うっそうとした森の中を抜けていくと、大きな洞穴が見えてきた。洞穴の中は真っ暗で、どれほどの深さなのか伺い
知ることはできない。穴の高さは３メートルほどだった。洞窟の周りも緑の葉で覆われている。


男は少し中に入り、声をあげた。
「おーい、ディラネイラ、いるんだろう？」
しばらくすると、中から誰かがやってくる気配がした。
「あら、来てくれたのね。」
それは長い金髪の美しい女だった。腕には布にくるまれた何かを抱いている。普通の人とは思えなかった。首筋や胸元
に金色の蛇の鱗のような模様が見える。金色の衣の間からはすらりと長い白い脚も見えた。そして大きな胸の谷間も。
「ああ、それがあの男の子供か」
男が言うと女は布ごと男に渡した。中には小さい赤ん坊がいた。頭にはちょんちょんと金髪の髪がある。赤ん坊は
目を閉じて寝ていた。
「かわいいでしょ？」
女が笑って聞いた。
「ああ・・・」
男の視線は赤ん坊よりも女自身に向けられていた。すると女はにこりと微笑んだ。


「思っていることを言ってもいいわよ」
「何の事だ？」
「私、死期が近いでしょ」
「そんなこと思ってない。相変わらず美しいなあと思っただけだ」
「あらそう」
「・・・・む・・・」
男の腕に生暖かい感触がした。見ると赤ん坊をくるんでいる下の布も濡れている。
「あら、粗相してしまったみたいね」
女は笑って言った。



エルバートはそこで目を覚ました。ベッドにはカーテンを通して朝日が射し込んでいる。朝だ。



なんだか面白い夢を見たようだ・・・



夢の中で金髪の美しい女性が出てきた。その女性は赤ん坊を抱いていたようだ。話をしていた男の姿は自分の意識と
重なっていたようなので、姿、形はエルバートには見えなかった。



それにしても美しい人だったな・・・



エルバートは夢で出合った女性の姿を思い浮かべつつ、ベッドから降りて顔を洗いに行ったのだった。


第19話


その日の朝も北の砦にはこれから仕事がある戦士達が100人ほど集まっていた。若い者もいればヴィクターほどの年配
の者もいる。そこで朝礼のようなものがあり、それぞれの街などに散っていくのである。今日戦士達の前で指示を出し
ていたのはイシュタールだった。今日はヴィクターはお休みである。イシュタールやフリット、ミカエルらは将軍の補
佐もしているので、休みの時は将軍の変わりの仕事もしているのだ。


戦士達は10人づつ編成されてそれぞれ小隊長のような者がいる。イシュタールは夜の引継ぎなどの指示を出して、
皆を解散させた。
「あ、エルバートちょっと来てくれ」
イシュタールはその中にいたエルバートを呼び、エルバートがイシュタールの側に寄って行った。
「なんでしょうか？」
「王妃が今日の午後気が欲しいから来てくれと言ってるぞ。行ってくれ。これが王妃からの手紙、それからラギ様から
のもあるな」
イシュタールは二通の手紙をエルバートに渡した。これがミカエルだったらゆりからの伝言はもみ消しかねないが、
イシュタールは真面目なのでそういうことは考えてもいない。


エルバートはまずゆりからの手紙に目を通して、ラギの手紙を開けた。ラギの手紙の方は「暇な時でいいから会いにきて
ね」と書かれていただけだった。
「わかりました。午後城に行きます」
「ああ」
エルバートはイシュタールに告げてから砦を出て行った。




午後になるとぽつぽつと雨が降り出した。ゆりはこの日真面目に竪琴の練習をしていた。最初の頃はうるさいだけだった
竪琴だが、今ではだいぶましになり、自分では優雅に弾いているつもりである。プロ並の曲はまだ無理だが、そこそこの
曲は弾けるようになっていた。侍女らも部屋から逃げ出さなくなった。


「どう？ルーちゃんや、聞き惚れちゃった？」
ゆりは机の上の藤のかごの中のクッションの上で丸まっている青い蛇に聞いた。ルーは答えるでもなく知らん振り
をしている。
「とても素晴らしい音色だって？そうかいそうかい」
ゆりが独り言のように言っていると扉がノックされた。自分で開けるとエルバートが立っていた。
「あら、エルバート。こんにちは」
「こんにちは。手が空いたので、よければ気をもらっていただきたいのですが」
エルバートは優しく微笑んで言った。
「本当？じゃあもらっちゃおうかな」
気が欲しい！というほどでもなかったが、せっかくなのでもらっておくことにした。


エルバートに手紙を書いたのは蛇目のゆりの方だった。手紙には黒目の私がいたら自分から来たことにして欲しいと
書かれていたので、エルバートは自分から来たことにしたのだった。ゆりの二重人格のことについては、他の人から
説明を受けているのでエルバートも理解している。



「あれ、雨降ってきたんだね」
ゆりが窓を眺めつついった。
「少しですが降りだしてきましたよ」
「そうなんだ。お茶とか飲む？」
「お気遣いなく」
「そう、んじゃさっそくもらっちゃおう」
２人ひっついていると、エルバートは思わずこの前赤ん坊がひょっこり出てきた時のことを思い出してしまった。
「ん？」
エルバートがちょっと笑ってるのでゆりが何かと思って聞いた。
「すいません。この前の事を思い出してしまって」
「ああ、あれ・・・」
「あの時は王妃をほっておいてしまい申し訳ありませんでした」
「ははは、びっくりしたろうね。赤ちゃん私も見たかったなあ」
「後で皆さんにうらやましがられました」


今日も話はほのぼの路線だった。
エルバートが中性的なせいか、ゆりも男にひっついている、という緊張感もそんなに持っていない。



「あの、先日バルコニーに魚のようなものが下がっているのが見えたのですが・・・あれはどういった意味があるの
ですか？」
エルバートはそのことを思い出して聞いてみた。
「ああ、あれ？見えちゃった？魚の一夜干し作ったんだよ。」
「いちやぼし？」
「向こうの世界じゃよく食べたの。魚をちょっと干して焼いて食べるの」
「食用だったのですか。私はまた何かのまじないかと思ってしまいました」
エルバートが笑っていった。
「この国の人は魚あんまり食べないみたいだね。生臭いのが嫌とかいって。焼いてる匂いだけでも嫌みたい」
だからゆりも焼き魚はたまにしかしない。どうしても調理場が臭くなってしまうからだ。
「そうですね。この国では食事の際日常的には食べられないですが、お酒のつまみには食べることありますよ。
私もなぜか最近魚が食べたくなって・・・酒場でたまに食べるんですが」
「え？そうなの？どんなの食べるの？」
ゆりは興味津々で聞いた。
「魚の揚げ物とか、酒でつけておいたものを蒸したものとか・・・街の人たちはつまみでよく食べてますよ」
「へーそうなんだ。私も一度街の酒場に行ってみたいなー楽しそう」
「それはちょっと難しいですね」
エルバートは苦笑した。


「夜の酒場、憧れるな〜」
街の人たちが普段どんなものを食べてるのか、興味があるなあ、とぼんやり考えた時、ゆりの左目がぱっと変わった。



「あ、王妃、こんにちは」
エルバートはゆりが変わった事に気づいた。
「こんにちは、呼んじゃってごめんね」
「いいえ」
「・・・」
ゆりは引っ付いたままじーっとエルバートの顔をまじかで眺めた。
「？」
ゆりがあんまりあからさまにじろじろ眺めるので、さすがにエルバートも不思議そうな顔をしている。
「何かついてますか？」
「ううん」



おかしいなあ、この前のはなんだったんだろう・・・



塔で出会ったのは確かにエルバートだったはずだが、今のエルバートは全く普通でいつもと変わらない。


「エルバートにそっくりな人っている？」
ゆりはもしやと思って聞いてみた。
「私にそっくりな人ですか？・・・見かけたことはないですが・・・」
エルバートは少し考えて答えた。
「じゃあさ、私の鼻、低いと思う？」
「え？」
予想だにしない質問にエルバートは一瞬ぎょっとした。
「いいえ。どうしたのですか？」
「実は・・・この前鼻が低いって言われてちょっとショックを・・」
「王妃にそんな失礼な事を言う輩がいるとは・・・王妃のお顔はとてもかわいらしいですよ」
エルバートは優しく言ってくれた。
「どうもありがとう」



うーん。どうも分からないなあ・・・あれは気のせいって事もないんだけど・・・



「今日はラギ様は城にいらっしゃいますか？」
話題を変えようと思ったのかエルバートが聞いた。
「ラギ？多分いるよ。何か用？」
「ラギ様が私に御用のようなので、後で伺おうと思いまして・・・」
「そうなんだ。何の用なんだろう」

気になるなあ・・・と思ったゆりは思念でラギに聞くことにした。蛇目のゆりは思念でラギと話をすることができる。



ーねえラギ、エルバートに何か用なの？
ーえ？エルバート？
ー用って何の用なの？
ーちょっと気になることがあって・・・・
ラギは言いにくそうだった。
ーちょっとって何よ。
ー今エルバートいるの？
ーいるよ。それで何の用？
ーいいじゃない。何でも。
ーちぇっ反抗期ね。


ラギが話してくれそうにないのでゆりは口を尖らせた。
「？」
エルバートが不思議そうな顔をしている。


「何でもないよ。今日は来てくれてありがとうね。あえてうれしかった」
「はあ」
蛇目のゆりはぱっと消えてしまい、ゆりの左目は普通の黒い瞳に変わった。



「あれ？雨激しくなったみたい？」
ゆりは後ろの窓に顔を向けて言った。先ほどまでは聞こえなかった雨音が聞こえてくる。
「本当ですね。でもきっとにわか雨ですから。すぐやみますよ」
エルバートも窓に顔を向けた。空は黒い雲が立ち込めているわけでもなかった。
「そうかな。そうかもね」
軽くひっついているだけだったゆりの腕に力がこもった。しかもエルバートの腕に引っ付いているだけだったのに
身体に腕を回している。


「・・・・」



あれ？何か変だな・・・



エルバートはきょとんとしているだけだった。



もしかして・・・やばいかも・・・


全然そういう雰囲気じゃなかったのにやばい気配がする。

「エルバート、今日はどうもありがとう。もう行ってもいいよ」
ゆりは無理に笑って言った。
「はい」
エルバートは長椅子から立ち上がろうとしたが、ゆりがぎゅっと抱きしめているので立ち上がれなかった。
「ごめん。自力で逃げて」
「え？」
「逃げてー！！！」
「？？？」
まさか王妃であるゆりの腕を振り払い部屋を出るなどという無作法な事がエルバートにできるわけがなかった。


「あのー王妃どうかなさったんですか？」
「ちょっとやばい事態になりそう。お願いだからエルバート部屋を出て！」
といいつつゆりはエルバートに頬をすりすりしている。
「そう言われましても・・・こう引っ付かれては・・・」



冗談じゃない！エルバートと儀式は絶対いやだ！お願いだから降りてこないでー！！



「大丈夫ですか？王妃」



しかもエルバートにおかしな女だと思われてるし！



ゆりは冷や汗を流しながら困り果てていた。心の内の絶叫も、女蛇には届かなかったようだ。誰かが降りてきてしまった。

「ぎゃー！！！！」
「お、王妃！どうなさったんです！大丈夫ですか！？」
ゆりが突然悲鳴をあげたのでエルバートが驚いてゆりの顔をのぞきこんだ。
するとゆりはうって変わってにこっと笑いエルバートをじっと見た。
エルバートはゆりの激しい感情の変化についていけずに首をかしげるばかりだ。



ちょっと来ないで来ないでったら！！！



ーもう来ちゃったもーん。



出てちょーだい！！！



ーいやん。



何がいやんじゃー！！！



このノリからして降りてきたのは毎度おなじみ水蛇さんのようだった。
「あれ？あなたの顔・・・なんだか身内に似てるような・・・」
ゆりはじっとエルバートの顔を見て言った。
「身内ですか？」
「うーん・・・超好みだと思ったら・・・ぶつぶつ・・」
「あのう・・・王妃・・・」
「エルバート今の言葉は私じゃないから！今の内に逃げて！じゃないと儀式になっちゃう！」

ゆりは大慌てで言った。

「儀式？儀式とは蛇霊神の儀式の事ですか？」
「そうよ！あなたとするわけにはいかない！」
「そ、それは大変ですね。ではどなたか呼びましょうか？」
突然の事なのでエルバートも戸惑っていた。
「ヴィラかジュノーか、とにかく誰でも！」
その時、思念を送ろうとしたエルバートの表情がすっと引き締まり、いった。


「まさかいまだにこんな事をしているとは・・・」

声は幾分低かった。


ーお父様！！！


「・・・え？お父様？」
ゆりは脳裏で聞こえた声にぎょっとした。
「お父様ってどういう事？」
エルバートの瞳はさっきよりはだいぶ冷ややかになっていた。



ーそれじゃあさようなら〜！！！



ゆりの中から女蛇の意識はふっと消えた。
「逃げたな」
エルバートがぼそりと言った。
「・・・あなたエルバートじゃない。誰なの？」
ゆりは不思議そうにエルバートを見た。普段のエルバートよりも目つきが冷たげで表情は大人びていた。まるっきり
別人に見える。
「身をさらす気はなかったのだが・・・全くシスレーンのやつめ・・・」
エルバートに入った男はぶつぶつ言っていた。
「あのう・・・」
「私は大昔に亡くなった蛇だ。先ほど降りてきた女蛇の父親でもある」
「父親？なぜエルバートに降りてるんですか？」
「詳しくはハザークに聞いてくれ。それよりも驚いた。まさかそなたが王妃だとは・・・今の王は随分珍しい趣味
をしているのだな」
男はゆりの顔をしげしげと眺めつついった。
「え？どういう事？」
ゆりの顔が引きつった。
「まあ、他人の好みをとやかく言う趣味はないのだが・・・とりあえず私は消えるが、この体の男は私のことは
知らない。まだ秘密にしておいてくれ」
「はあ・・・」
「ではな」
エルバートの表情がふっと普通に戻った。


「ええと・・・ヴィラ様を呼ぶんでしたね」
「あ、待って！」
ゆりはあわててエルバートを止めた。
「もうそれはいいの。儀式だと思ったのは勘違いだったから」
「え？そうなんですか？」
「うん。もう普通に戻ったから、変な所見せてごめんね」
「いいえ。」
そこでゆりはエルバートと別れて、そのままハザークの元まで行き、先ほどの男の事を聞いたのだった。




「えーハザーク様の昔馴染みなんですか？なんで出てきちゃったの？」
「さあ、日蝕の日に彷徨い出てきたようだ。あの水色の蛇の男が息子に似ていたから入ったとか言ってたぞ」
「へー・・・だから水蛇ちゃん、身内に似てるとか言ってたんだ・・・エルバート大丈夫なんですか？」
「別に弊害はそんなにないんじゃないか？体を乗っ取る気もないだろうし。知らない内に女にちょっかい出してるかも
しれんが」
「え・・・それって大問題なんじゃ・・・」
「しばらくしたら飽きて出て行くだろ」
「はあ・・・それであの人のお名前は？」
「カール・・・（だったかな？）」
「カールさん・・・」
ゆりの脳裏にはむこうの世界のお菓子のキャラクターの顔が浮かんでいた。部屋にはハザークの侍女がいたが、あえて
訂正しなかった。
ここにきて女蛇以外の蛇にあえるとは、と驚いたゆりだった。しかも水蛇さんの父親だというから更にびっくりだ。



儀式流れちゃったけど・・・水蛇さんまた来るのかなあ・・・

エルバートとせずにすんでよかったけど・・・



その時ゆりの左目がぱっと変わった。

「あの人どんな顔なんですか？」
「・・・」
「やっぱり美形？」
ゆりの目が輝いていたのでハザークは、「むさくるしい顔の男だったぞ」と真面目な顔で言った。
「むさくるしい？？」
「横幅もすごかったし。なあ」
ハザークは何気に侍女に同意を求めて、侍女は「そうですね」と言った。ハザークに反論する気もなかったようだ。
「それって太ってるってこと？」
「ああ、あんまり見目麗しいという顔ではないかもな」
「なんだ・・・てっきりハザーク様と同じように美形かと思ったのに・・・」
ゆりはちょっと残念そうだった。
「美形だったらどうする気なんだ？」
ハザークが横目で聞いた。
「え、別にどうもこうもしませんよ。嫌だなあ。私そんなに気多くないし」
「よく言ったもんだ・・・」
ハザークに睨まれたので蛇目のゆりはちょっと気まずそうな顔で笑みを浮かべたのだった。



その頃ラギの部屋を訪れていたエルバートだったが、ラギと２人っきりだったのでまたカーライルが表に出てきた。
「おい、小僧っこ」
「・・・僕ラギって言うんですけど・・・」
「王妃って何人いるんだ？」
カーライルはラギの言葉は無視して聞いた。
「王妃？１人だけですよ？」
「そうなのか？」
カーライルはちょっと残念そうだった。
「・・・どうかしたんですか？」
「いや、この時代で一番力が強くて美しい女はどんなだろうと思ったのだが・・・そうか、長い年月を経て美の基準が
変わったのだな」
カーライルは納得したように言った。
「え、いや、そんなことはないですけど・・・」
「それともあれは例外王妃なのか？」
「例外王妃？」
「つまり、外見じゃなくて他に特技があるってことだ」
「実は・・・この時代の王妃は女性の中で一番面白いってことで王妃になったんです」
いろいろ説明するのも面倒だったので、ラギは簡単にそういった。
「面白い？」
「はい、面白い人なので」
「ほー・・・」
あながち間違ってもいないなあ、とラギは思った。面白さでいえばゆりの右にでる女はいない。
「ところでなんでエルバートにいるんですか？」
ラギが聞きたかったのはそこだった。
「私の身内に似ていたからだ」
「身内に？」
「そういえば、ジュリアン王なんぞは美女に見飽きたとか言って王妃を選ぶ際に一番面白い話をした女を選んだんだった
。たまにそういう王がいたな」
カーライルは独り言のようにいっていた。
「ジュリアン王？」



確かザクート様よりも５代ほど前の王だったような・・・



「あの、あなたっていつの時代の方なんですか？」
ラギの疑問は答えられることはなかった。いつものエルバートに戻っていたからだ。
「いつの時代とはなんですか？」
エルバートは真面目な顔で聞いた。
「え、いや、こっちの話。ははは」
「？」



うーん、エルバートにあの人のこと言った方がいいような気がするけど・・・でも気になる人だなあ・・・




不思議な事が大好きラギにとって、エルバートの中にいる男はおおいに興味をそそられる存在だった。
もっといろいろ話を聞いてみたくてしょうがないのだ。



言って怒られるともう会ってくれないかもしれないから、しばらく黙ってよう。



ラギはそう心に決めて「また来てね」と言ってエルバートと別れたのだった。



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