５メートルはあろうかという薄い緑色の大蛇がにょろにょろと草の上を移動していた。
近くにある厩舎からは「ヒヒーン」という馬のいななきが聴こえてくる。
厩舎の中に入って行った大蛇は、近くにいた馬らしき動物に目を留めた。
あれはなんだろう。馬にしてはおかしなものがついてるな？
とでも思っているのかもしれない。ちょっと首をかしげていた。その馬の背中に翼らしきものがついていたのだ。
一方、天馬の方は、一瞬大蛇を見てびくりとしたものの、蛇が攻撃する様子もなかったので、窺うように柵の中から
じっと蛇を見つめていた。
「見て見て、みつめあってる。愛が芽生えたりして」
横の方で見ていたゆりが無邪気に言うと、その横にいたハインリヒが鼻でふっと笑った。
「あ、ばかにしてる」
「王妃ってば時々子供みたいな事言いますね」
「ヒヒーン」
と天馬がいなないた。大蛇は馬はどうでもよくなったのかハインリヒの隣にやってきたのでハインリヒが身を
かがめて蛇の頭をなでた。
「あの天馬まだ飛ばないんですか？」
「そうみたい。でもまあ勝手に飛んでっちゃっても困るしねえ」
プリモの背中の翼はずっと閉じられたままだ。時々開く事があるが飛ぶまではいかない。
「そうですね。敵に攻撃されても困りますからね」
ハインリヒが言った時、ぱっとアナスターシャが現れた。
「プリモー遊ぼう〜！」
「お勉強終わったの？」
ゆりが聞くと、「ちゃんと終わったよ」とアナスターシャは言って柵を外してプリモを外に連れ出した。
「アナスターシャがもう夢中になっちゃって」
「いいじゃないですか」
「でも蛇達が妬かないか心配で・・・」
ゆりが真面目に言うとハインリヒは目を瞬いた。
ゆりはルーを可愛がっているが子供達は特定の蛇を可愛がっているという事はない。皆友達で仲間という感覚だ。
他の動物を可愛がっているからといって蛇がその動物に嫉妬して「ちくしょう！」と思うことはあんまりないだろ
う。そこは犬とは違う。
「妬いちゃだめだよ」
ゆりが身をかがめて蛇に言うと、蛇は首をかしげていた。
第53話
「こんにちは。サラディン」
その日、神の国ではにこにこ顔のガーベラがサラディンの神殿を訪れていた。両手には竪琴を持っている。
クーリーフンも連れてこようと思ったのだが、ガーベラの思惑を察したクーリーフンはガーベラを神殿の前まで
連れてくるとさっさと逃げてしまった。
それで仕方なくガーベラだけが来ていたのだ。この前何もされなかったので、今回も何もされることもないだろう
と思っている。
「・・・・」
広間にいたサラディンは無言で冷たい瞳だけ向けていた。
おや？この前仲良くなったわけじゃないみたいね。
とガーベラはその顔で気づいた。
「今日は呼んでないはずだが？」
「分かってるわよ。たまには私の竪琴でも聴かせてあげようと思って」
竪琴で和やかなムードになったところで話を聞きだそうというガーベラの計画だったのだが、サラディンは
あっさりと「無用だ」と言い放ったのだった。
「せっかく竪琴もってきたのに・・・」
「何考えてるんだ。お前」
「あなたとちょっと仲良くなりたくて・・・」
ガーベラは美しい微笑みを浮かべたが、サラディンには通じないようだった。
「知りたいのよ。妻が欲しいだの子供が欲しいだの言ってるのに女性を拒絶する理由」
「・・・」
「じゃあ最初私に嫌がらせをした理由は？」
「・・・」
「ディアメラのことが本当に好きなの？」
やっぱり無言でサラディンは横を向いていた。
ディアメラという月の女神は美しいがかなり男勝りな性格だった。どう考えてもサラディンと性格が合いそうにもな
い。だからガーベラは不思議だったのだ。
といっても人の好みはそれぞれなので、一概にどうともいえない。
「あのーせめて椅子でも用意してくれない？」
どうでも話を続けようとしたガーベラに、サラディンは「帰れ」と言った。
「せっかくはるばる来たのに・・・私を脅した理由だけでも教えてよ」
「私はお前と話をする気はない。それともあの時の続きがして欲しいのか？」
「理由を教えてって言ってるだけじゃない」
「私はお前と話をする気もお前にどうこうする気もない」
そう言ってサラディンはガーベラの目の前から消えてしまった。
「あ、逃げた・・・何よ。ぷん」
ガーベラは広間を出て行った。そして廊下で火の妖精を見かけたので、せっかくなので妖精達に竪琴を披露する
事にしたのだった。
神殿の外の岩場に腰を下ろして、ガーベラは火の妖精達の前で竪琴を奏でて歌を歌った。
岩場の寂しい大地に澄んだ歌声が響き渡る。
妖精達はうっとりして耳をすませていた。こういう岩場が広がった場所には花の妖精達もめったにやってこない。
女神の歌は珍しいのだろう。
歌が終わると拍手が起こった。
「今日は湯に入りに来たのではないのですか？」
男の妖精がガーベラに聞いた。
「湯？」
「この前強引に入られてかなり気に入っておられたので、てっきりそうかと思いました」
湯？あ、そうか。人間は湯に入る習慣があったっけ。
なんだ。サラディンとは何もなくて湯に入っただけだったのか。
「どこだっけ。湯の場所」
ガーベラは好奇心にかられて聞いた。
「もうサラディン様はだめだとおっしゃられてました」
「そうなの。けちねえ。じゃあ入らない。見るだけだから。ね」
ウインクすると妖精の顔が真っ赤になった。
ガーベラは強引にその場所に案内してもらった。火の妖精達はサラディンほど朴念仁ではなさそうだ。
ガーベラの色仕掛けも通じるようだった。
湯浴み場には湯気がむわっと立ち込めていたので、ガーベラは思わず手で湯気を払った。
「すごい熱気・・前がよく見えない」
湯気を払ってるうちに部屋の中を見ることができた。
へー。なんだかすごく熱そうね。あれに入ったのか・・
ガーベラは岩でくりぬかれた場所に満ちている湯を見つめて思った。
湯に入るって気持ちいいのかなあ。ちょっと試してみたいけど・・・
ちらりと横をみると火の妖精と目が合った。
「やっぱだめ？」
「はあ・・・すみません」
「まあいいや。ちょっといたずらしちゃえ」
「え？」
「ちょっとだけ」
ガーベラはまたウインクした。
夕方、湯浴みをしようと湯浴み場に行ったサラディンは、部屋の中を見てぎょっと後ずさった。
「なんだこれ」
よく見ると、湯の上一面に色とりどりの花が敷き詰められていた。しかも半端な量ではない。花は湯気で
当然しなーとなっていた。
「・・・・」
サラディンは妖精に花を全部どけさせて湯の中に浸かった。湯にはしっかり花の匂いが移っていて部屋全体に
湯気と共に甘い香りが漂っていた。
「くそ・・・あの女め・・・」
サラディンは眉をひそめて、その日は早々に湯から上がったのだった。
だが花の香りの残り香のせいなのか、その夜はおかしな夢を見てしまった。
目の前にいるのは愛しい女。
サラディンは思わずその女を抱きしめたものの、女の姿は瞬く間に消えてしまった。
決して腕に抱く事はできない女。そういう女を愛してしまったのだから仕方はないが、時々やりきれない
思いは募る。
馬鹿らしいと思いつつ、他の女を愛することができればどんなにいいだろうと思っても、心というものは
そう簡単に変わるものではない。
それとも、いつかあの男に愛想を尽かすのかもしれないと、淡い期待を抱いて、待っているのだろうか、私は。
それこそ馬鹿らしいが・・・
その次の日だった。アシュランが一人の女を伴って神殿にやってきたのは。
「またか・・・」
サラディンは呆れ顔でアシュランを見た。女の腹は膨らんでいた。孕ました男は分かりきっている。
神々の妊娠出産はそれぞれ個性があり、ガーベラの場合はたいていいつもすぐ産まれるが、アシュランが
孕ました女性はすぐに産まれないことが多かった。
「しばらくかくまってくれ。10日ほどでいいから」
「・・・・懲りない男だな・・・」
「そう言うな。リューエル、その内に迎えに来るからそれまでここでおとなしくしていてくれ」
アシュランはそう言って横にいた女性の髪をなでた。女はオレンジ色の髪と瞳をしていた。
黄昏の女神の一人だ。この神殿は神々の神殿から少し離れた所にあるので、アシュランはたまに自分が手を出した
女をかくまってくれ、と言って連れてくるのだった。ここならばヒルデリアもめったにやってはこないからだ。
「はい、アシュラン様」
女は微笑んで言った。
「所でガーベラとはどうなったんだ？うまく行ったのか？」
アシュランはサラディンを見て聞いた。
「別にどうもなってない」
「そうなのか？お前も困った男だな。一体どういう女ならお気に召すんだ。ディアメラは無理だぞ。男とどうにか
なるくらいなら木の一本にでも変わった方がましだという女だからな」
「ディアメラの男嫌いは父親のせいだろう。お前が浮気しまくるからだ」
「そのおかげで神が増えているんじゃないか。ではな。また来る」
アシュランはそう言って神殿を後にした。
「すいませんが、しばらくお願いします」
黄昏の女神がサラディンに頭をさげた。
「ああ、イレーネ」
そういうと広間に女の火の妖精が現れた。
「彼女を奥の部屋へ。しばらく世話をしてやれ」
「はい、サラディン様。こちらへどうぞ」
火の妖精はたいして驚きもせずに女神を広間から連れて行った。
子供が産まれればまた、ヒルデリアの心が乱れることになるのだろう。
哀れな・・・女神として最高の地位にいながらも日々夫の浮気に悩まされるとは。
サラディンがため息を付いた時、ぱっと男の火の妖精がサラディンの前に現れた。
「大変です。ヒルデリア様が！」
「ヒルデリアが来たのか？！」
サラディンは驚いて立ち上がった。
「はい・・・」
広間に入ってきた怒りの形相の女神を見てサラディンの目が細まった。火の妖精はぱっと姿を消した。
ヒルデリアが一人でここに来るのはかなり珍しいことだった。
「一体どうしたんだ。お前ともあろうものが、共もなく」
「サラディン、先ほどアシュランが連れてきた女を私に渡すのじゃ！」
ヒルデリアはサラディンの前まで進み、言った。
「なんのことだ」
「サラディン、もう全てわかっておるのじゃ。私に渡しなさい」
「渡してどうするの気なのだ」
「・・・」
ヒルデリアは怒りに満ちた瞳を向けた。
「なぜじゃ・・・なぜ私の意に染まぬ事をするのか。そなたは以前・・・」
「お前にひどいことをさせたくないからだ！」
サラディンはヒルデリアの右手をつかんで言った。
「！」
「お前が何かをして、そのたびに神々の口の端にのぼるのが嫌だからだ」
「・・・サラディン・・・」
ヒルデリアは一瞬息をのみ、引きつった顔でサラディンから手を離した。
「私にとっては、お前こそ美の女神だった。そのお前がひどい女神だと言われるのが耐えられないのだ。私はー」
「もうよい！」
ヒルデリアはサラディンの言葉を遮った。
「もうよい。サラディン」
「ヒルデリア・・・」
ヒルデリアはため息をついた。
サラディンの燃える愛の矛先はヒルデリアに向いていた。ヒルデリアは以前告白されてそれは知っていた。
だからこそ余計に腹立たしく思ったのだ。
その愛が未だに自分に向いているとは思ってはいなかったのだが。
「サラディン、神格の高い神がいつまでも独り身でいるのは良くはない。いい加減、妻を娶るなりしては
どうか」
ヒルデリアは表情を変えて言った。
「・・・・お前がよい女を紹介してくれ・・・」
「・・・今日はもう行く。さらばじゃ」
ヒルデリアはサラディンの切ない視線を避けるように背中を向けて、広間を出て行ってしまった。
私ならばそのような目にあわせはしないものを・・・・
そう言っても仕方のない事だろうがな・・・
サラディンは視線を伏せた。
広間の外では火の妖精達が、悲しそうな目で主を見ていたのだった。
ゆりが再び神の国に行ったのは温泉に入ってから4日後の事だった。当然再び温泉に入りたくてたまらない
ゆりだったが、まさか来るたびに温泉に入っていたらしまいにはガーベラに怒られるだろう。そう思い我慢した。
「今日はラーズに会いに行ってみよう」
ガーベラの神殿にいたゆりはそう決心して移動した。そしてどこかの水の中に落っこちたのだった。
「ぎゃ！」
「ガーベラ！？」
近くにいたラーズがあわてて飛んできて女神の身体を水から引き上げた。ゆりは頭の先からつま先までびっしゃり
濡れてしまった。
「やだ、また水に落ちた」
周りを見ると滝が見えた。ドドドと激しい音が聞こえる。どうやら滝つぼに落っこちたようだ。
滝には虹がかかっていた。
「大丈夫か？」
「びっくりしたー」
「びっくりしたのはこっちだ。ははは」
ラーズは水浸しの女神の姿に笑っていた。
「おかしくないよ」
「悪い悪い。布に透けた肌が官能的だ」
「エッチ」
と言ってゆりは胸元を両手で隠した。
「水か風の精を連れてくる。待ってろ」
ラーズはそう言って翼を広げて飛んで行った。
ゆりはべっちゃり肌にひっついた布を指でつまんだ。
「気持ち悪いな。脱いじゃおうかな」
きょろきょろと周りを見ると滝つぼの周りは森でだれもいないようだった。
「脱いじゃえ」
ゆりは服を全部脱いで金髪で前を隠して木の陰に腰を下ろした。
まさか二度も水に落っこちるなんて思わなかったなあ。相手が今どこにいるか分かればいいのに・・
おとなしくラーズが来るのを待っていると、「ガーベラ」と子供の声がした。
しかも上からだ。上を見ると、この前大量のカエルを持っていたパティウスがいた。
「この前はごめんねガーベラ。お詫びにこれあげるよ」
パティウスは上から何か長い物を投げた。それはゆりの首にひっかかった。青い綺麗な蛇だ。
「・・・・」
ゆりはうなだれて反応しなかったのでパティウスは「あれ？」と思って降りてきた。
「大丈夫？ガーベラ」
近くまで来た所でゆりはパティウスの腕をぱっとつかんで引き寄せた。
「わっ！」
「この前の恨みを晴らしてやる！」
「ガーベラ！？へ、蛇が・・・」
蛇はゆりの首にぶらさがったままにょろにょろ動いている。
「この私に蛇をほおるなんざ笑っちゃうわね！ほら、おしりぺんぺん」
ゆりはパティウスを草の上にうつぶせにしておしりをぺんぺんたたいたのだった。
「どーだ、参ったか！」
「・・・・」
「これに懲りて悪さはもうやめなさい」
ゆりはカエルの恨みが晴らせたのでうれしそうに言ってパティウスの腕を離した。
すると、パティウスはゆりの胸に頬を寄せて抱きついた。
「ああ、ガーベラ」
「うげ！ちょっと何すんのよ！」
「だって目の前に膨らみが・・・ああ、柔らかい」
パティウスはすっかり豊満な胸に顔をうずめている。
「ちょっと！離しなさい！このマセガキ！」
ゆりはぎゃあぎゃあわめきながらパティウスの身体を離そうとしたのだが、パティウスはしっかりゆりの背中に
腕を回していた。青い蛇は首から落ちてするするとどこかに行ってしまった。
「離せー！！！」
「ガ、ガーベラ様！？」
その時偶然近くを飛んでいたグレンが悲鳴を聞いて近づいてきた。
「な、何してるんだ！パティウス！」
そしてガーベラ姿のゆりにへばりついているパティウスに目を留めた。
「何ってガーベラと愛し合って・・・」
「そんなわけあるか！」
ゆりはパティウスの頭を肘でがつんとたたいた。
「いってー元はといえばガーベラが裸で誘惑したくせにい！」
パティウスはようやくゆりから身体を離して頭をなでた。
「100年早いわよ！」
「うわっ！」
パティウスが離れると豊満な胸がさらされて、グレンは思わず声をあげて横を向いた。
「な、なんで裸でいるんです！」
顔は真っ赤だった。
「ちょっと水に落ちちゃって・・・」
ゆりはあわてて金髪で身体を隠した。
「あー気持ちよかった」
そういってパティウスは飛んで行った。
「全くなんなの。あのませたガキは！！！」
「それじゃ私もこ、これで・・・」
と言ってグレンもふらふら飛んで行った。
あらら、グレンってば照れちゃってちょっとかわいい。
そうこうしているとラーズが戻ってきた。
「あれ？妖精は？」
ラーズは一人だった。
「今日はどっかで会合でもあるらしくて見当たらなかったんだ。」
ラーズは持っていた布をゆりの身体に巻いて、もう一枚の布で髪をなでた。
髪を拭きながらラーズが顔を寄せて口付けてきた。
ゆりは素直に口付けを受けた。
「なんだかすごくどきどきしてきたな・・・」
「私も・・・」
ラーズの手がゆりの頬に触れて、首に触れた。
「ガーベラ・・」
「ラーズったら、だめよ。こんなところで・・」
「いいじゃないか。妖精も周りにいないし」
ラーズはゆりの身体を抱きしめて、激しく口付けてきた。
「ん・・・んん・・・」
二人で盛り上がって抱きしめあっていると、
「ガーベラ、さっきのお返しだよー」
と声が聞こえて、上からどぼどぼと何かが落ちてきた。それは大量の蛇だった。
「うわっ！」
と言ってラーズが身体を離した。
「このクソガキ！」
「へへーんだ」
パティウスは箱をもったままアッカンベーをして飛んでいった。
「だ、大丈夫か？ガーベラ」
ゆりは平気な顔で蛇から離れた。
蛇は草の上でうねうねしている。
「うん。私蛇は平気」
「そうか。じっとしてろ。頭の上にトカゲが」
ラーズがそう言って手を伸ばした時、ゆりは「ぎゃー！！！」とけたたましい悲鳴をあげた。
「ガーベラ！落ち着け！」
「ぎゃーぎゃー早く取ってー！！！！」
ゆりはばたばた暴れている。ラーズはぱっとトカゲを取って、下に投げた。
「ヘビもトカゲも似たようなものじゃないか」
「全然違うわよ！トカゲには足があるじゃない！４本も！」
ゆりは力を込めて言った。
「２本は手じゃないのか？」
「どうでもいいわよ。そんなこと！」
ゆりはすっかり涙目になっていたので、ラーズがよしよしとゆりの頭をなでた。
「とにかく神殿に行こうな」
「ううう」
「泣くな泣くな」
ゆりは濡れた服と腰帯を持って布を巻いたままラーズにだっこされて運ばれて行った。
神殿で服を着替えてラーズと話をしたものの、すっかりラーズもその気をなくしたようだ。
もうキスもされなかった。
ああ、今回も色気とは無縁の展開になってしまった・・・
次こそは誰かとラブラブにならなくちゃ。
と思いつつ神の国を後にしたゆりだった。
すすむ