第６話
年が明けた。アナスターシャは無事一歳の誕生日を迎えて、一族の者たちが城に祝福に訪れた。アナスターシャは結構言葉をしゃべるようになっていた。だが、突然瞬間移動とかするので、ゆりはアナスターシャをだっこする時はひやひやしている。
最近ではようやくラクシュミだけがお父さんだと認識しはじめて、ゆりが他の男から気をもらっても、トーとは言わなく
なっていた。
年が明けたら、もうすぐゆりの待望のあれが近づいてくる。一月の半ば、ゆりは城の広間に商人を呼んでいた。テーブルの上には、いろいろ瓶に入った液体が置かれている。
ゆりはそれをいろいろ手にとり、商人が説明していた。
「本当に効くの？これ」
ゆりは瓶のひとつをとって聞いた。
「北の大陸では一番売れている美容液ですから、効くと思うんですが・・・」
と商人。
「ふうん」
「こちらは最近はやっている美容クリームですがいかがです？」
商人は瓶のふたを開けた。ゆりはそのクリームを手の甲に塗ってみる。
「さらさらしてるわね」
「いかがでしょうか」
「使ってみようかな・・・」
ゆりが買おうとしていたのは美容商品だった。肌を美しくするためのものだ。美容に関しては、アヤコといろいろ情報交換をしているが、どうもこちらの女性とは肌の質が違うようだ。それでも蛇の国の女性の肌よりも、虎の国の女性の肌の方がまだ
近いらしく、ゆりは美容水のようなものを、虎の国から送ってもらってそれをつけたりしていたのだった。
「王妃様の肌は十分美しいと思いますが、突然どうされたのですか？」商人が聞いた。
「だって、３月までにはもっときれいにならないと」
「３月？」
「３月といえばあれじゃない。鈍いわねえ」
ゆりが口を尖らせて言った。
「あれとは、交わりの月ですか？」
「そうよ。美しくなって王様に会わないとね」
ゆりはにこにこして言った。
「・・・」
この商人は蛇の一族の男だったので、当然ゆりが子供を産んですぐだというのも知っていた。一族の女が、出産後は、当分
そんな気にならない事も知っている。
なんと・・・王妃様はすでに子供を作ろうとがんばられているとは・・・一族のために・・・体はまだお辛いだろうに・・・
商人は勘違いして目に涙をためていた。
結局全部買い求めて、ゆりはアナスターシャの部屋で、侍女と遊んでいるアナスターシャを見ていた。もうすでに字を教えようとしているのか、大きな木に書いた文字をいろいろ見せている。
アナスターシャは侍女の言葉を真似ていろいろ言っていた。
うーん。こっちの子ってほんと成長早いなあ・・・でも私向こうの子供知らないからよくわからないけど・・・
ぼんやり見ていたら、ゆりの侍女がやってきた。「王妃様、王が、王の間にいらしてほしいそうです」
「はーい」
ゆりは王の間に行った。
椅子に座るラクシュミの前に、一人の男が立っていた。すごく体格がいい男だ。といっても虎族のガットほどではないが。男はゆりに頭を下げた。男は戦士が着るような緑系のすその長い上着にズボンをはいていた。下級戦士よりも上等な服だというのがゆりにはわかった。
両肩に緑色の蛇の刺繍があり、銀のベルトをしていた。腰には大きな剣を差している。
「ゆり、この男はイシュタールだ。怪我をしたりして今まであまり城に来たことがなかったからお前は知らないだろう？」ラクシュミが言った。
「はい、初めてです」
「最近すっかり元に戻ったのでな。お前に紹介する事にしたのだ。イシュタールは力も強い。お前に気をやることもできるから
仲良くしておくといい。見た目はちょっと怖いが、優しい男だからな」
ゆりはイシュタールを見上げて「はい」と言った。イシュタールはゆりに微笑んだ。ゆりはイシュタールに強くて優しそうな人という印象を持った。イシュタールの髪は癖毛っぽくはねていて、肩に少しかかっていた。深い緑と黒が混じったような色だ。
左の瞳は深い緑の目をしていたが、右目は白い所が黄色く、眼球は緑で、黒い縦線のようなものが入っていた。蛇の目というやつだ。
左の頬には斜めに１０センチほどの傷があった。
ゆりはラクシュミに言われて、自分の部屋でイシュタールと少し話をすることにした。
「イシュタールって何歳なの？」ゆりが聞いた。
「９５歳ですよ」
「じゃあ、ミカエルたちより上なんだね」
「そんなには変わらないですよ。同じようなものですよ」
ラクシュミは今年９２歳、ミカエルやフリットも同じくらいだ。
「王妃は何歳ですか？」
イシュタールが逆に聞いた。
「私はよくわからないの。私がいた世界とこっちじゃ、年齢が違うから」
「そうですか。」
ゆりは部屋に入り、部屋にいた侍女にイシュタールの紹介をして、お茶を運んでもらった。二人はテーブルを挟んで向かい合って座った。
ゆりはじっとイシュタールの右目を見た。今までこういう目は見たことはあるが、近くでまじまじと見るのは初めてだ。
ゆりはイシュタールの服の襟と首の間にちらりと何かが見えて首をかしげた。
「これですか？」
イシュタールが襟をちょっと広げて見せてくれた。首の左側に、緑の蛇の頭が見えた。
「緑の蛇がいる・・・」
「そうですよ。」
一族の者は、たいてい体のどこかに蛇や、蛇のうろこの模様があったりするのだが、イシュタールの場合は首にも見えるのだ。
「胴体はどうなってるの？」
ゆりは気になって聞いてみた。
「見たいですか？」
といわれて、ゆりはぶるぶると首を横に振った。頬は赤くなっている。イシュタールは微笑んだ。
なんだか大人の落ち着いた男って感じ・・・いいかも・・・
ゆりはちょっとどきどきしてしまった。
「王妃はいつもどうやって気をもらってるんですか？」イシュタールが聞いた。
「あそこで引っ付いてもらってるよ。」
ゆりは部屋の中にある長椅子を指した。
「そうですか。王妃に引っ付くのは照れますね」
「私も照れるよ。イシュタールって素敵だからもてるでしょ？」
「いえ、私はもてないですよ」
「またまた」
「本当ですよ」
侍女がお茶を運んできて、ゆりはイシュタールといろいろ話をして分かれた。
なんだか真面目そうでいい人だなあ・・・
ゆりはイシュタールに結構好印象を抱いたのだった。
その夜、ゆりはラクシュミに抱かれて引っ付いていた。左の瞳は黄色と黒に変わっている。「ねえ、王様、イシュタールっていい男ね」
ゆりが言った。
「ああ、いい男だ」
ラクシュミがしみじみと言う。
「怪我が治らないのに戦いにいろいろ参加してたからな、傷だらけだ」
「体にもあるの？傷」
「ああ」
「見たいな・・・蛇の胴体も見たいし・・・」
ラクシュミはゆりを見た。その表情には怒りも嫉妬もない。だがどこか、悲しそうだった。
「実はな、イシュタールは女を抱くことはできないんだ」
ぽつりと言った。
「どうして？女嫌いなの？」
「いいや。前に戦いの時に深い傷を負って、それ以来だめだといってた。だから、あまり赤い月の話とかはするんじゃないぞ？」
「そうなんだ・・・かわいそうだな・・・」
「ああ・・・いい男なだけにもったいない・・・」
ラクシュミはため息交じりに言った。
なるほど・・だから女にはもてないんだ・・・
ゆりは納得した。いくら外見がよくて力があっても、生殖機能がないと女にもてることはない。もちろん尊敬はされるだろうけれど。
確かにいい男なだけにもったいないね・・・
その数日後、ゆりはイシュタールを呼んで気をもらう事にした。その前に一緒にアナスターシャの元に行き、ゆりはアナスターシャをイシュタールにだっこさせた。
イシュタールはうれしそうに目を細めている。
「アナスターシャ、イシュタールよ」
「イシュ・・・イシュイシュ・・・」
アナスターシャはしばらくイシュイシュ言っていた。
「姫君は王妃によく似ていますね」イシュタールがアナスターシャをゆりかごに戻しながら言った。
「え？」
「笑った顔はそっくりですよ」
イシュタールは真顔で言っている。
そんな事を言われたのは初めてだった。アナスターシャはどっからみてもラクシュミ似で、ゆりは全然自分には似ていないと思って
いたのだ。
「ありがとう。イシュタールって優しいんだね」
ゆりは素直に喜んだ。
その後、ゆりは自分の部屋の長椅子で寄り添って気をもらった。子供がおなかにいない今は、ゆり自身気がほしい、とはさほど思っていなかったが、気というのはためっぱなしというわけではなく、常に少しづつ放出しているらしく、次の子供を産むため
にも、気を体内に入れた方がよいようだ。だから時々誰かから気をもらっている。上着がごわごわして仕方ないので、
イシュタールは上着だけ脱いでいた。ゆりは横から引っ付いている。
「ごめんね。会ったばかりでこんなことして」「王妃に引っ付かれるとは光栄ですよ」
イシュタールは微笑んで言った。
イシュタールっていいなあ・・・さりげなくほめてくれるし・・・ミカエルみたいに誘惑モードには絶対入りそうにないところが、気楽でいいかもね。
「イシュタール、また今度呼んでもいい？」ゆりが聞くと、イシュタールは微笑んで「もちろんですよ」と言ってくれた。
ゆりがにっこり微笑んだ次の瞬間、ゆりの左目が黄色と黒に変わり、イシュタールは少し首をかしげた。ゆりはじっとイシュタールを見つめている。
「あなたの蛇みたくてしょうがないの。見せてもらってもいい？」
「いいですが・・・ここでですか？王妃の侍女が入ってきたら、誤解されませんか？」
「別に誤解されてもいいけど、あっち行こう」
「？」
ゆりはイシュタールの大きな手を握り締めて、別室の方に移動した。イシュタールは部屋の中を見回した。ベッドと家具が
いくつかあるだけの、そんなに広くない部屋である。
「もしかして・・・王妃と恋人の部屋ですか？」
イシュタールが聞いた。
「まあそう」
「うらやましいですね、ミカエルたちが」
全然やらしさを連想させない笑みを浮かべて、イシュタールが言った。
「じゃあ同じことする？」
ゆりがいたずらっぽく聞いた。
「お誘いはうれしいですが、私は女が抱けませんので」
「別にいいよ。抱けなくても。私王様以外には抱かれてないから」
「え？」
「王様が私にぞっこんで嫉妬深いから、私王様以外とは交わってないんだ」
ゆりがニコニコして言うと、イシュタールは少し驚いたような顔をしたが、やがて微笑んだ。
「微笑ましい話ですね」
「だからね肌をひっつけていちゃいちゃしてるだけなの。とりあえずあなたの蛇みたいな」
「いいですよ」
イシュタールは上に着ている物を全部脱いだ。筋肉質な体だが、ゆりはイシュタールの胸に大きな傷があるのを見た。
イシュタールはゆりに背中をむけた。緑の蛇は、背中の所でくるりと一回転して、背中の右斜めの方に尻尾があった。
ゆりはその蛇をなでた。筋肉の感触がする。
「ひっついて気もらってもいい？」「いいですよ」
ゆりはイシュタールを寝かせて体を寄せた。
「あなたの気って魅力的だね」
「そうですか？」
「ねえ、いつ、だめになっちゃったの？体」
「かれこれ２５年は前ですかね。」
「そうなの・・・」
「子供をつくりたかったけど、無理でしたね」
「・・・だから戦いで無理したの？みんなの分も」
「そういうわけではないですよ。体に傷があるのは、弱い証拠ですよ」
イシュタールは、少し悲しそうに笑っていったのだった。
「ねえ、口付けしてもいい？」ゆりがそういうと、イシュタールは瞬いた。
「してくださるんですか？」「うん。」
ゆりはイシュタールに唇を寄せて、舌をからめた。イシュタールはそれに答えるように舌をからめて、ゆりの頬をなでた。
ああ・・・イシュタールの蛇紋が見たくてしょうがない・・・でもまずいかなあ・・・変化させるのは・・・
「肌に触れてもいいですか？」「うん」
イシュタールはちょっとその気になったのか、ゆりに気を使ったのかわからないがゆりの服の肩の部分をずらして、下着も
ずらし、胸だけはだけさせた。
「きれいですね」
イシュタールはゆりの胸に触れながら、ゆりの頬にキスした。
やっぱり変化させたい！
ゆりはその衝動がどうしても抑えられなかった。ゆりの左目がきらりと輝いた。イシュタールは一瞬ぎょっとしたが、別にそれだけだった。
あれ？やっぱりだめなのかな・・・
「今何かしました？」イシュタールが聞いた。
「うん。変化させたかったの」
「変化？」
「あなたの蛇紋が見たくて・・・」
「しばらく変化してないですからね」
「あ・・・」
ゆりはイシュタールの胸にうっすらと緑の蛇が浮いてくるのを見た。
「わーい。蛇紋だわ」
ゆりが喜んで言うと、イシュタールが驚いて自分の胸を見た。
「本当だ・・・」
「きれい」
蛇はどんどん濃くなってくる。
ゆりは胸の蛇をなでて、そこにキスした。
「・・・」
ゆりはイシュタールの目が、両方同じ蛇の目になっているのを見た。
「素敵よ。イシュタール」「王妃・・・」
イシュタールはゆりに口付けながら、ゆりの服を脱がして肌に触れた。大きな手がゆりの胸や、おしりをなでて、足の付け根にまで
触れてきた。
「入れていいですか？」
「うん・・」
指が優しく体の入り口をまさぐって、やがて、体の中にまで入ってきた。
ああ・・・太い指がいいかも・・・
指が優しく動かされて、ゆりはかなり気持ちよくなってしまった。「ああ・・・イシュタール・・・」
「素敵ですよ。王妃」
「ああ・・・」
ゆりは快楽を感じて身を震わせた。
「うれしいですよ。王妃」
イシュタールは変化しても優しかった。
ゆりはイシュタールのズボンに両手を伸ばしてベルトをはずした。
「王妃・・・」
「ごめんね。どうしても確かめたい」
「無理ですよ」
「傷そんなに深いの？」
「いえ・・・傷はもうないんですが・・・」
「ごめんね」
ゆりはイシュタールのズボンをおろして下着もおろした。
「・・・別に体は大丈夫そうだけど・・・」
ゆりがまじまじと体を見たので、イシュタールがちょっと恥ずかしそうな顔をした。
「ちょっと寝転んで」
「え？」
「いいからいいから」
ゆりはイシュタールを寝転ばせた。
そして手でそっとイシュタールの下半身に触れた。
「あの・・・王妃・・・」
「本当はこんなこと王様にしかしないけど・・・今日は特別ね」
「え？」
ゆりはからだを曲げてイシュタールの下半身の方に顔をもっていったので、イシュタールはぎょっとして体を起こそうとした。
「いいからそのまま。そのまま」
ゆりはイシュタールの胸元をぽんと押した。
「え・・・でも・・王妃様にそんなことをさせるのは・・」
「どーしても確かめたいの」
「はあ・・・」
ゆりはイシュタールの下半身に触れながら、舌でそれをなめた。
「・・！」
イシュタールは目を見開いている。ゆりは躊躇なくイシュタールの下半身に愛撫を続けた。
すると、しだいにそれは興奮状態へと変わって行った。
「え」
「ほら・・・やっぱり怪我治ってたんだ」
ゆりがうれしそうに言う。
「せっかくだから最後までいっちゃってね♪」
「え・・・え・・・・」
イシュタールは興奮するやら恥ずかしいやらで、ほぼパニックになっていた。
ゆりがはっと目を開けた時、ゆりは長椅子でイシュタールに寄り添っていた。「あれ？寝てた？」
両方黒い瞳のゆりがイシュタールを見て聞いた。
「は、はい」
「ごめんね。退屈だったでしょ？」
ゆりが申し訳なさそうに言う。
「いえ、王妃のかわいい寝顔がたっぷり見れましたから」
イシュタールは笑っていたが、どこかちょっと顔が引きつっていた。
全く覚えてないようだ・・・こちらの王妃は・・・
イシュタールはそう悟り、余計な事は言わずにゆりと分かれた。足はちょっともつれていた。
まさかあんな事になるとは・・・
思い出すだけで顔も真っ赤だった。
ゆりはその日の夕方、庭園をぶらぶら散歩した。すると、東屋の所に、女の人が５．６人いるのが見えたので、近づいて行った。「こんにちは」
ゆりが言うと、女性たちは微笑んで挨拶してくれた。一族の女性らしく、二人ほどは、ジュメのような戦士の服装をしていた。
「みんな何の相談なの？」
「交わりの月の情報交換ですよ」
女性の一人が言った。
「そうなんだ。」
誰が誰と過ごす、とか今年は誰が無理らしいという情報は、結構一族の男女の中には出回っているようだ。
それも、余計な手間を省くためだ。無理な男をいつまでも追っても仕方がないからだ。それなら他の男にアタックしたほうがいい。
その時、ゆりの左の瞳が急に黄色と黒に変わった。「みんな、いいこと教えてあげようか」
ゆりは女性たちに近づいてこっそり言った。
すると、全員の目の色が変わった。
「それ、本当ですの？」
一人がぱっと消えて、他の女たちも争うように消えた。
その直後、王の間の前の番兵が一族の女性に胸ぐらをつかまれていた。「イシュタール様はどこ！？」
「どこにいるの！？」
「え・・・さあ・・・」
番兵達は女たちの剣幕に驚いた。
「イシュタール様！」「この日をどんなに待ちわびていたことか！」
「どこ〜？！」
女達は血走った目でイシュタールを探し回っている。
そのころイシュタールは戦士達の休憩場の前でミカエルと出会っていた。「イシュタール、怪我はもうすっかりいいのか？」
ミカエルが聞いた。
「ああ。もうすっかりな。さっき王妃と会ってきたんだ。お前が執着する理由がわかったぞ」
「ん？」
「どちらの王妃も魅力的だな」
イシュタールは微笑んで言った。
「どちら？どちらとも会ったのか？」
「ああ」
「そうか・・・」
「じゃあまたな」
イシュタールは姿を消した。
その直後、「ミカエル様！イシュタール様見ませんでした！？」
女たちが詰め寄るようにやってきてミカエルは驚いた。
「え？イシュタール？さっきまでいたんだが・・」
「どこ行ったんです！」
女達の目つきが怖かった。
「さあ・・・家に帰ったのかも・・・」
ミカエルが押され気味に言う。
「こうなったら屋敷で待ち伏せよ」「イシュタール様の屋敷ってどこ？」
「私知ってる！」
「いくわよ！」
女達は消えた。
「なんなんだ？」ミカエルは呆然としている。
ゆりはこっそりと、「イシュタールのあっちの怪我、治ったよ」と女たちに言ったのだった。イシュタールは若く、しかも上級戦士で、まだ女達の目が向いていない。
これはもうすぐにアタックするしかない！
女達の目の色が変わるのも仕方がないことだった。
そのころ庭園では、ゆりはぺろりと舌を出していた。「がんばってね。イシュタール♪」
ゆりはちょっといじわるそうに笑ってそう言ったのだった。
おしまい
一族の女性たちの交わりの月も、それなりにちょっと楽しそうですね。