「ルンルン〜ルンル〜ン」
爽やかな風が吹き抜ける草原を、女神ガーベラは鼻歌まじりに歩いていた。その横では赤ん坊のクーリーフンが
ぱたぱた飛んでいる。脇の方では風の妖精達が手を取り合って踊っていた。
「母さん、後はラクアの子供産めば子供全員制覇だね」
とクーリーフンが言った。
「そうねえ。そう思って最近ラクアと結構会ってるんだけど、なかなか子供できないわねえ」
とガーベラ。子供はクーリーフンただ一人だったのに、あれよあれよという間に子供は増えに増えていた。
子供達は皆ガーベラを慕っているので、可愛い限りだ。
「ラクアにも子供あげたいんだけどね〜」
「結局サントスは恋人になったの？」
「まあ恋人でいいんじゃない？」
なぜか体を交わっていないサントスにも子供ができたのだからびっくりだ。
「ところでさあ、最近ずっとバスティアンにつけられてる気がするんだけど気のせいかしら」
とガーベラはクーリーフンに聞いた。
「気のせいじゃないよ」
とクーリーフン。少し離れて復活の玉のことを教えてくれた記憶の神バスティアンが二人の後をついてきている。
バスティアンが追いついてくるのを待ってガーベラはにんまりして言った。
「さては私に惚れたわね」
「違います」
バスティアンは即答した。
「じゃあなんで付きまとってるのよ」
「だから言ってるじゃないですか。桃の種はどこにあったんですか？それをずっと聞いてるのにあなたが逃げるから
こうして追いかけてるんですよ」
バスティアンはちょっとむっとした表情で言ったのだった。
「まだそんなこときにしてるの？別にいいじゃない。どこにあったって」
「私は一度気にすると眠れないタチなんですよ」
「じゃあずっと起きてれば」
とガーベラがつれなく言った。
「冷たい女神ですね。だから人間達にはダーナ様の方がはるかに人気があるんですね。納得」
バスティアンはぶつぶつっと言った。
「・・・・」
横でクーリーフンがぷっと笑っている。
「兄も気になってるんですよ。だから教えてください」
バスティアンには兄がいる。バスティアンは記憶の神だが、兄のコーカサスはなんの神ということはなく、
神々の宣伝隊長みたいな存在だった。しいて言えば記録の神である。
つまり、人間界に神々の神話の書物を与えたり西の聖域の本を書き換えたりしているのがコーカサスなのだ。
コーカサスは予知夢を見ることができて、神々の世界を予知し、それを本にいろいろ書いている。それがぴたっと
当たる事もあれば外れることも多々あるようだ。外れればそれを書き直し、また人間に改訂版として与えているわけ
だ。
ちなみにコーカサスの予知については他の神々は全く聞くことができないという決まりがあった。
未来を知ってしまったらつまらないし、それによりまた流れが変わってしまう可能性があるからだ。
だから神々は本の内容すら知らない。本には実際にあった出来事がそのまま載せられているわけではない。
神話というものは人間の信仰を深めたり神々への興味を高めるためのものなので、多いに脚色され、ことアシュラン
の話にいたっては、かなり食い違っている部分もあったりするのだが、それは仕方のない事だろう。
どうやらコーカサスは本に桃の精が土の神に転じた話を載せたいようだ。
「・・・しょうがないなあ・・・」
ガーベラはバスティアンに顔を近づけてそっと耳打ちした。
するとバスティアンは細い目を命一杯見開いてガーベラのおなかを見た。
「本当なんですか？」
「うん。」
「そうなんですか・・・本当にガーベラ様はおっちょこちょいですね。でもそのおかげで土の神が産まれたわけです
ね。結果的にはよかったですね」
バスティアンは微笑んで言った。
「これで眠れます」
「あ、ちょっと、コーカサスに私のこともっとよく書くように言っておいてよ。ダーナの信者が多いのは絶対
コーカサスがダーナをよいしょしまくってるからに違いないわ」
去っていくバスティアンにガーベラが告げた。するとバスティアンはくるっと振り向いて、
「しょうがないですよ。兄も男ですからね。ダーナ様はよく兄に会いに来ては麗しい歌声を披露したりしてるよう
ですからねえ」
と言った。
「ガーン・・」
ダーナったらいつの間にそんな根回しを・・・・
「どうりでダーナ派が多いはずだね」
とクーリーフンが納得したように言った。きっと人間が読んでいる本では、ガーベラよりもダーナの項目が多く
麗しい女神よ、と褒め称えられているに違いない。
「ちぇっ」
「ねえ、バスティアンになんて言ったの？」
クーリーフンが歩いていくガーベラに並んで聞いた。
「桃の種、桃を食べている時弾みで飲み込んだって言った。」
まさか人間界にあったともいえずにそういう事にしたのだった。
「それでサントスと口付けしたら出てきた事にした」
「ふーん・・」
桃の種はかなりでかいものだ。飲み込むにも大変だろう。
「これを本に書かれたら、母さんはますますおっちょこちょいの女神様として人間に認識されちゃうね」
とクーリーフンが言った。
「まあしょうがないわよ。」
桃の種の事はさておき、まさかハロルドを殴ったことまで書かれてないでしょうね、と思ったガーベラだった。
第69話
その日人間界のゆりは机に向って紙に何かを書いていた。
「よし、でーきた」
書き終わると紙を違うテーブルの方に持って行き、座って眺めたのだった。
「なんですか？それは」
お茶を入れながら侍女のミラが聞いた。
「これ？ガーベラが産んだ神様の子供達の名前よ」
とゆりが言った。子供がかなり増えてきたので一度書き出してみたのだった。
ハロルドの子供 キュリア、ジェイク
ラーズの子供 クーリーフン、？
ジンラの子供 アマンザ
サラディンの子供 ルティアナ
オルガの子供 ティカ、ティラ
サントスの子供 ネル
ラクアの子供
紙にはこう書かれている。
「このハテナは？」
「まだ名前わからないの。産まれてからあってないし、本見たら分かるかなあ」
「9人も御子様がいらっしゃるんですねえ。恋人達は皆様美形なんでしょうね」
ミラが目を輝かせて言った。神という存在は皆超美形だと一般的女性は思っている。
「王妃様のお気に入りはどなたですか？」
とミラがゆりに聞いた。
「だれかなあ。やっぱりジンラは好きだけど・・・ハロルドも好きだしなあ・・・まあ皆好きだけど・・・」
ゆりがちょっと照れたように言った。
神様の中で一番いちゃついたのはハロルドなので、ゆりの中ではハロルドがかなり好きだった。それは
殴ってしまったせいもあるかもしれない。といってもラーズやジンラももちろん好きだし、熱い風呂好き仲間サラディンも
嫌いではない。たまに見るオルガも大人っぽい所が魅力的だ。
「ラクア様には前に水不足を救っていただいたんですよね」
「そうだよ。」
結構世話になった割りにはあんまりラクアといちゃいちゃしてないなあ・・・
9人ってのも切りが悪いし、この際ラクアの子供を産んですぱっと10人にしたいもんだね。
ゆりは気楽に思った。なにせ神の国では交わらなくても子供ができてしまうのだからそれが面白い。
今度はどうやってできるかなあ。
今度行ったらちょっと研究しちゃおうかな。
変な事に目覚めたゆりだった。
その夜、目覚めたらガーベラだったゆりは、ご機嫌で川に沿って歩いていた。傍らをひらひらと二匹の白い
蝶が飛んでいる。
いい天気ね〜神の国も平和でよかったよかった。
空を見上げると少し遠くの方を誰かが飛んでいるのが見えた。
「あ、グレンだ。おーい」
両手を振ると気づいたグレンが近づいてきた。
「ガーベラ様、何か御用ですか？」
「ううん。ただ呼んだだけだよ。いいなあ、こんな綺麗な空をいっつも飛べて」
「一緒に飛んでいればあなたも飛んでいるようなものですよ」
「そうだけど・・・グレンって恋人いるの？」
ゆりが不意に聞いてグレンは瞬いた。
「いえ・・・」
「そうなんだ。恋人がいたらダッコされるの悪いなーって思って。」
「・・・・あの、それでは私はこれで、仕事の途中なので」
「そうなの。引き止めてごめんね。またね」
「また・・」
そういいつつグレンは飛んで行った。
私はいっつも気楽に遊んでてなんか悪いなあ。
そーだ。さっそくラクアのところに行ってみましょ。
可愛い土の神ネルや他の子供にも会いたかったが、いっつもラクアに会いそびれているのでゆりはすぐ移動した。
するとラクアの神殿の湖のほとりにいた。
ちょうど神殿の外の草の上にラクアが座っているのが見える。
「ラクア〜！」
ゆりは手を振った。するとラクアが気づいて手を振り返してきた。
ゆりはさっそく湖に足を出してその上に現れた花の上に足を置き、湖を進んで行った。
「あ、ガーベラ、そんなに急がなくても・・・」
ゆりはいい気になってぴょんぴょん跳ねるように移動して、もう少しという所で花を踏み外してそのままじゃぼんと
湖に落ちてしまったのだった。
「きゃっ！」
「ガーベラ！！」
「やーん・・・ぬれた・・・」
そこらはあまり深くはなく、ゆりは湖の底にしりもちをついて起き上がった。
「ぶ・・・・くくくく・・・君ってばおっちょこちょいなんだから・・・」
ラクアは腹に手をあてて笑っていた。やっぱり笑い上戸は相変わらずのようだ。
ガーベラでもゆりでも周りにおっちょこちょいと言われている二人だった。
「ねえ、あれやって、水飛ばすやつ」
ゆりは口を尖らせて言った。
「せっかくだからここで一緒に水浴しようよ。」
ラクアが言った。
「ここで？誰かに見られないかな？」
「そっちの方が深いからさ、そっちで」
「まあいいか」
ゆりは水の中を進んで行き、肩まで浸かる所まで行って服とサンダルを脱いで草の上に放った。
裸になったラクアが水の中に入ってきてゆりを抱きしめた。
「ガーベラ・・・最近よく会いに来てくれてうれしいよ」
「えいや」
とゆりは声と共にラクアに水をかけた。
「ふふ」
ラクアがにっと笑うとゆりの体の周りにぬめっとしたものがまとわりついてきた。水の塊のようなものだ。
「いやん、また・・・うひゃ、うひゃひゃひゃひゃ・・・」
くすぐったかったゆりはまたうひゃひゃと言ってしまった。ラクアは楽しそうに笑っている。
「おいで、ガーベラ」
ラクアはゆりを抱き寄せてそのまま水の中を移動した。
ゆりはラクアにつかまったまま水の中をすいすい泳ぐように移動した。
「気持ちいい〜」
真っ青の空、周りには自然、澄んだ綺麗な水の中泳ぐこの開放感。温泉とはまた違った心地よさだ。
ラクアが立ち止まり、ゆりに口付けた。
「愛してるよ。ガーベラ」
「私も」
ゆりはラクアに抱きついたまま言った。
その頃、湖の周りに広がっている森の中では、動く二人に合わせて妖精達が移動中だった。なぜかその中には
ジェラルドの姿もあった。
「何してるんだ？」
そんな妖精達に気づいてやってきたのはダーナの恋人、風の神ウィルだった。
「ちょっと目の保養を」
「私は芸術のために」
と妖精に続いてジェラルドが言った。ウィルは湖の中にラクアとガーベラの姿を見て「これはこれは」といいつつ一緒にこっそり
のぞいたのだった。
ガーベラの恋人ならいざ知らず、皆そうそうガーベラの裸体鑑賞などという機会にはおめにかかれないため、目を
皿のようにしてのぞいていたのだった。
「やはりガーベラのあの胸の形は素晴らしい・・」
ジェラルドは草の陰でぶつぶつ言っている。
「ウィル様はいっつもダーナ様の裸見てるからいいじゃないですか」
と妖精がウィルに言った。
「いや、それはそれ、これはこれだろう。もう少し浅い所に行かないかな」
「もっと盛り上がればいいのに・・・」
周りがそんなことになっているとは、湖の二人は知らない。すっかり二人の世界に入り込んでいた。
激しく口付けをしあっていたら、お互いにかなり盛り上がってしまった。
「あ・・・」
ゆりがどきっとした顔をした。ラクアの体が興奮しているのがわかったからだ。
「ここで抱いていい？」
ラクアがゆりを抱きしめて聞いた。
「だーめ」
ゆりはラクアの胸に触れて、下半身にそっとふれた。
「意地悪」
ラクアはゆりの胸をなでた。そして腰のラインに触れて、おしりをなでなでした。
かなり興奮してきちゃった・・・
心の中ではまた愛という文字が激しく浮かんでいる。
「ああ・・ガーベラ・・・」
ラクアはゆりに口付けて、ゆりの足の間に指をさしいれた。
「あん・・・」
ゆりの手はずっとラクアの下半身をなでさすっている。
二人は肩まで水の中に入っていたのでもちろん、その様子はのぞいている連中からは見えなかった。
「ん・・・んく・・・はあ・・・」
激しく興奮したラクアはそのまま達してしまった。
「ああ。水の中で出してしまった。もうガーベラのせいだよ」
「だって・・・」
「君も達して」
ゆりの体の中に入っていたラクアの指の動きが早くなり、ゆりの体がびくっと痙攣した。
「達した？」
「う・・・うん・・・」
二人とも頬がほんのりピンク色になっている。
「ねえ、もうちょっとぐるりとしましょ」
「いいよ」
ラクアは再びゆりを抱きしめてすいすい移動して行った。
ああ、なんだかすごーく気持ちよくなっちゃった・・・
ゆりは夢心地で水の中を移動した。
二人は全く気づかなかったが、先ほど二人がいた場所では、小さな泡がぶくぶくあがっていた。やがてその泡は
大きくなり、水面を円状に広まって行った。
「あ・・・ウィル様、あれ・・」
森の中にいた妖精達がそれに気づいた。やがてその泡は消えてしまい、その代わりに白い大きな桃のようなものが
二つ、ぷっくり浮いていた。
「あ・・・おやおや・・・」
ウィルが笑った。
水の中から水色の髪をした二人の女の子が顔を出した。そして二人はそのままラクア達とは反対方向に泳いで
いった。
「子供が産まれたみたいだなあ。はははは」
「泳いでいっちゃいましたよ」
「まあそのうちに気づくだろう」
再び子供誕生の場面に立ち会ってしまったウィルは、もしかして俺って縁起がいいのかも？と思っていた。
そんなことも知らずにすいすい神殿の周りを泳いでいた二人は、離れた所から子供の笑い声を聞いて立ち止まった。
「きゃははって聴こえたね」
「そうだね」
「だれかいるのかな？」
そう思っていると離れた所に水色の物が見えた。
「あー子供がいるよ！」
「本当だ。どこの子かな？」
子供は二人いて水の中をばしゃばしゃ泳いでいる。かなり泳ぎが達者なようだ。
「ラクア連れてきて」
「うん、ちょっと待ってて」
ラクアはぱっと移動して子供の元までいった。
「きゃは、きゃはは」
「きゃはは、トトチャマ」
二人はラクアの顔を見ると手を伸ばしてきた。そっくりおんなじ顔の女の子だ。
「トトチャマ？」
「トトチャマ〜ダッコ」
「ダッコ」
ラクアは首をかしげつつ二人を両腕に抱き上げた。
水色の髪と、水色の瞳。どちらも自分と同じものだ。
？？？？？
ラクアは大きく首をかしげつつゆりの元に戻った。
「わあ、かわいい。双子ちゃんだ！」
ゆりは一人を腕に抱いた。
赤ん坊よりは大きく、人間でいえば３歳くらいの幼児だ。水色の髪は肩にかかる程度の長さだった。どちらもにこにこ
していてかわいらしい。
「この子達って、誰の子供？」
ゆりが聞いた。
ラクアは首をかしげたままだ。
「カカチャマ」
子供が言った。
「カカチャマ？カカチャマって神？」
ゆりはまさか自分の子供とは思ってなかったので変な事を聞いていた。
「うーん。この子達からは自分と同じ力を感じるなあ・・・」
「水関係の子供？」
「うーん？？？？」
その時森の中から拍手が沸き起こった。
「子供誕生おめでと〜」
「おめでと〜ございます！」
やんややんやと声が聞こえてゆりは驚いた。
「子供、誕生？」
「どうやら僕の子供みたいだ」
ラクアが笑って言った。
「え？いつ産まれたの？」
「さあ。さっきのあれでできたのかな？」
「えー！！！！」
「きゃは、きゃはは」
「きゃははは」
子供達はうれしそうに笑っていた。
しばらくぼんやりしていた二人だが、はっとラクアは我に帰って言った。
「そうだそうだ。空の神殿に連れて行かなきゃ、ちょっと待ってて」
ラクアはゆりから子供を受け取ると、水からあがってあわてて去って行った。
「あ・・・」
ゆりは森の中をちらりと見た。なんだか歌声が聞こえてくる。
出るに出れないじゃない・・・
ゆりは仕方なくラクアが戻ってくるまで水の中でじーっと待っていたのだった。
しばらくして鐘の音が響き渡った。やがて、ラクアが双子と一緒に戻ってきた。
「おや、ずっと水の中にいたの？」
ラクアがゆりを見ていった。
「だってえ、皆見てるんだもの」
双子は水の側にくるとどぼんと服を着たまま飛び込んだ。
「あらら。それで名前は？」
「ユリアナとイオナだよ」
とラクアが言った。
「どっちがユリアナ？」
「こっちだよ」
とラクアが一人を指さした。しかし、二人がぐるぐる回ってしまうともうどっちかわからなかった。
「わーかわいいー！」
空を飛んできたクーリーフンが双子を見て言った。
肩にサーラがくっついている。
「かわいいねえ。サーラ」
クーリーフンが言うとサーラはニコニコ笑っていた。
「これでお母さん全員の子供ができたねえ。おめでとう」
クーリーフンがゆりを見て祝福の言葉を述べた。
「そうだね。全部で11人産まれたんだね」
ゆりがうれしそうに言った。
その時水色の髪をした女性達が３人湖のほとりにやってきた。
「あら本当だわ。お兄様の子供が産まれたのね」
「まあかわいい」
「お兄様にそっくり」
3人は水の中に入ってきて子供達の近くによってきた。3人共妖精のようだったが、ラクアの妹になるようだ。
「よかったわねえ。お兄様」
「そうだね。ありがとう。ガーベラ」
ラクアがゆりを見て言った。
「ううん」
双子は妖精達に手を引かれてうれしそうに泳いでいた。水の神だから水の中が大好きのようだ。
ゆりはようやく水から上がり、クーリーフンに隠れて服を着たのだった。
サーラはなんだかうらやましそうに水の中を見ていた。
「サーラは中入っちゃだめだよ。翼が重くなっちゃうからね」
クーリーフンがそういうとサーラはちょっと頬を膨らませた。
目出度く恋人全員の子供ができたんだ。向こうに帰ったらお祝いしなくちゃね。
でも11ってのもきりが悪いなあ。あと9人産んで20人にしちゃいたいな。
でも名前覚えるの大変そうだな・・・
ゆりが笑顔の下でそんなことを考えているとはつゆ知らず、一同は笑顔で和やかな時を過ごしたのだった。
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