチほどの箱を下げていて、それをゆりに渡した。
「わあ、ありがとう」
開けてみると、見るからに太りそうなクリーム一杯のケーキが入っていた。
「はい」
アナスターシャはゆりに銀のスプーンを渡した。
なんて用意がいいんだろう・・・・
ここまでされては食べないわけにはいかない。
お菓子控えようとしてたのに・・・・
ゆりはスプーンでケーキをすくって食べた。
かなり甘かった。
「わあ、おいしい。ありがとう」
ゆりが言うと、アナスターシャはうれしそうにニコニコ笑っている。
「まだ一杯あるからね。一杯食べていいのよ」
「ほんとう」
ゆりの顔が引きつってきて、はたで見ていたヴィラはおかしくてしょうがなかった。
「アナスターシャ、もう行かなきゃ。挨拶まだ終わってないんでしょ？」
「うん。またねー」
アナスターシャは消えた。
「これ、食べて！」
ゆりはジュノーにケーキを押し付けた。
「せっかく姫がもってきてくださったのに」
「こんな甘いもの食べてられないわよ。やせなきゃ！」
その時、アナスターシャがぱっと目の前に現れてゆりはぎょっとした。アナスターシャはジュノーがもっているケーキの箱に
目を留めた。
「はい、王妃、あーん」
ジュノーはスプーンでケーキをすくってゆりの口元にもって行った。
ゆりはそれをぱくっと食べた。
「どうしたの？母様」
「ちょっと手がだるくて、ジュノーに食べさせてもらってるの」
「そうなんだー」
アナスターシャの顔に笑顔が戻ってゆりはほっとした。
「どうしたの？アナスターシャ」
「言い忘れてたの。今日のお夕食の時間ね、いつもより一時間ほど遅いんだって。父様も一緒に食べるって」
「そう・・・楽しみね・・・」
「じゃあねー」
アナスターシャは消えた。
「うう・・・全然楽しみじゃない」ゆりはテーブルに伏した。
「まだあまり王には会ってないんですか？」
ヴィラが聞いた。ジュノーは甘いケーキを食べている。
「だって・・・じろじろ見られるのやだ」
「王もなんとも思われてないですよ」
「そうですよ。」
ジュノーはケーキの箱をヴィラに渡してヴィラが残りを食べた。
「・・・・」
その日の夕方、お祝いなので、ゆりは仕方なくラクシュミの前に長い間姿を見せた。ゆりとしてはかなり久しぶりにじっくりラクシュミの姿を見たことになる。
表向きは笑っていたが、心は沈んでしまっていた。
久しぶりに見るラクシュミは、やはり神様のように美しく、今の自分と対比すると滑稽すぎた。
その夜、ゆりのベッドにアナスターシャがやってきた。「赤ちゃん」
アナスターシャはゆりのおなかに耳を寄せた。
「今日はいろいろ疲れたね。ご苦労様」
「ううん」
ゆりはアナスターシャの頭をなでた。アナスターシャはしばらくべったりゆりのおなかにくっついていた。
ー赤ちゃん、赤ちゃん、今日はね、アナスターシャのお誕生日だったのよ。6歳になったのよ
アナスターシャは赤ん坊に話しかけていた。
ーあなたは弟かしら、妹かしら。いつ産まれるのかな。
いくら問いかけても、赤ん坊から答えは帰ってこなかった。アナスターシャは、一年近く、ずっとゆりのおなかにくっついては赤ん坊に話しかけていた。今までただの一度も話に答えたことはないが、それでもそうしていた。
ーおやすみ・・・赤ちゃん
アナスターシャはおなかから離れて、ゆりの横で眠った。
朝になると、アナスターシャの姿はベッドの上になかった。
あれ？部屋に帰ったのかな。
ゆりがそう思っていると、布団がずるずる横に引っ張られた。ゆりはベッドの下を見てぎょっとした。アナスターシャはベッドの下に落ちて、そこで布団を握り締めて寝ていたのだった。
次の日、ゆりはシスの部屋で、シスがはいはいしているのをしゃがんで眺めていた。アナスターシャは同じころにはもう走り回っていたが、シスはまだはいはいしているし、言葉もそれほどでもない。
子供の成長にはかなり個人差があるようだった。シスの侍女も、もちろん何人もいるが、今は横の部屋で控えてもらい、二人っきり
の時を楽しんでいる。
「マーダッコ」「はいはい」
ゆりはシスを腕に抱き上げた。
「かわいい子ねー」シスの顔はアナスターシャの赤ん坊の時とよく似ている。女の子のように可愛い顔立ちをしている。
アナスターシャはかなり活発で勝手に瞬間移動もして困ったものだったが、シスはおとなしめのようだ。
扉がノックされて、ゆりはそのまま移動して扉を開けた。フレイがたっていた。「おじーちゃん」
シスが言った。
「ほほほ。王妃、こちらでしたか。どうですか？体の具合は」
「普通だよ。産まれそうなほど大きいのに、なかなかね」
「そうですね。まあ、まだもうちょっとはかかるでしょう。２年もかからないとは思いますが」
「早く産まれても大丈夫なものなの？」
「多少は大丈夫ですが、一年半は経過した方がいいです」
「そう・・・」
「そうそう、今年の交わりの月は６日からですよ」
フレイはゆりからシスを受け取り、だっこした。
「そうなんだ」
ゆりは別段何の反応も示さなかった。
「シス様、重くなりましたねー」
「そうだね。でも子供の成長ってかなり違うのね。アナスターシャはもうこのくらいには歩いてたもん。それにもっと
でかかったかな」
「産まれて５歳までに歩いてしゃべれればどうということはありません」
「そうなんだ結構幅があるのね」
「はい」
「おさんぽ、おさんぽ」
シスが言った。
「ではじいとお散歩しましょうかね」
フレイはシスを連れて出て行った。ゆりは横の部屋にいる侍女にそのことを言って部屋を出た。
今年は６日からかあ・・・交わりの月。
毎年指折り数えていた交わりの月だが、今年はそんな気持ちになれない。ゆりはかなり太っていたし、この姿をあの時のラクシュミに見せるのはいやだった。
２の月に入り、ラクシュミがゆりの寝室を訪れた時、ゆりはラクシュミにそのことを言った。交わりの月の間一緒には過ごさないと。
「それでいいのか？本当に」
「うん」
ゆりは体を起こして言った。
「・・・私は別に、お前の姿をなんとも思ってないぞ」「・・・うん・・・でも・・・いい・・」
「・・・そうか」
「王様、この子、産まれたら私の部屋で私が育てたい。いいでしょ？」
「ああ」
「しばらく子供は作らない。もう３人産まれたから、しばらくは・・・」
「・・・そうだな。お前も体を休めた方がいい」
「うん・・・」
黒髪の未来の息子も早く産んであげたいが、せっかくの機会、侍女にまかせっきりにせずに自分の手で子供を育ててみたかった。だから、しばらく子供は作らずに、子育てに専念したいと思ったのだ。
今年も空に赤い月が姿を現した。
ゆりは部屋のベランダから月を眺めていた。
「あーあ・・・」
いつもならば愛する王様に会えて歓喜の涙を流している頃だろうに。
王様は一人なのかな。誰かいたりして・・・
そう思っても、確かめにいく気すらわいてこない。
まあいいや。夢の中で、愛し合えたらいいなあ・・・太る前の姿で・・・・
しょんぼりうなだれていると、後ろからふいに抱きしめられて、ゆりはぎょっと顔を上にあげた。「え？王様！？」
銀色の髪と、金色の瞳がきらきら光っていた。
「何してるんだ。風邪引くぞ」
「・・・どうしてきたの？見られたくなかったのに・・・」
「毎年、私に会うのを楽しみにしてるんだろう？」
「そうだけど・・・」
「お前がこないなら、他の女を連れ込むぞ？」
「・・・・」
「来い」
「・・・王様、醜いって思ってない？」
「思ってない。何かの丸っこい動物みたいでかわいいぞ」
ミカエルと同じこと言ってる！
ゆりはちょっとショックだった。
「来い。ゆり」「うん」
せっかく来てくれたのだし、そう思い、ゆりは王の寝室に移動させられた。
ゆりはその夜ラクシュミに久しぶりに口付けをされた。
うれしい・・・王様が私のこと気にかけてくれて・・・
ゆりは感動してちょっと泣いてしまった。
ああ、来年こそは思う存分王様に愛されたいなあ・・・でも、この子ほっておいてそういうわけにもいかないかな。まあいいか、その夜くらいは侍女に任せても・・・
「王様、夢の中で私を抱いてね。一杯。細い時の私を」「そんな器用な夢は見れないぞ」
「見てくれないといや」
「そう言われてもな・・・」
ラクシュミは苦笑気味に言った。
ゆりは結局10日の夜全てをラクシュミと過ごした。一晩過ごすと、もう開き直ってしまった。
やっぱり、王様って優しいね。
王様のためにも・・・子供産んだらダイエットしなきゃ。
そう決意したゆりだった。
数日後、ミカエルとイシュタールがそろってゆりの部屋にやってきた。「王妃、元気でいましたか？」
イシュタールはゆりの頭をなでて言った。
「うん。元気だったよ。すごく」
イシュタールは優しく微笑んでいた。ミカエルも、同じように微笑んで、言った。
「王妃・・・・なぜかイシュタールに殴られましたよ？」
「そうなんだ。元気そうだねミカエル。イシュタール随分遠慮したんだね。」
ゆりも笑顔で言った。
「残念ながら一発で逃げられまして・・・」
とイシュタール。
「イシュタールに3発も殴られたら、骨折れますよ。私」
「まあいいじゃん。たまには」
「何がいいんです」
ミカエルがゆりをにらんで言った。
「まあ、王妃の愛の裏返しだと思っておきますけど」
「いつごろ産まれるんですか？」
イシュタールはミカエルを無視してゆりに聞いた。
「わからない。おなかは産まれてもいいでかさなんだけどなあ・・・」
「王妃、産まれる時は、立ち会ってあげますね。王は無理でしょうから」
ミカエルの言葉に、ゆりの顔がひきつった。
「いや、いい。この子真夜中に産むから、大丈夫。」
「遠慮しないでいいんですよ」
「遠慮じゃないよ。真面目にいやなの！」
ゆりはミカエルをにらんだ。
「自分で孕ませた彼女に立ち会って」
「イヤーあれ以来なかなか孕ませられなくて・・・・」
「イシュタール、５発くらい殴って」
ゆりが言うと、ミカエルはそのまま姿を消した。
「全く・・・・」
いくらミカエルの顔が好きだといっても、産んでいる最中に見たくはない。
「王妃、なんなら私が立ち会いますが」
「いえ、いいから」
ゆりは速攻で言った。
冗談じゃないよ。あんな場面を見られるなんて。なんで父親でもない男の手を握って力まなきゃならないんだ・・・
おなかはかなりでかいのに子供はなかなか産まれなかった。ゆりは外にも出ていなかったので、かなりのストレスになっていた。城の中が広いのがせめてもの救いだが、あまり他人の前にはでたくなかったので、自分の部屋がある階の廊下を行ったりきたり
していた。
あー早く生まれないかなー早くすっきりしたいよー
部屋の中をうろうろしていたら、ハザークの侍女が竪琴を弾きに来てくれた。「わーうれしー」
ゆりは久しぶりに素敵な曲を聞かせてもらった。相変わらず顔の区別はついてないので「侍女さん」としか呼んでない。
「ありがとう。私も、子供できて数年たったら、また竪琴弾きたいな」
ちょっとうまくなったのに、しばらく弾いていなかったからもう腕前は最初に戻っているだろう。
「ハザーク様が、最近王妃様の顔が見れないので寂しがってましたよ」
侍女は優しく言った。
「ははは、この体みたら、ハザーク様にひどい体だって言われそう」
「まあそんなことは・・・」
「言わないって保障できる？」
「・・・・」
侍女はさすがに無言だった。
「子供が産まれたら戻りますわ」
「もし戻らなかったら、走り回らなきゃ」
「ほほほ」
侍女が部屋を出て行って落ち着いた時、体にずきりと衝撃が走った。「あ・・・もしかしてくるかも・・・・」
「本当ですか？お待ちを！」
侍女があわてて部屋を出て行った。
ああ・・・ようやく・・・ようやく産める・・・・
息が苦しくなってきた。お腹も痛みを感じる。
ゆりはぜいぜい息を吐きながら、部屋の中にぱっと現れた男を見てぎょっとした。「さあ、王妃行きましょう」
「なんでミカエルが！？」
目の前に現れたのはミカエルだった。
「偶然そこで侍女とでくわしたんです」
「えー！！！」
ゆりは瞬間移動で、子供を出産する部屋に連れて行かれた。すでに部屋はいつでも使えるように清潔に掃除されている。ミカエルはベッドにゆりをのせた。
「ちょ、ちょっと待って！本当に立ち会うわけじゃないよね」
ゆりの額には汗がにじんでいた。
「がんばってください。王の替わりに見守りますから」
「やだ！絶対やだ！そんなことしたらもう二度と会わないからね！」
「別に産まれるところは見ませんよ。」
「やだ！」
そうこうしているうちに女たちがやってきた。「ミカエル出て！」
「わかりました」
ミカエルは出て行った。
子供は部屋に入って案外早く出た。産まれたのはその日の夕方。元気な産声を上げていたが、少し小さめの男の子だった。
ゆりは出産の疲れでぐったしていたがり、上の二人の時ほどしんどくはなかった。今回は意識もしっかりしている。
「可愛い男の子ですね」部屋に入ってきたミカエルが、一番に赤ん坊を抱いていた。
なんでミカエルが・・・・最初に・・・抱いてるんだ。
そう思ったが、抗議するほどの元気はなかった
「銀色の髪ですよ。瞳は、まだわからないけど」赤ん坊はまだ目を開けてなかったようだ。
「はい、王妃」
ミカエルはゆりの横に赤ん坊を置いた。ゆりは真っ赤な顔の赤ん坊を見た。確かに、頭にちょろっと銀色っぽい髪が生えている。
「男の子かあ・・・」「がんばりましたね。よしよし」
ミカエルはゆりの頭をなでていた。
その時、ラクシュミとアナスターシャが一緒に現れた。「わーい！赤ちゃん！」
アナスターシャはベッドにひっついて赤ん坊を眺めた。
「しわくちゃだ」
「男の子よ」
ゆりが言った。
「弟だね」
「体は大丈夫か？」
ラクシュミがゆりに聞いた。
「うん。今回はかなり楽みたい」
「そうか」
「だっこしたい！だっこしたい！」
侍女が赤ん坊の産着を持ってきて、赤ん坊をくるみ、アナスターシャに抱かせた。
「うふふー」
アナスターシャはうれしそうにしている。
「王様もだっこして」
「ああ」
ゆりが言うとラクシュミも赤ん坊を腕に抱いた。
「二人の時よりも小さいな」
「そうだね」
「父様、名前は？」
「ラギにしよう。」
「ラギ、知性ですね。いい名前ですよ」
ミカエルが言った。
ー産まれてよかったねえ。赤ちゃん。男の子よ。名前はラギっていうのよ。３番目よ。男の子は二人目よ。仲良くしようね
ー・・・・あー・・・・
アナスターシャははっとした。わずかに、思念のようなものを赤ん坊から感じたのだ。おなかの中にいる時からずっと赤ん坊に話しかけてきた。ようやく、赤ん坊はアナスターシャにお返しを言ったのだった。
アナスターシャはにんまり微笑んだ。
「どうしたの？」
ゆりが聞いた。
「なんでもない。シスにも見せてあげようっと」
アナスターシャは姿を消した。
「王様、その子やっぱり何の力もない？」「さあな・・・銀の髪には魔力があるというから・・・何かできるようになるかもな」
「そうなんだ・・・まあ、何の力もなくてもいいけど・・・」
ゆりはとりあえず、赤ん坊を産んだことでほっとしていた。
これからは子育てがんばろう！
アナスターシャがシスをダッコして戻ってきた。ラクシュミは身をかがめてラギを見せている。
この子に力がなくても、うまくやっていけそうかな。
ゆりはその光景を見て微笑ましく思った。
こうして６の月の２０日、ようやくラクシュミとゆりの３人目の子供がこの世に誕生したのだった。
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