来年は子供を作るぞー！
そう決心したゆりはさっそくたまたまやってきたヴィラにひっついて気をもらっていた。
「なんだか随分久しぶりのような気がしますよ」
ヴィラが言った。
「そうかな。最近は意識して気もらってなかったからねえ」
「６人目ですかあ・・・ほんと王妃はタフな女ですねー」
ヴィラが感心するように言った。素晴らしい妊娠率であれよあれよというまに5人の子供ができた。アナスターシャは今年
19歳になる。一族の女の中でこれだけ産んでいる女はいない。彼女が数人いたとしても、一人の男が5人も産ませたという
事もないのだ。それを考えるとすごい。
「ヴィラもがんばって」
ゆりはヴィラの肩をぽんとたたいた。
「今年も無理っぽいですね」
「そう」
「最近は赤い月にその気自体あんまりならなくて・・・」
「ヴィラももう年？ぷっ」
ゆりは自分で言って笑った。
「まだ若いですよ。私は。」
ヴィラが横目でゆりを睨んだ。
「ヴィラは今年何歳？」
「98歳ですよ」
「もうちょっとで100歳だねえ」
ラクシュミは今年110歳になる。ヴィラはラクシュミよりもちょっと年下だ。
「まあヴィラはミカエルほど性欲ないもんね。儀式でもないとさほどその気にもならないでしょ？」
「まあそうですね。ああいうのは波がありましてね、王妃が儀式をやりまくってくれるとその気が持続するかもしれないです
が・・・」
「そんなこと言われても・・・」
「我々の子作りのためにお願いしますよ」
「それよりも精力剤飲んだ方がいいんじゃない？」
ゆりは冷たく言った。するとヴィラは「とっくに飲んでます」と顔をしかめて言ったのだった。
「あらら・・・まあ赤い月もこの前終わったばっかりだし・・・来年はきっとその気になるよ」
ゆりは励ますようにヴィラの肩をなでたのだった。
事情を知らないころは美人の恋人が数人いてハーレムねと思っていたが、実際にはその気がなくても複数の女性を相手に
しなければならないのだから、一族の男性は大変そうだ。
ミカエルやハインリヒの性欲をわけてあげてほしいよ、と思ったゆりだった。
第58話
「ふんふ〜ん、うーんと、こんなものかな？もうちょっと入れてみようかな」
神の国では愛欲の女神ガーベラがいろんな植物のエキスを取り出してかき混ぜていた。陶器の小さいボウルにはピンク色の
液体が出来上がっている。それはかなり性欲を刺激する匂いを発していた。
「うーん。匂いはいい感じ。できたできた」
ガーベラは小さな小瓶を用意して、ろうとのようなもので液体を小瓶に注いだ。
「ふっふっふ」
小瓶を指にもち、微笑んでいる。
これをサラディンのお酒に盛れば、その夜はかなり燃えるに違いない・・・
ガーベラはさっそく媚薬を作っていたのだった。媚薬といっても性欲促進剤のようなものだ。相手に愛を感じるという
相乗効果もある。
それにしても久々に作ったわねーこれ。
たまに他の神々に頼まれて作る事はあったのだが、自分のために作ったのは初めてだった。
久々だからちょっと不安だな。配合間違えてないよね。
ガーベラはテーブルの上に残った花を見つめた。ちなみに媚薬は花の蜜や実をすりつぶしたりした液体を混ぜて作られて
いる。
「チュラの花にデミラの花にニューサの実に・・・まあ大丈夫でしょ。多分」
上を見ると目の前に小さいクーリーフンがいて、ガーベラはぎょっとした。小さいクーリーフンは飛んだままじーと
ガーベラがもっている小瓶を見つめている。
「それなに？」
「え？なんでもない」
ガーベラはさっと後ろに手を回してそれを隠した。
クーリーフンは側に寄ってきてガーベラの顔をじーと見つめている。
「な、なによ・・・」
「すごい匂いが漂ってるけど何作ったの？」
「うん？別にーちょっと他の神様に頼まれて」
ガーベラは微笑んで言った。だが目がちょっとうろうろしている。
「だれ？僕が届けてあげる」
「いいよう」
「お母さん、だめだよ。愛欲の女神様が反則技使っちゃ」
「ぐ・・・な、何のこと？」
ガーベラは動揺していたので丸わかりだった。
「大方サラディンに使おうと思ってたんだろー」
「なぜそれを」
「僕には分かるよ。はい没収」
と言ってクーリーフンは手を出した。
「えー！！！」
「そんなもの使ったのがばれたらそれこそ嫌われるよ」
「ま、そりゃ、そうかもしれないけど・・・なんでわかったのよ・・・」
クーリーフンは早く出せとばかりに手を振っている。ガーベラはしぶしぶ小瓶をクーリーフンに渡した。
「せっかく作ったのに・・・」
「自分のために作っちゃだめだよ」
「はーい」
ガーベラは低い声で返事をした。
「じゃあね。」
クーリーフンは小瓶を持ったまま飛んで行った。
お母さんてわかりやすいんだから。
あんまり過激な事しちゃせっかく開きかけた愛の花が消えちゃうじゃないか。
ああいう男は地道にやらないとねー・・・
クーリーフンは何かに気づいて、森の中に入って行き、大木の枝に座っていた神の背中をぽんぽんとたたいた。
「やあ、グレン」
「クーリーフン様」
枝に座っていたのはグレンだった。
「何してるの？」
「ただの休憩ですよ」
クーリーフンはグレンの視界を同じように見た。ここからだとかろうじてガーベラの神殿が少し見えるくらいの
距離だ。
「じゃあね」
そう言ってクーリーフンは離れた。
グレンってああやってずっと母さんを見てるだけで満足する気なんだよね・・・ちょっと切ないなあ・・・
当の本人は、グレンが自分を想っているなどとは思いもよらない。気づいたところで「あら、そうだったの？」という
くらいのものだろう。恋人にとまでは考えないだろうしグレンもそこまでは望まないだろう。
束の間でもいいから思いを成就させてあげたいものだけどなあ・・・
クーリーフンは持っていた小瓶を見つめた。
ちょっといたずらしたくなってきた。他の女神じゃ気が咎めるけど、相手が母さんならいいかな。
クーリーフンは無邪気な赤ん坊の姿でそんなことを思いつつ飛んで行った。
ゆりがやってきたのは神の世界ではそれから5日後の事だった。その日は泉のほとりにいた。他に妖精達もいて泉に入ってい
る女性もいる。どうやら水浴をした後のようだった。髪が少し濡れている。
どこに遊びに行っちゃおうかな。
ゆりは妖精達と別れて歩いて行った。草原で風が吹いていたのでゆりは髪を広げて乾かした。あたりをそよそよと風に乗って
飛んでいるのは風の妖精なのだろう。
大きいクーリーフンが飛んでくるのが見えてゆりは手を振った。
「やあ母さん」
「こんにちは。」
「これからどこかに行く？」
「別に予定はないよ。でもそういえばジェイクにしばらく会ってないなあ・・・」
「ジェイクは元気だよ。今日は僕と遊ぼうよ」
「いいよ」
珍しい申し出だったのでゆりは了承した。
ゆりはクーリーフンと手をつないで歩いて行った。
クーリーフンを見るとニコニコ笑っている。はたから見ると美しい親子の姿なのだろう。画家でもいれば絵に描きたく
なるほどの。
たまには綺麗な息子とデートもいいねえ。
「クーリーフンって翼が邪魔に思ったことある？」
ゆりは背中の巨大な白い翼を見つめつつ聞いてみた。
「あるよ。一度思いっきり仰向けになりたいなあ」
「なれないもんねえ。」
草原を越えていくとお花畑が見えた。クーリーフンは花を集めて器用に結び、花の冠を作ってゆりの頭に乗せてくれた。
「わー綺麗。ありがとう」
「似合うよ」
この花畑は紫系の花が植えられていた。お花畑によって花の種類や色も違う。花の妖精か女神の好みで植えられて
いるのだろうか。
「どうやって作るの？教えて」
「いいよ。ここを持ってこうしてこうして」
クーリーフンは花を茎の下の方で折り、違う花と結んでいく。
「これをこうして・・・」
ゆりもまねてみたのだが、うまくいかなかった。
「ここはこうだよ」
とクーリーフンが手を出して教えてくれて、ゆりはなんとか花を結んでいった。真剣な表情でしばらく花輪作りに没頭し、
なんとか大きな花輪が完成した。
「できた。ちょっといびつだけどまあいいや」
ゆりはそれを自分の首にかけた。
「かわいいかわいい。」
「えへへ」
クーリーフンは腰につけていた小さな布袋から何かを取り出してゆりに渡した。
「お母さんこれ飲んで」
それはピンク色の小さな小瓶だった。
「なあに？」
ゆりが小瓶を見つめながら聞いた。
「えっと・・・栄養剤」
「栄養剤？」
神様もそういうの飲むの？と疑問に思ったが、まあいいやと思い、蓋を開けてそれを飲んだ。
「甘い」
ちょっととろっとしていてシロップみたいな感じだった。
「そう？」
「うーん。なんだかねむーくなってきた」
ゆりは目の前がぼんやりしてきてそのままぱたりと後ろに倒れて寝てしまった。
「ごめんねーお母さん」
クーリーフンはそのまま飛んで行った。
その頃グレンは空の神殿に向けて飛んでいるところだった。
「グレン！」
クーリーフンがグレンを見つけて近づいて行った。
「ちょっとお願いがあるんだけどさ、あっちの花畑で母さんが寝てるから神殿に運んであげてくれない？僕じゃ重くて」
「え？」
「じゃあ頼むよ」
「あ、クーリーフン様！」
クーリーフンは逃げるように去って行ってしまった。
「・・・」
何か企んでるような・・・グレンは怪しんだが、そのまま下降して花畑を探した。
紫色の花畑に、確かにガーベラが寝転んでいた。
「なんでこんな所で寝てるんだろう。ガーベラ様」
グレンは膝をついて呼びかけた。女神は目を覚まさない。
それにしてもなんて美しい姿なのだろう・・・
グレンはしばし女神の寝顔を見つめた。そして首をかしげた。頭には綺麗な花の冠を乗せていたが、首にかけていた
花輪はちょっといびつで緑の茎が見えている。
「ガーベラ様」
「うーん・・・」
ゆりは目を覚ました。
「あれ？なんで寝ちゃってたんだろう・・・」
ゆりは身体を起こして横にいるグレンを見た。
すると、頭の中がぼんやりしてきた。
「もう大丈夫ですか？」
「素敵なお方」
ゆりは両手を合わせて言った。
「は？」
「あなたに出会うために私は産まれてきたのね。今気づいたわ」
ゆりはグレンをぼんやり見つめて言っていた。
「？？？ガーベラ様？どうかされたんですか？」
「わたし〜の愛は〜すべてあなたのもの〜♪どうか受け止めて〜この心〜♪」
ゆりはグレンを見つめて歌いだした。しかし中身はあくまでゆりだったので、歌はさほどうまくない。
グレンは目を見開いてゆりの歌を聴いていたが、やがてぷっと吹き出してしまった。
「なんで笑うの？」
「すいません。あまりにおかしくて・・・」
「ひどい」
ゆりはすねた顔をした。
「あなたは他の神の前では歌わないでくださいね。」
グレンは切実にそう願った。もう一人のガーベラだと歌で気づいてしまった。
「抱きしめて〜あなたの愛で私を包んで〜♪」
ゆりはまだ歌っている。そしてべったりグレンに抱きついた。
「ガーベラ様・・・」
「愛してる・・・」
「・・・」
きっとクーリーフン様が何かしたに違いない・・・
グレンは鋭くそう思った。
「あなたも歌って」
「え？私は歌は・・・」
「じゃあ口付けして、激しく狂おしいほどに」
「え、ここでは人目が・・・」
「じゃああっちの方に行きましょ」
ゆりは花畑の向こうの林を指さしてグレンの手をつないで連れて行った。
「ガーベラ様・・・」
「愛〜なんて素敵なお〜もい〜愛〜それは〜♪」
まだ歌ってる・・・
ガーベラの声なのにトーンがずれているのでグレンはおかしくてならなかった。
「さあ、ここならいいでしょ」
ゆりは木の陰で言った。
「あの・・・ガーベラ様・・・」
身体をべったりくっつけられていたのでグレンの頬は赤く染まっていた。
「私の胸に顔をうずめてもいいわよ」
「え・・・」
「いろんな所に口付けして」
ゆりは熱っぽい瞳で言った。
「え・・・いろんな所って・・・」
「愛してる」
「ガーベラ様・・・」
女神の匂いと肌の感触にあやうく理性が飛びかけたグレンだったが、やがて抱きついていた女神の体がずりずりと
下にさがってきた。
見ると女神は目を閉じている。
「ぐー・・・」
「・・・」
グレンは女神の身体を抱き上げて飛んで行った。
やれやれ・・・
「愛はすってきっなたっからっもの〜♪」
ゆりは寝言でも歌っていた。
ああ、ガーベラ様が時々違う事が他の神にばれないか心配だ・・・
普段のガーベラとの関係が良好とは言いがたいので、グレンとしてはばれてほしくなかったのだった。
「あなたは私を嫌わないでくださいね」
グレンは女神の身体をガーベラの神殿まで運んで去って行った。
「クーリーフン様！」
グレンは川に沿って飛んでいたクーリーフンを見つけて近づいて行った。
「やあ、グレン」
「やあじゃないですよ。一体ガーベラ様に何したんです？」
グレンの頬がちょっとピンク色になっていたのでクーリーフンは
「もしかして、行くところまで行っちゃった？」
と聞いた。
「行くところまでって・・・何もしてないですよ」
グレンはムキになって言った。
「え？そうなの？つまんないなあ・・・」
「あのですね・・・一体何したんです？」
「ちょっと薬盛っちゃった」
「え・・・何考えてるんです。実の母親に」
グレンの顔は引きつっていた。
「やだなあ。実の母親だからだよ。他の女性にはしないよ」
「そういう問題では・・・」
「だってグレンがずっと母さんを想ってるから、まあたまにはいいじゃない」
「いいじゃないって・・・」
「うれしかったくせに」
「・・・」
グレンは少し口を尖らせていた。
「あおるのはやめてください。私はそういう気は・・・」
「見てるだけなんてつまらないよ。せっかく手がのばせるんだからのばせばいいのに」
「・・・」
「今度はグレンに薬飲ませようかな」
「え！やめてくださいよ！」
「ははは、冗談だよー」
と言ってクーリーフンは飛んで行った。
グレンは一瞬自分がガーベラに歌っている所を想像して背筋が寒くなった。
私は自分を偽る方がいいんですよ。
拒絶される方が辛いですからね・・・
グレンも飛んで行った。
朝、自分の寝室で一人目覚めたゆりだったが、神の国に行ったような気がしたが記憶はうつろだった。
何をしたかさっぱり思い出せない。身支度をして食堂に行き、子供達と朝食をとって部屋を出た。
すると廊下でハインリヒに出くわした。
「おはようございます」
ハインリヒはゆりと子供達を見て挨拶した。
「おはよう」
と子供達が挨拶を返す。ゆりはぼんやりハインリヒを見上げた。
「王妃？」
ハインリヒが顔を近づけた。
「素敵なお方」
「は？」
「青い髪も、瞳も、素敵。ほれぼれしちゃう。ああうっとり」
「？？？」
ハインリヒは首をかしげていた。
「あなた〜に出会うために〜わたし〜は産まれたの〜♪」
ゆりは頬を染めて歌いだした。
「何か変な物食べました？」
ハインリヒが子供達に聞くと、3人とも首を横に振った。
「あなたのたくましい腕に抱きしめられたい〜♪」
ゆりは両手を広げて歌っていた。
「王妃が変ですが・・・」
「ラギ何かした？」
アナスターシャがラギに聞いた。
「僕何もしてないよ」
ラギがあわてて言う。
「愛してる〜ワワワ〜♪」
ゆりはじっとハインリヒを見上げて歌い続けている。
「あのーとりあえず二人きりになれるところに行きませんか？」
子供達がジーと見ていたのでハインリヒは気まずそうに言った。
「行きましょう。二人の愛の園へ」
「はい、いきましょう」
ハインリヒはゆりと共に移動した。
「・・愛の園ってどこ？」
アナスターシャが二人に聞いた。
「え・・・さあ・・・」
ラギは頬をぽりぽりかいた。
「今日の朝はハインリヒの授業だったよね。どうするんだろ・・・」
とシス。
「やったあ！自習だ！プリモと遊ぼうっと」
アナスターシャは消えてしまい、後の二人も歩いて行った。
一方ゆりの部屋の隣の別室の方に移動した二人は、抱き合っていた。
「ああ、愛してる〜マイダーリン」
「一体何があったんですか？」
「あなたを愛する以外何もないよ」
「はあ・・・まあいいですけど・・・」
だがベッドの上に横たえてこれからってところでゆりはぐーと寝てしまった。
「なんなんだ・・・」
拍子抜けしたハインリヒだったが、まだ朝早かったのでいいやと思い、しばらくゆりの寝顔を見つめていた。
「愛のために〜ラララ〜産まれてきた〜ルルル〜♪」
「ぷ・・・」
ゆりは寝言で歌いだし、おかしくなったハインリヒはやがて腹を抱えて笑い出してしまったのだった。
「すってきなすってきな番兵さん♪」
「あ、だめですよ王妃勝手に部屋出ちゃ」
王の間の番兵に言い寄っているゆりを見つけたミカエルがあわてて番兵からゆりを離した。番兵は真っ赤な顔をしている。
「私このお方と結婚するー」
「はいはい」
ミカエルはゆりを部屋に移動させた。
「うーん・・・」
ゆりはじーとミカエルを見つめた。
「愛してる。ミカエル」
そしてぴたっと抱きついた。
「あなた〜の紫の蛇が好き〜♪私だけを見つめて〜」
「・・・一体何食べたんでしょうね・・・王妃ってば・・・」
「あなたも歌って！」
「愛してますよ〜王妃〜♪」
「ラララ〜♪」
面白いけどだれでも口説かれるのは困るなあ・・・
「王妃〜私にも歌ってください〜」
ジュノーがゆりの部屋にやってきた。
薬の作用は3日ほど続き、ゆりは男を見るとだれかれ構わず口説いて歌いだしてしまったのだった。恋人達はその歌に
結構受けていた。
「あなた〜に出会うために〜私は産まれたの〜♪」
ゆりはジュノーを見つめてうっとりした顔で歌っていた。
「みんなに言ってるんだから・・・」
横でミカエルがぶつぶつ言っている。ほれっぽい上に持続性は全然ない。
ガーベラが作った薬はただのほれっぽい薬だったようだ。どうやら材料の配合をちょっと間違えていたらしい。
当の本人は全く気づいていないし、クーリーフンもこんな事になっているとはもちろん知らないのだった。
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