第８話

「・・・・・」

ゆりは口を大きく開けて自分の胸元を見ていた。胸の谷間が見える。

今まで見たことなかったのに・・・

「な、な、何これ、一体どうしたの？なんで胸でかくなってるの？」

天変地異の前触れだろうか。

それとも何かの魔法？！

「大人になられたんですよ。とても素敵になりましたね」

ミカエルが言った。

「お、大人！？」

中の下着が破れているようだった。服もはちきれんばかりだ。

「やあ、やだ、なにこれ、大人ってなんなの！？」

ゆりは涙目でミカエルを見た。

「こういう風に、身体の線が変わり、生殖機能が備わる事を成熟した、もしくは、大人になったといいます」

ミカエルがゆりの頬をなでた。

「・・・・はあ？」

「ゆり様は今まで子供だったんです。われわれの眼から見れば。でももう立派な大人だ。王も喜ばれますよ」

ミカエルが微笑んで言う。

「・・・」

ゆりの頭の中は、すでにパニックだった。

大人って・・・私はずっと大人だったよ！

とっくに成人してたよ！

「お部屋にいきましょう。大人の服に着替えなければ」

ミカエルは、ゆりを抱き上げた。

ゆりは真っ赤な顔をした。

「このまま歩いておつれしたいところですが・・・」

「ばっなに言ってるの！あ、そうだ。ルーつれていかなきゃ」

「私の足に引っ付いてますから、大丈夫ですよ」

ミカエルは、瞬間移動で、ゆりの部屋に移動した。

「まあ！ゆり様！」

部屋にいたミラが、ゆりの胸を見て声をあげた。

「私は王に報告してきますよ。では。ゆり様」

ミカエルは、ゆりを下ろして部屋を出て行った。

「まー何てすばらしくおなりなんでしょう。服をお持ちしますわ！」

ミラは大喜びで部屋を出て行った。

「・・・・」

ゆりは服を上からのぞいて自分の胸を見た。そこには、見慣れない膨らみがある。

「すごい・・・ボールみたい・・・」

胸が大きくなった事以外は、大してかわっていないようだが・・・

ゆりは用意された服に着替えた。胸元が見えてセクシーだ。

「こんな服恥ずかしいよ。ミラ」

「とても素敵ですわ。ゆり様。王様からの伝言ですわ。今夜は必ず、王の寝室で過ごすように、と」

「はあああ？」

その言葉に抗議するかのように声をあげた。

「まあ、ゆり様ったら、そんなに喜んで」

「違うよ！こ、こんなの見られるのやだ！」

「ほほほ、王様は大変ご機嫌でしたよ。」

その日の夕食は、とても豪華だった。大人になったお祝いらしい。そして、お風呂も。

浴槽の中には、一面、真っ赤な花びらが浮かんでいた。

「わーすごいいいにおい・・・」

お湯に十分使ってから浴槽を出て、身体と髪を洗った。すると、とてもすっきりした気分になった。

ゆりは、用意された服を手に取った。

「・・・・」

袖を通し、目が点になった。

「ちょっと、何よこれ！こんなの着れるわけないでしょー！」

ゆりは侍女に文句を言った。その生地は、透けていた。淡いピンクで透けている生地だ。中の肌も見える。

「とてもお似合いですわよ。」

侍女がまじめな顔で言う。

「な、何いって！第一この格好で廊下を歩けというわけ！」

「大丈夫です。誰も通りませんから」

侍女がニコニコ笑っていった。

「そういう問題じゃないよ。普通の服ちょうだいよ！」

「他の色がよろしいですか？」

是が非にもこれを着せたいようだ。

「・・・・わかったわよ。いいよもう」

どうせ王様は来るの遅いだろうし。布団の中にいれば見られることもない。

そう思いゆりは、王の寝室の扉を開けて、中に入った。

ゆりは、ベッドにかかっているベールごしに、人がいるのが見えてぎょっとした。

すると、ベールが横に引き寄せられた。

「ゆり、早く来い」

ラクシュミの顔を見たゆりは、思わず背中を向けて扉のほうに向かった。すると、身体が宙に浮いた。

「いやあああああ！」

ベッドのほうに身体が引き寄せられる。そして、最後には、ラクシュミの腕の中にいた。

「なぜ逃げる？」

「やだあ。見ないで、みないで！」

ゆりは恥ずかしさで死にそうだった。

「なぜだ？じっくり見たい。」

「やだ！」

「暴れるな。」

ラクシュミは、ゆりの身体を抱き寄せて、自分の足の間に入れた。

ゆりは、両手で胸を隠している。ラクシュミが笑った。

「な、なんで今日に限っているの？！」

「お前のお祝いだ。」

「お祝い？」

ベッドの横には、酒瓶のようなものがおかれていた。

「二人で酒を飲もう」

「・・・・手・・・手離して・・・」

ゆりの身体はしっかり抱きしめられていた。

「ん？ああ」

ラクシュミが手を離して、ゆりは身体を離し、ほっと息をはいた。

「・・・・あの・・・あんまり見ないで・・・」

ラクシュミはじっとゆりの身体を見ている。

「妻を見てなにが悪い」

「だって、・・・いきなりそんな・・・」

「お前が大人になるのをずっと待ってた。」

「え？」

「これでお前に触れられる」

ラクシュミは、ゆりの肩から腕をなでた。

「・・・あの・・・どーいうこと？」

「今までは、お前が子供だから、何もしなかった」

「・・・」

「あのお茶には、体の成熟を促す成分が入っている。だから、飲ませたのだ」

「な・・・」

「今は、お前が望むことならなんでもしてやれるぞ」

「・・・」

ゆりはあいた口がふさがらなかった。

つまりは、体がこうなったのはあのお茶のせいということだ。

「どうして今まで黙ってたの？」

「お前は大人だといっていたし、身体のことを言うと、もめると思ったから言わなかった」

「・・・・」

「祝いだ。酒を飲もう」

ラクシュミが、力で酒瓶を引き寄せて、杯も引き寄せた。

「お前がついでくれ」

ラクシュミは、ゆりにびんを渡した。ゆりは、釈然としないながらも、杯に酒をついだ。

「私、こんなのいや、元に戻して」

「無理だ」

「・・・・」

「なぜだ？」

「だって・・私に断りもなくこんな・・・」

「あのままでいたってお前にいい事はなにもない。私たちの目から見れば、今のお前は、昨日までのお前とは天と地ほどの差が

あるのだ。」

そんな事言われたって・・・

「これで女たちにばかにされることもない」

「・・・」

「側にこい。抱きしめてやる」

ゆりは顔を横に振った。

「素直に従え。私がそういう気になっているうちにな」

「・・・」

「お前は私から逃げる事はできない。それならば、私に気に入られたほうがよいだろうが」

「昨日までは何もしなかったくせに、何なの一体・・・」

「お前が子供だったからだ。だが今日からは違う」

「・・・私、自分の部屋に帰る」

ゆりはベッドを降りようとしたが、身体が動かなかった。

「どうして逃げる？」

「・・頭混乱して・・・わけわからない」

身体が動かない。

「最初の夜、お前は抱いてほしいといった。あの時、お前がこの姿だったなら、お前を抱いていた。私とて、妻の望みを聞いて

やりたいという気くらいはある。」

ラクシュミは、ゆりの腕を引いて、抱き寄せた。

手はゆりの首をなでている。

ゆりは身体を全く動かす事ができなかった。

「それとも今までと同じがいいのか？私に触れられるのはいやか？」

ラクシュミが顔を寄せ、ゆりは金魚のようにぱくぱく口を動かした。

かなり混乱している。

ラクシュミは、ゆりの頬に口付けた。次に唇を覆われて、ゆりは驚いた。初めての口付けだった。

ラクシュミは、ゆりを軽く抱いたまま、酒を飲んだ。

初めて・・・キスされた・・・

「お前も飲むか？」

ゆりがうなずくとラクシュミは、ゆりに杯を渡した。ゆりはそれを飲む。

「あ、おいしい」

「そうか」

ラクシュミを見ると、今までとは違う目で、自分を見ている。

どうやら、機嫌がよいようだった。


私が大人になったから？

大人って何よ・・・

胸がでかくなっただけじゃない。

ゆりはふんわりといい気分になってきた。

「・・王様、もう一度キスして」

「キス？」

「口付けして」

「ああ。いいぞ」

ラクシュミはゆりに顔を寄せた。

唇はとてもひんやりしていた。

胸がどきどきする。

ようやく・・・仲良くなれたんだ・・・

ゆりはラクシュミの胸に顔をうずめた。

その時、ゆりは胸に痛みが走るのを感じた。

「胸・・・痛い・・・」

「痛いのか？」

「つけねが・・・」

「見せてみろ」

「や・・・」

「じっとしてろ」

ラクシュミがゆりの身体に触れる。

「や・・・何するの・・・」

ゆりは抵抗しようとした。

「じっとしてろといってるだろう？身体の様子を見るだけだ」

ラクシュミがやさしく言う。

「だって・・・あ・・・」

ゆりの手が落ちた。ラクシュミが力を使ったのだ。ラクシュミがゆりの胸に触れた。

「痛むか？」

「ん・・・」

胸をなでられてゆりはびっくりした。

「や・・・」

「じっとしてろ」

ラクシュミはゆりの服の止め具をはずして、胸をさらけ出した。

「あ・・・や・・・・」

「ほう・・・きれいな色だな」

胸のふくらみをなでる。

ゆりは恥ずかしさで死にそうだった。身体は、押さえつけられたように動けない。

「肌の感触もいい・・・」

「や・・・もう痛くないから・・・・」

「そうか？」

胸の先端に触れられて、ゆりの身体がびくりとした。

「ん？お前・・・気持ちいいのか？」

「・・・・」

ゆりの顔が真っ赤になる。

「もうやめて」

震える声で言った。

「そうだな・・・だが・・・もったいないな・・」

ラクシュミはゆりの身体に布団をかけた。

「お前はかわいいぞ。ゆっくり眠れ」

「・・・」

ゆりは目を閉じた。

「ん・・・ん・・・」

ゆりはごろりと寝返りを打った。


ん・・・・すごくいいにおい・・・・

ゆりはしばらく、まどろんだままでごろごろしていた。

なんか腕にあたってる・・・

ゆりは目を開けてぎょっとした。横に身体がある。

「・・・」

上を見て

「！」

ラクシュミの顔があるのを見てゆりは驚いて身体を離した。そして、自分の身体を見て

「ぎゃあ！」

と悲鳴をあげた。

「朝からうるさいぞ」

ラクシュミが目を開けていった。

ゆりの胸は丸見えになっていた。服の止め具が全部外れている。

「なんてかっこう・・・」

ゆりは布団で胸を隠していた。

「もしかして・・見た？」

ラクシュミの顔を見る。

ラクシュミはゆりの腕を引いて寝転ばせた。

「やっ！」

「うるさいといってるだろう」

「だって・・・」

ゆりはラクシュミの腕に抱きしめられて、ぎょっとした。ラクシュミの指が、ゆりの首をなでている。

「・・・はしたないって言わないの？」

ゆりが聞いた。

「この前言ったじゃない。スカートが太ももまであがってるだけで、不愉快げに言ったくせに・・」

寝てる間に布団がめくれていて、スカートがあがっていた。すると、朝、ラクシュミにはしたないといわれた事をゆりは思い出した。

「あの時お前は子供だった。子供は、親族以外の男に肌を見せるのははしたないことだ。今は、お前が裸で寝ようがかまわない」

なんじゃそりゃ・・・・

「身体の調子はどうだ？どこか痛くないか？」

「別に痛くないけど・・・」

ゆりは、唖然としていた。

あまりのことに、頭が回らない。

「昨日何かしたの？」

ゆりは恐る恐る聞いた。

ラクシュミは、興味なさそうなさめた目をしている。

言うんじゃなかった・・・そういえば、普段は性欲なかったっけ。

「どうせ私の身体なんて・・・」

ゆりはぶつぶつつぶやいた。

「何すねてる」

「すねてなんかない」

ゆりの体温がどんどんあがっていく。

「今晩も早く来る。楽しみにしてろ」

ゆりの頬が真っ赤になった。

ラクシュミはゆりから離れてベッドから降りた。

「念のために、あと一月はお茶を飲め、身体が安定するまではな」

「はい・・」

ラクシュミは部屋をでた。


・・・わけわかんないけど・・・なんだか・・胸大きくなってよかったような気もするな・・

そういえば、改めて考えたら、城の中の女の人ってみんな胸大きいよね。アヤコさんも大きかったし・・・

胸小さい人って見たことないかも。

「まあ、どうかされましたか？ゆり様」

朝食をふてくされながら食べているゆりに、ミラが言った。

「聞いて、ミラ、王様、突然変なんだよ。身体にべたべた触ってくるし・・・今迄は手も握ったことなかったのにさ！」

「ふふふ・・・のろけですかあ？」

ミラが笑って言う。

「なっち、違うわよ」

ゆりの顔は真っ赤だった。

「ゆり様、今日は広間に商人がいろいろきますからね。午後いなくならないでください」

「商人？」

「ええ、仕立て屋もきますわ。服とか飾り物とか。ゆり様に似合うものを選びましょう。」

「えー楽しみー」

そして午後、大広間に、様々な商人が集まり、商品を並べた。いろんな色の生地の布、飾り物、靴、などなど。

ゆりの目は輝いている。

「ワーワー。目移りしちゃう！！」

ゆりはいろんな布を身体にあててみた。

「ねえ、ミラどう？これは？」

「ゆり様には淡い色がにあいますわ。これなんかどうです？」

二人はうれしそうにわいわい言いながら選んでいる。

「ねえ、服のデザインはどうなるの？」

「はい、こちらのような形になりますが」

商人は、見本の服を並べた。どれもセクシーなものばかりだ。

「あのさ、もっとおとなしめのものがいいんだけど・・・」

「はあ・・・」

「それでかわいいやつ。腕も隠したいの。ちょっと寒いから」

「はい、ちょっとまってください」

仕立て屋がやってきて、紙に絵を描き始めた。

「ではこんな感じでは？」

「うん。それでね・・」

ゆりはいろいろ注文をつけた。

「わかりました。ではそのような服にしましょう」

「ありがとう」

「ゆり様、次は、飾り物を選びましょう」

「うん！」

ゆりはご機嫌だった。久しぶりに一杯買い物したからだ。

「やっぱり買い物って楽しいよね」

ミラが笑った。

「ゆり様が楽しそうで、私もうれしいです」

「・・・・」


今まで心配かけちゃったからなあ。


「でも、お金の心配しないで買い物できるってすごいなあ。」

服も宝石も、何を選んでもいいなんて夢のようだった。

「王妃様ですもの。当然ですわ」

とミラ。

「なんだか初めて王妃様って実感した気分」

「そろそろ夕食にしましょう」

「はーい」


勝手に胸が大きくなってなんか複雑だけど・・・これでいいのかな。

なんだか、王様もかわったし・・・・

今日はお礼いわないとね。



夜、ほどなくしてラクシュミがやってきた。

「王様、今日はすごく楽しかった。ありがとう」

ゆりは素直にお礼を言った。

「そうか・・・よかったな」

ラクシュミはベッドにあがった。

「王様、お酒飲む？」

「ああ」

ゆりは、傍らの台にあるお酒と杯を取り、ラクシュミに杯を渡して、お酒を注いだ。ゆりは酒を飲むラクシュミを、

じっと眺めている。

「なんだ？」

「え？・・・あ・・・別に・・・」

ゆりは目そらした。

「ゆり・・・お前を抱いてみたいのだが・・・」

「・・・は？」

ゆりは一瞬何を言われたのかわからなかった。

「お前を抱いてみたい」

「・・・」


なんていったらいいのかわからない。

「それって、単なる好奇心で抱いてみたいってこと？」

「まあそうだな」

ラクシュミはあっさり認めた。

「いや」

ゆりが言う。ラクシュミがうっすら微笑んだ。

「お前は、王妃の教育をちゃんと受けているのか？」

「だって・・・王様の言うことに逆らうなって言われても・・・無理だよ。私にだって感情があるんだよ。そんな、

あれが食べてみたいってな感じで言われても・・・」

「拒否の言葉は聞きたくない。お前に興味を持っているのになぜ喜ばない？」

「う・・・」

「それとも、興味がないほうがよいのか？」

「・・・」

冷ややかな表情で言われて、ゆりは沈黙した。

「来年だって思っていたから、急に言われて、混乱して・・・」

「服を脱げ」

脱げって言われても・・・

「いやなのか？」

「そんな、いきなり・・・」

ムードもへったくれもない。

「脱がないなら寝るぞ？」

まるでゆりのほうが望んでいるかのような言い方である。

「・・・恥ずかしいから、明かりを消して・・・」

「わかった」

明かりがすぐ消された。ゆりは、真っ暗な部屋でもぞもぞ着ているものを脱いだ。

この人が私をどう扱うのか、それが知りたい・・・

ゆりはそう思い、従う事にした。

「お前の世界の男女は、どのように交わるのだ？」

「し・・しらない・・・やったことないもの・・・」

「・・・そうか・・・」

ラクシュミがゆりの体を抱き寄せた。

「・・・・」

・・こ・・・怖い・・・

ラクシュミは、ゆりの頬をなでて、胸に触れた。

体が緊張する・・・

「お前の世界の男女は、いつでも交わって子供がつくれるのか？」

ラクシュミが聞いた。

「そうよ。交わりの月なんてない」

「そうか。なら、お前はいつでも興奮できるのか？」

「え？さあ・・・」

指が、優しく、ゆりの下半身の入り口をまさぐった。

「や・・・」

ゆりは足を閉じた。

「じっとしてろ」

「だって・・・」

「足を広げろ」

「やだあ・・・恥ずかしい・・・」

「ゆり、いい加減にしろ。」

「・・・だって・・・」

ラクシュミはゆりの体から手を離した。

「・・・怒ったの？」

「いいや。だが、これでは朝までかかりそうだ。」

ゆりはしょんぼりした。

ラクシュミはゆりを抱き寄せて口付けた。

舌をからめられて、ゆりはラクシュミの背中に腕を回した。

ラクシュミはゆりの体を寝かせて上に乗った。足は広げられた。

「じっとしてろ」

ゆりがうなずく。

ラクシュミはゆりの頬をなでたり、胸に触れたりして、ゆりの肌のあちこちに触れた。

そして、ゆりが少し興奮したところで、体を入り口に押し付けた。

「い・・・・」

体の中に異物が入ってきて、あまりの痛みにゆりは目を白黒させた。

し・・・死ぬ・・・

ラクシュミは少し入れただけでからだを離した。ゆりはひどい汗をかいている。

「大丈夫か？」

「うん・・・」

といいつつも、あんまり大丈夫じゃなかった。

「今日はもうやめよう」

「・・・」

ゆりはしょんぼりしている。

ラクシュミはゆりの横に寝転び、布団をかけた。

なんだかやな雰囲気になってしまった。

未経験なのだから、しょうがないけど。

「お前は、私以外の男と交わるのはどう思う？」

「え？」

「我が一族は普段はあまり交わったりしないのだが、交わりの月のために練習することはよくある。お前が平気なら

他の男と交わって体を慣らしてほしいんだが」

「・・・」

ゆりは目を見開いた。

「こういうことは種族によって考え方がそれぞれ違うからな。お前はそれについてはどういう考えだ？」

「他の人とすることについて？」

ゆりは引きつった顔で聞いた。

「そうだ。」

「・・・私は・・・夫以外とはしたくない」

ゆりは小さな声で言った。

「そうか。わかった」

ゆりはひどく暗い顔をしている。

「面倒だからもう抱きたくないの？」

ゆりは泣きそうな声で言った。

「そうではない。今日はもう寝ろ」

「・・・うん・・」

結局最後までされなかったため、ゆりはすっきりしなかった。

それから５日ほど、ラクシュミは遅くて、ゆりは話もしなかった。

この前のことは心にずっとひっかっかっている。

その夜寝室でうとうとしていたゆりは、優しく頬をなでられて、目を開けた。

「王様・・・」

つぶやいて、横にいる人物を見る。部屋の中は、暗い。だけれども、横にいるのがラクシュミではないことがわかった。

ほのかに光ってみえる髪は、短く、肩にかかってもいない。

「だれ？」

「こんばんは。王妃、私の名前は、ヴィラ、お見知りおきを」

冷静な男の声が聞こえた。

「・・・」

ゆりの心臓の鼓動が早くなった。この寝室に入れる男はラクシュミだけのはずである。

ゆりは体を動かして男から離れ、布団で体を隠しながら体を起こした。

「なんでここにいるの？」

「今宵も王は遅い。王がこられるまで、私がお相手をいたしましょう」

ヴィラが言った。

「え・・・」

ゆりの体が凍りついた。

まさか・・・

「そんな顔をしないでください。ちゃんと、王妃のことは聞いていますよ。王以外とは交わりたくはないと、おっしゃられたそうで

すね。私もあなたを抱きはしません。ただ、王と交わりやすいように、するだけです」

あまり抑揚のない声だった。

「意味がわからない。どういうこと？」

「しばらく私に体をあずけてくださればわかりますよ」

「い・・・いや・・・」

ゆりは、恐怖を感じていった。

「出て行って！」

「困りましたね。」

男は軽く息を吐いた。

「あなたが拒絶すると、それは、やがてはあなた自身を苦しめることになるんですよ？それでもいいのですか？」

「え？」

「あなたが思っている以上に、王はお忙しい方なのです。あなたを抱いてあげたいと思っても、かわいがってあげる時間もそう

はとれない。ですから、私がいろいろあなたに教えてさしあげるのです。王がここに来てすぐあなたを抱けるように。これは、

あなたのためなのですよ」

「・・・」

「あなたが拒絶するならそれでもいいと王はおっしゃられていましたが・・・どうしますか？」

ゆりは黙った。

「王様・・私を抱くのが面倒なんでしょ？もういやなんでしょ？」

「そういうことではないですよ。本来ならば、王妃は他の男と交わって交わりの月に王とそうなりやすいようにするものなのですが、

王はそうしたくないようです。ですからこういう形をとったんですよ。私はいろんなことをあなたに教えてあげられますよ。

交わりの月の、作法などもね」

「・・・・」

「王好みの女になりたくないんですか？」

「え？」

ゆりはどきりとした。

「王が抱きたくなるような女になりたくないんですか？交わりの月で王に気に入られなければ、数日で他の女の元に行ってしまう

かもしれませんよ？」

ゆりは唇をかみしめた。

「・・・どうせなら、別の人がいい・・・」

「ミカエル殿がいいですか？」

ヴィラが笑っていった。

「う・・うん・・・」

「・・・だめですよ。あなたが他の男を愛するのは困る。相手がミカエル殿なら彼を愛してしまう可能性があるでしょう？」

「でも・・・わたし、あなたのこと知らないし・・・」

第一顔も見えない。

「知らなくてもいいんですよ。私は王の代わりなのだから・・・さあ、いらっしゃい。」

ヴィラが手を出す。ゆりは胸元で両手をもじもじしていた。

「・・・本当に、最後までしない？こ、怖いことしない？あなたを信じてもいいの？」

「ええ。王好みの女に、してあげますよ」

ゆりは、そろそろと手を伸ばした。

「よろしい・・・まずは、あなたがどういう身体をしているのか、確かめさせてくださいね」

ヴィラの指がゆりの頬をなでて、肩におり、服を横に引いた。

「！」

ゆりの心臓が跳ね上がる。

服が下にするりと落ちた。

「そこに寝転んでください」

ヴィラが、冷静な口調で言った。

ゆりは、いわれるとおりにした。

ヴィラは、ゆりの体から服をはぎとっていく。

「ねえ、あなたの顔がみたい」

暗くて顔が見えない。一族の人だろうと想像はついたが。

「私は王の代わりだといったでしょう？名前も呼ばなくていい。王の名前を呼んでいなさい」

「・・・」

王様以外の男に、肌をさらすなんて・・・・

男が上着を脱いだ。

部屋の中は真っ暗だが、男にはきっとみえているのだろう。男の手が肌を滑った。

「あなたはいい肌をしていますね。しばらくじっとしていてくださいね。」

男の手が、ゆりの胸をなでた。

「あ・・・」

「目を閉じて、王だと思って・・・・」

「・・・」


王好みの女にしてあげる。その言葉がゆりを縛っていた。

本当に、王様好みの女になれるのだろうか・・・

なりたい。王様に愛されたい。

男の唇が、ゆりの頬に触れて、肩に触れた。男はゆっくりと、ゆりの体に、キスを落としていった。ゆりの手の指一本一本まで、

口付ける。それは、とても優しい愛撫だった。

緊張していたゆりの体も、少しづつ、和らいでいく。男の唇が、ゆりの胸に移動した。胸のふくらみを舌で確かめるよう

に触れていく。

「！」

ゆりの体がびくっとのけぞる。男は愛撫を続けた。

「・・・・」

ラクシュミからもこれほど、触れられたことはないのに。

優しい愛撫に、ゆりは、抗うこともなく、じっとしていた。

やがて、体を抱きしめられて、唇を覆われた。

舌がからんでくる。


王様・・・・

ゆりはラクシュミの顔を思い出した。


しばらく舌をからめて、ヴィラは唇を離した。

「王妃、王がこのようにしてきたら、あなたも、積極的に返さなければ」

「え・・・」

「夜は特に、むさぼるように激しく。ですが、自分から口付けてはいけません。」

「どうして？」

「そういうものなのです。さあ、練習してみてください」

そういって、ヴィラは口付けた。

ゆりはいわれたとおり、積極的にキスしてみた。

「舌の真ん中を、舌先で、刺激するようにしてみてください」

再び口付ける。

「こう？」

「なかなかいいですよ。次は、」

ヴィラの指が、ゆりの下腹部に触れて、足の付け根に触れる。

「そこはいや・・・」

「だめ。じっとして・・・」

「あ・・・やめ・・・・ヴィラ・・やめて・・・」

「王と呼べといったでしょう」

指が、ゆりの下半身をなぞり、入り口を刺激した。

「王様・・・ひっ！」

指が、体の中に差し込まれて、かきまぜられた。

「やっ！」

ゆりが身をよじる。

「なかなかよさそうな体ですね。先ほどの愛撫で、ずいぶん・・・」

「いわないで・・・・」

胸にキスされながら、下半身まで触れられている。

「心地よいですか？」

「ん・・・う・・・」

ゆりが足をすりよせた。

「足を楽にして」

「やだあ・・・」

「王に抱いていただくためですよ。十分にその気になっていた方が楽ですからね」

「ん・・・王様・・・抱いてほしいよう・・・王様・・・」

「もうすぐいらっしゃいますからね」

「王様・・・」

胸と下半身を執拗に愛撫された。初めての男の愛撫に、ゆりの身体も、興奮状態になっている。


好きでもない男に触れられているのに・・・


頭の中では嫌だと思っているのに、体が勝手に反応してしまう。

唇が覆われて、ヴィラの舌が入ってきた。

「ん・・・んく・・・」

「さっき教えたでしょう？王妃？」

ゆりは必死で口付けを返した。やがて、身体の中の指が増やされた。

「あ・・・」

「身体はかなり反応してますよ。もう少しですね」

「やだ・・・」

自分でも感じているのがわかる。身体の中が潤い、いやらしい音が聞こえてきた。

「やだ、やだ」

ゆりは身をよじったがヴィラはやめようとはしない。

「やだあ！」

指の動きは早くなり、ゆりはついに快楽を感じて身を震わせた。


ヴィラはようやくゆりの肌から指を離した。


なんだか悲しかった。夫以外の腕の中で、感じてしまったことが。


しばらくし、ラクシュミが部屋に現れて、ヴィラは消えた。

「王様・・・・王様・・・・」

すすり泣くような声がする。ラクシュミがベッドにあがり、服を脱いでゆりの上に乗った。

「ここにいるぞ。ゆり・・・」

「あ・・・・」

ラクシュミは、ゆりの足を広げさせていきなり体を差し入れた。

「ああー！」

ゆりの体がけいれんする。

「この前よりは随分ラクだな」

初めての圧迫感にゆりは目を白黒させた。

「あ・・・あう・・・」

身体が広げられて、身体の奥に入ってくるのが分かる。

「痛いか？少し我慢しろ」

ラクシュミはゆりの髪をなでながら言った。ラクシュミは、容赦なくゆりの身体の奥へと体を進めていく。

「うううう！壊れちゃう！」

あまりの圧迫感にゆりは悲鳴をあげた。

「大丈夫だ。ちゃんと受け入れてるぞ」

ラクシュミはゆりの体を離さずに奥までつながり、ゆっくりと体を動かした。

「ひい・・・壊れる！死んじゃう！」

「大丈夫だぞ。ゆり」

「王様、王様」

ゆりはラクシュミの背中に腕を回した。

初めての感触に体は痛んだが、幸福感も感じていた。

ようやく、ラクシュミとひとつになれたからだ。

「王様・・・愛してる・・・」

「ゆり・・・」

ラクシュミは体を離した。ラクシュミ自身もゆりも、達することはなかったのだが、取り合えず一つになれたということが大きな

事だった。ゆりはラクシュミの体にしがみついている。

「可愛いな。お前は・・・」

ラクシュミは優しくゆりを抱きしめた。

その夜はそのまま眠った。

朝気づくと、ゆりはラクシュミの胸に裸のままよりそっていた。

・・・ようやくひとつになれたんだ・・・

「ゆり、起きたか？」

「おはよ。王様」

「昨日の男、気に入ったか？」

そういわれて、ゆりは昨晩のことを思い出し、顔が真っ赤になった。

夫以外の人にいろんなことをされてしまった。

「・・・ひどいよ。私、王様にああされたい・・・」

「いやではなかったのだろう？」

「・・・そうだけど・・・なんであの人だったの？ミカエルとかじゃなく」

「お前は情にほだされやすいだろう。ミカエルを愛したら困る。だからヴィラにした。」

「・・・ヴィラを愛したらどうするの？」

「いろんな男とするか？」

「いや」

「王妃は王を愛するものだ。他の男と交わってもいいが、他の男を愛するのは困る。わかったな？」

ゆりはうなずいた。

どうもよくわからない価値観だ。

「あの人またくるの？」

「そのうちにな」

男の事は気になったが、ラクシュミと一つになれたので、あれはあれでよかったのかもしれないと思ってもいた。

どうせならラクシュミ自身に時間をかけて愛撫してほしかったが。


じっくり愛し合う時間もないほど忙しいわけ？

ちょっと釈然としないけど・・・でもちゃんと抱きしめて寝てくれたしな・・・


そっぽを向かれて寝られたらかなりショックだったが、優しいそぶりも見せてくれたので、まあいいやとゆりは妥協した。

次に、夜、男が現れたのは、それから５日ほど、後のことだった。

「あ、あなたは・・・」

「こんばんは。王妃」

銀色の短髪。あの晩の男である。

相変わらず、顔は見えない。

「あれからどうでしたか？王に抱かれました？」

「うん。」

「それでどうでした？」

「死ぬかと思った」

ゆりが言うと、ヴィラはふふふと笑った。

「何か聞きたいことありますか？」

「交わりの月以外の時って、あまり欲情しないって本当なの？」

「ええ。本当ですよ。」

「じゃあ、あなたも、私の体見て抱きたいって思ったりしないんだ？」

「そんなことはないですが、全然その気にならないわけじゃないですからね。ただ、わが一族は、基本的に淡白なほうでは

あります」

「王様も？私を抱くのも、本当は大変なのかな」

「そんなことはないですよ。」

「別に練習しなくても、交わりの月に抱かれればいいと思うけど」

「ただ子供を作るためならそれでもいいですが、王はあなたと楽しみたいと考えておられるんですよ。それに交わりの月に、

あなたは反応しないでしょうし、やはり、今から慣れていたほうがいいでしょう？」

「うん・・・」

「王はいつ産まれるかわからない子供のためだけに、あなたを抱くわけではないんですよ。それだけは覚えていてください」

「わかったわ」

「そろそろ実践に移りましょう」

「き、今日は何するの？」

ゆりの体に緊張が走った。

「あなたの体をもっとよくするんですよ」

ゆりはまたもや、裸にされた。

なんか、平気で他の男の前で裸でいる自分が怖い・・・

「ねえ、あなたの顔みたい。」

「そのうちに見せてあげますよ。こちらにきて」

「うん」

ゆりは、ヴィラに体を寄せた。

ヴィラは上着を脱いだ。体は白く浮かんで見える。手で触れた感じは、かなりの筋肉がついていると思われた。

「ひざの上にいらっしゃい。」

「ひざに？」

ヴィラは、ゆりの体を抱き寄せて、ひざの上に乗せた。

「こういう体制で抱かれたことあります？」

「ない」

ヴィラは、しばらくゆりの下半身をまさぐり、ゆりの足の付け根に指を差し入れた。

「あ・・・・」

ゆりの体がすくむ。

「腰を動かしてみてください」

「え？ど、どうやって？」

「前後に動かすんですよ。王が動かなくてもすむように。さあ、私に抱きついて」

「う・・・・そんな・・・」

ゆりは、ヴィラの言葉に従って、腰を動かした。すると、体の中の指が、体の奥にあたる。

「・・・・・」

ゆりは、恥ずかしさでいっぱいだった。

「ぜんぜんだめですよ。腰は、こう、こういう角度で」

ヴィラがゆりの腰に触れて、指図する。

「こんなの恥ずかしい」

「ですが、習っておいたほうがよいでしょう？」

体の奥の指が増やされた。

「ひゃあ！」

「続けなさい」

「ん・・・」

ヴィラは、ゆりの胸をなでた。ゆりは腰を振り続ける。

「よくなりましたよ。そのまま、体の奥に力を入れて、」

「こう？」

「そう、そんな調子ですよ。」

「あ・・・あ・・・」

体は快楽を感じている。体の中の指がばらばらと動き、ゆりの体がけいれんした。

「よくできました。とてもよかったですよ」

ヴィラは、ゆりの体を軽く抱きしめた。

「はあ・・・・はあ・・・」

「本当にあなたはいい体をしている。今度は、私が寝転がりますからね。上に来てください」

「うん」

ゆりはヴィラの上に乗り、腰を動かす。

「その調子ですよ」

もしかして・・・私って、魅力ないのかな？

何をしても平静なままのヴィラに、ゆりは自信がなくなってきた。ゆりは動くのをやめてヴィラの上からどいた。

「どうしたんですか？」

「ねえ、あなたはこんなことしてぜんぜんその気にならないの？」

「私ですか？抱いて教えるのは禁じられていますので」

口調は淡々としたまま。欲望を感じることも、まるでないような。

ゆりはむっとした顔をした。

「おや、なんで怒ってるんですか？」

ヴィラが起き上がった。

「だって、なんだか馬鹿みたい。私ひとり、こんなことして。あなたは全然その気にもなってない」

「あなたは何か勘違いしてるんじゃないんですか？これは授業なんですよ？あなたは王のために私といるはずです。

私と恋愛ごっこをするためではないでしょう」

冷たく言い放たれて、ゆりはしゅんとした。

「そうよね。ごめんなさい・・・だけどね。私って、ぜんぜん魅力ないのかなって思って。王様の目にどう映っているのか、

心配になったの」

「あなたは魅力的ですよ。この役を、他の誰にも譲りたくないと思うほどに」

「本当？」

「ええ。いらっしゃい。今夜も王はあなたを抱くのを楽しみにしてらっしゃるのですからね」

「ん・・・」

ゆりはヴィラに体を寄せた。

「今日はこれで終わりですよ。よくできました」

ヴィラがゆりの体を自分の上からどけた。

「王がいらっしゃるまで、まだ時間がある。よくできたご褒美をあげますよ」

「褒美？」

「寝転んで足を広げて」

「え・・・」

「いやならもう帰りますよ？」

ぞっとするような冷たい声。ゆりは恐る恐る従った。すると、ヴィラは、ゆりの下半身のほうに体を持っていき、

ゆりの太ももをなめた。ゆりの足がびくりと揺れる。ヴィラの唇は、じょじょに上に上がっていき、やがて、ゆりの下半身へと

移動した。

「あ・・・あ・・・」

ヴィラの舌が、ゆりの体を嘗め回す。指が、入り口あたりをなでて、少し中に入った。

「ひい・・・」

「気持ちいいですか？」

「王様もこんなこと・・・」

「王は女に奉仕などしませんよ。」

舌の愛撫が続く。

「あ・・・ひい・・・ああん・・・」

「かわいらしい声ですね。王にも、ちゃんと聞かせてますか？」

「ああ・・・ああん・・・」

ゆりは素直に感じている。

ヴィラは愛撫をやめた。

「そろそろいらっしゃるようですね。続きは、王の体でね」

ヴィラは姿をけした。

ゆりは足を閉じた。

私って・・・すごいやらしい・・・こんな性格だなんて思わなかった。

ベッドの横に、銀の長い髪が、淡く光って見える。

「王様・・・」

「今日は何を習ったのだ？」

ラクシュミが聞く。

「腰の振り方」

「ほお？」

ラクシュミが面白そうにいった。

「なら、実践してもらおうか」

ゆりは、ラクシュミに抱かれたまま、先ほど言われたことを実践した。

終わったあと、ゆりの体は汗が流れていた。

「王様・・・どうだった？」

ゆりが不安げに聞く。

「すごくいい」

「本当？」

「ああ。慣れればもっとよくなるだろうな。お前はかなりの上玉だ。」

ラクシュミはゆりの体を寝かせて、上に乗った。そして足を広げて、体を挿入する。

「あ・・・」

ラクシュミが腰を動かす。最初の時よりは、だいぶ楽だった。身体の奥がしびれる感触がする。


王様が私を抱いてる。

私に欲情してる。


そう思うと、なんともいえない気持ちが心をよぎった。

「ん・・・あ・・・・」

「楽しいか？ゆり」

「楽しい。王様、愛してる」

「私もお前が愛しくなってきたぞ・・・」

体は快楽を感じている。

何より幸せだった。

この瞬間だけは目の前にいる男は自分のものなのだ。

「ん・・・あ・・・ああ！」

ゆりの体が痙攣した。ラクシュミはからだを離した。太ももに液体が放たれる感触があった。

「いい体だ・・・」

ラクシュミはゆりの頬をなでた。

王様の匂いに包まれていると、すごく安心する・・・

ゆりは幸福感に包まれてまどろんだ。