第57話
ここはジェラルド工房である。ジェラルドは工房の外でハロルドの鎧を制作中だった。
「ようやく胴回りができた。ハロルド様が大きくならないと細かい調整はできないが……まあこんなものか」
ハロルドはいまだ子供のままなので、鎧の試着をすることはできない。
ハロルドは神の国の外れに行く時には、鎧を着ていくこともある。
大人に戻った時にすぐ使えるように、とジェラルドは鎧のパーツをつくっていたのである。
「兜はどうしようか。ハロルド様が大人に戻ってからにしようか……」
ジェラルドがぶつぶつつぶやいていると、突然目の前に子供が現れてジェラルドは驚いた。
「うわっ、バ、バリアス様！？」
バリアスは一体どこからやってきたのか、銀の胴回りに、まるで抱きしめるように腕を回してひっついている。
「あ……あー……」
なんと目の前で銀の丸みを帯びたパーツがぐにゃりとひしゃげている。バリアスが力を込めているのである。
「…………」
ジェラルドはしまいには絶句するしかない状態だった。
ジェラルドはバリアスが実際に怪力を発揮するのを見るのははじめてだった。
厚みがある鎧を、いとも簡単にひん曲げてしまうとは。
バリアスが鎧から離れた時には、綺麗な弧を描いていた銀色の輝きは、何かよくわからない物に変わっていた。
バリアスは鎧を曲げると満足したかのように離れてすたすた歩いて行ってしまった。
「うーむ。すごい」
ジェラルドは鎧を壊されたことにショックを受けるよりも、目の前でみたバリアスの怪力に感嘆していた。
「さすが力の神、しかし、なぜ壊しにきたのだろう？」
ジェラルドは首をかしげながら、また新しく鎧を作るべきかどうか悩んだのだった。
その話を聞いたハロルドは、もちろん怒ってバリアスをしかったのだった。
「バリアス！ なぜあんなことをしたんだ！」
バリアスはきょとんとした目を向けるだけで、反省している様子もなかった。むしろ、なぜ怒られているかわからないといった表情である。
「バリアス！」
「お父さん、バリアスはまだ小さい子供だから許してあげて」
姉であるキュリアが仲裁に入った。
「そうですよ。バリアスは悪気があってやったわけじゃないんですから」
とジェイク。
「当たり前だ。悪気があってやられてたまるか！」
とハロルド。ちなみにハロルドはまだ子供のままなので、ここにいる４人は全員子供である。
「ねえ、ライは？ ライは？」
バリアスが訴えた。
「ライオネルはおらん」
ハロルドが答えると、はじめてバリアスはショックを受けた顔つきになった。
「お前な。今はお前をしかってるんだぞ？ なぜあんなことをしたんだ？ 鎧を壊すのがそんなにおもしろいのか？」
「しらん。僕行く」
バリアスは椅子から下りると、すたすた歩いて行った。
「こらーバリアス！」
「しらんもーん」
バリアスは捕まるまいと早足に行ってしまった。いつの間にあんなに素早く歩けるようになったのか。
「ディアメラ様から逃げてるから鍛えられたみたい」
キュリアが言った。
「あーまったく、なんてガキだ。ジェイクはまったく悪さをしなかったというに。その反動がバリアスにきたのだろうか？」
ハロルドはあきれ顔で悩んでいた。
「でもバリアスはジェイクの鎧は壊さないよね。小さいから壊しがいがないのかしら？」
キュリアはそこが疑問だった。バリアスはジェイクの物には手出しはしていないのである。
「まったく……」
ハロルドがぶつくさいっていると、ジェイクとキュリアが「あっ！」と声をあげた。
「ん？」
「お父さん……」
「父様……」
二人はハロルドを見て絶句している。
「ああ！」
ようやくハロルドは自分の変化に気づいた。
ハロルドはさらに若返っていた。服がだぼだぼになってきている。
「あ、僕達も！」
ジェイクとキュリアも背が縮み、服がだぼついてきた。二人は生まれた頃くらいに、ハロルドは元のジェイクよりも幼くなってしまった。
さらにハロルドが恐れていたことが起こった。ハロルドの神気が減っているのである。
「なんてことだ！！」
「せっかく大きくなれたのに。でも父様かわいい♪」
キュリアはのんきに言っていた。
さらに小さくなったハロルドを見て、雲の上にいたアシュランはつい笑っていた。
「ハロルド、昔はこんなにかわいかったっけなあ。すっかり忘れてた」
「のんきに言ってる場合じゃないだろう。私の神気が減ってるぞ！！！」
ハロルドはアシュランに詰め寄っている。
「確かに減ってるな。こりゃ困った」
全く困ってない顔つきでアシュランが言った。
「キュリアとジェイクも小さくなってしまったぞ！」
「なんとまあ、バリアスもか？」
「バリアスはしらん」
アシュランは地面にバリアスの様子を映した。
「……バリアスはそのままか。いや、バリアスの神気が二倍に増えてる」
「え？ なぜだ？」
「さては、世代交代か？」
「ふざけるな！！！」
ハロルドはアシュランの首をしめんばかりだった。
「これじゃ仕事ができない！ 一体どうしてこうなったのか、考えろ！」
「考えてもわからん。今のところ私に影響はないし、お前と子供達だけの変化のようだ。なぜバリアスの神気が二倍になったんだ？」
「私に聞くな！！」
その時、アシュランの間に太陽の神アリアスが入ってきた。アリアスはハロルドを見下ろして、ぷっと笑っている。
「どうしたんだ？ ずいぶんかわいくなったなあ」
「うるさい」
「頭をなでていいか？」
「だめに決まってるだろ！」
「外れの方に何かが出たらしいぞ。お前の妖精達はもう行ったようだぞ」
「まずい、私もいかなければ」
「加勢してやろうか？ お願いってかわいく言ってみろ」
「やなこった！」
ハロルドはむっとしたまま部屋を出て行った。
「あんなに神気が減って大丈夫か？」
「ライオネルを呼び戻そう。おーい、ライオネル！ 急いでこっちに帰ってこい！」
アシュランは人間界の森でくつろいでいるライオネルに声をかけていた。
「こんなに小さくなってしまうとは……」
ハロルドは自分の神殿に戻り、聖なる剣を持って、龍を呼び寄せて龍に乗って移動した。ジェイクも行きたがったが、さすがに戦うには小さすぎる。
「お父さん、せめて僕の鎧を着ていってください」
「うーん、そうするか」
ハロルドは少々でかいジェイクの鎧を着て、神の国の外れへと移動した。
神の国の外れになぜ魔物のような物が出るのか、かつてゆりも疑問に思っていたことだったが、この次元は、完全に独立した次元ではないせいだからであろう。
次元のあちこちがどこかとつながっている。
ハロルドたちが魔物を倒さなければ魔物が神の国に入り込んでしまうのか、といえば、そういうわけではない。神の国にはアシュランの結界がはってあるので、おいそれとは
他の獣がやってはこれない。だが、魔物が何度も結界を破ろうとすると、アシュランの力に影響がでるのである。結界の向こう側で敵を食い止めるのが望ましいことなのだ。
そのため、ハロルド達はたまに外れにいってはそういう物達を駆除しているのだった。ハロルドも妖精も、魔物に直接触れることはできない。武器か力で倒し、返り血も浴びないように
しなければならない決まりがある。そのため、彼らは戦いの際には鎧を着たりして肌を隠している。
しばらく神の国を飛んでいくと、上空を３匹の龍が旋回していた。ハロルドの妖精達が乗ってきた龍だろう。
上空から森の中を移動している黒い物体が見える。イノシシほどの大きさだがイノシシではなかった。数は、50匹ほどである。
神の国の外れのその先は、ハロルドも行ってみたことはない。うっそうと続く森のその先はどんな世界が広がっているのか、知るのはアシュランだけである。
神の国の次元は常に同じ場所とつながっているわけではないようで、ヘタをすればこちらに帰ってくることができなくなる、そうハロルドはアシュランから聞いていた。
神の国、人間界、闇の世界、もしかしたらこの先は闇の世界の一部とつながっているのかも、とハロルドも思ったが、今は考えてる余裕はなかった。
「ガウー！！」
「ガウガウ！」
複数の獣たちの咆吼が聞こえてくる。妖精達は聖なる剣で獣を倒していた。
神器の聖剣があれば、これほどの敵など上空から剣を一振りするだけで滅せさせることができるのだが、ジェラルドの作った剣では、もっと近づかねば無理である。
ハロルドは右手に力を込めて振るった。３本ほどの雷が地上に放たれて獣に命中した。神気が減ってもこれくらいはできるようだ。
「さて行くか、お前は地上に降りないようにな」
ハロルドは龍に言ってから地上に飛び降りた。
幼くなったジェイクとキュリアは、バリアスを探して、ハロルド神殿の近くの野原で発見した。周りには風の妖精達がいる。
「どうしたの？」
キュリアが聞いた。
「バリアス様、なんだか変じゃないですか？」
妖精は若返った二人に驚きつつ言った。
「ほんとだ。なんだか変だね」
とジェイク。バリアスの神気が尋常ではない。異様に強い気を発しているのである。
「アシュラン様のところにつれて行ってみよう」
二人はバリアスを連れて雲の上の神殿へと向かった。
アシュランはバリアスを直接見て、「やはりハロルドの神気がこっちにきてるな」と言った。
「どういうことですか？」
ジェイクが聞いた。
「ハロルドの減った神気がバリアスに来ている。理由はさっぱりわからんが……バリアス、平気か？」
バリアスはうなずいた。
「ネネだっこして」
手をつないでいたバリアスがキュリアに言ったので、キュリアはバリアスをぎゅっと抱きしめた。
「ニニも」
「ん？ うん」
ジェイクもバリアスをぎゅっと抱きしめた。
「ジジも」
バリアスはアシュランを見て言った。
「ジジって、私のことか？」
「ジジ」
キュリアとジェイクはぷっと笑っている。
「私がジジならヒルデリアはババか？ どうしたんだ？ やけにしおらしいじゃないか」
アシュランはジジと言われたことに多少ショックを受けつつも、椅子から立ち上がり、バリアスを抱き上げた。産まれた時から比べると、バリアスもかなり重くなった。
だが、このくらいの子供は神の国ではバリアスだけである。
バリアスはべたっとアシュランに抱きついている。
「珍しいね」
「そうね」
あまり甘えてくる方ではなかったので、ジェイクもキュリアもどうしたのだろうと思っていると、バリアスの身体が輝きを放ってきた。
「あ」
「おい、バリアス」
バリアスはさらに強い神気を発してる。
「お父さん大丈夫かな？」
ジェイクはハロルドの心配をしていた。バリアスが発する神気はハロルドのものだと思ったからである。
「いや、奪ってるのは私の神気だ」
アシュランが言った。
「え？ アシュラン様の？」
「さて、バリアスは何がしたいのかな？」
こうなったからには成り行きを見守るしかないと思ったのか、アシュランはバリアスを抱っこしたままである。
神の国の外れでは、ハロルドと妖精達が獣相手に苦戦中だった。獣が強いわけではない。数が多すぎたのである。倒しても倒しても次から次へと獣たちが森を越えてやってくるためである。
「あー神器さえあれば……」
しまいにはハロルドはぶつぶついいながら獣を倒している。
皆で倒した獣が１００匹近くになった。
「今回は多いな」
「まったく……」
妖精達もそれぞれ愚痴が出だしている。
「がんばれ、さすがにもう少しで止まるだろう」
ハロルドは自分に言い聞かせるように言っていた。
雲の上の神殿では、バリアスがアシュランの力を吸収し続けている。さすがにこれ以上はまずいとアシュランも思っていたが、これから何かが起るに違いない。
それを期待する好奇心が勝っている。
やがて、バリアスの青い瞳に金色の輝きが宿った。
「おっ！」
バリアスはくるりと顔を回してキュリアとジェイクを見た。
「バイバイ」
「え？」
「バリアス？」
バリアスは金色の輝きへと変わり、消えた。
「アシュラン様？ バリアスはどこに行ったんですか？」
嫌な予感を抱きつつ、ジェイクが聞いた。
「…………」
アシュランは苦虫をかみつぶしたような顔つきになった。
神の国の外れで戦っていたハロルドの頭上に金色の輝きが現れた。金色の輝きはハロルドの元に下りてきた。
「ん？」
ハロルドの身体が金色の輝きに包まれたとき、ハロルドの身体は急激に成長し、その手には輝く剣を握っていた。そしてその身体と頭には銀の鎧を身にまとっていたのである。
「私の神器だ！！」
ハロルドは剣をなぎ払った。聖なる力が放射状に放たれて、森にいた敵は消滅した。
剣は以前よりも輝いてみえた。
ようやく戦いは終わったようだ。魔物は現れなくなった。
「やった！」
「ハロルド様！」
「神器が戻ってきた！」
「おお、兄貴かっこいい！」
ようやく獣姿のライオネルがやってきていた。ライオネルはハロルドの鎧を見て「前よりかっこいいじゃん」などと言っている。
「ジェラルドが作ったのか？」
「いや、神器と一緒に鎧も現れた。いきなりだったからびっくりだったが」
戦いが終わると、神器の剣には鞘が現れていた。金色に輝く鞘で、植物の蔓と花の装飾がされていた。ハロルド神殿の周りに生えている植物である。
ライオネルはハロルドの鎧の胸元に、ハンマーの装飾があるのを見た。
「バリアスの模様が入ってる」
「あ、本当だな。どうしてだろう？」
ハロルドも気づいたが、今のハロルドには理由はさっぱりわからなかった。
雲の上の神殿では、キュリアとジェイクは、かなり嫌な予感を抱いていたが、なかなか切り出せずにいた。キュリアとジェイクの二人の身体は、元の大きさに戻っていた。
服はかなり縮んでいたが、今はそれどころではなかった。
「バイバイ」弟はそう言って消えたのだ。
「バリアス、帰ってきますよね？」
ようやくキュリアが聞いた。
「……バリアスの気配は消えた。ハロルドの神器と引き換えに、なくなってしまった」
「…………」
「まさかそんな……」
二人は涙を流し出した。
「神が神器に転じるなど、私もまさかと思ったが……」
３人が沈んでいるとヒルデリアがやってきた。
ヒルデリアは３人の様子にさすがに何かを感じたのか表情を曇らせた。
「どうしたのですか？ 二人とも、どうしてそんな服を着ているの？」
キュリアは「わーわー」泣いてへたり込んでしまった。
「キュリア、一体どうしたのですか？」
ヒルデリアはキュリアに近づきつつ、アシュランに聞いた。
「ハロルドの神器が戻ったのだが、変わりにバリアスが消えてしまった」
「え？」
「正確には、バリアスがハロルドの神器を作って消えたのだ」
「…………」
ヒルデリアは気絶してしまい、ジェイクがあわててヒルデリアを支えたのだった。
それから少しして、ハロルドが勝利の凱旋とばかりに雲の上の神殿に戻ってきたのだが、雲の上の神殿の様子は変だった。
妖精達が皆暗い顔つきである。
「何かあったのかな？」
と言ったのは一緒にやってきたライオネルである。
ハロルドはアシュランの元に会いに行った。キュリアとジェイクはもうここにはいなかった。
「アシュラン、神器が戻ったぞ。しかも鎧まで」
「知ってる。よかったな」
アシュランは気持ち笑っただけだった。
「何かあったのか？ みんな暗いぜ？」
ライオネルが聞いた。
アシュランはハロルドの胸元のハンマーの装飾に気づいた。ハロルドの鎧はわずかに輝きを放っている。ハロルドの力を増幅する力があるようだ。
「すまん。私もまさかこうなるとは思わなかった。バリアスが、お前の神器と引き換えに消えた」
「え？」
「その鎧と剣をお前に授けて、消えてしまった」
「まさか」
「神が消えるなんてありえないだろ！」
ライオネルが言った。
「私だって驚いているんだ」
ハロルドは広間を出て行った。
「嘘だろ。バリアス……もっと遊んでやるんだったなあ……」
ライオネルは悲しげにつぶやいた。
ハロルドはあわてて自分の神殿に戻り、鎧を脱いだ。胸元のハンマーの装飾を側で見ていると、涙が出てきた。
「バリアス、嘘だろう？ 戻ってきてくれ、バリアス！ バリアス！」
いくら話しかけても、鎧からも剣からも、何の反応もなかった。
バリアスの件は神々にかなりの衝撃をもたらした。神は死なない、皆そう思っていたのである。
「そうか、必要ないから鎧を壊したのか」
工房で話を聞いたジェラルドは、一人納得していた。
「ということは、バリアス様はこうなることを知っておられたのかな」
そう思うとやりきれなかった。まだ幼い子供だというのに。
ジェラルドはバリアスがひしゃげた胴回りを、棚に飾っておくことにした。
ハロルドの神殿に、怒り顔のディアメラがやってきた。
「バリアスが、神器の犠牲になったって本当なの？」
ハロルドは椅子に座ってがっくりうなだれていた。
「どうしてそんなことしたの！？ 神器なんかのために！」
「ディアメラ様、やめてください。お父さんが一番ショックを受けてるんですよ」
ジェイクが部屋にやってきて言った。
「神器を壊せばでてくるんじゃない？ だって私はバリアスが大人になったところを見たんだから！ このままいなくなるはずないわ！」
ディアメラは本当に神器を壊しそうな勢いだったので、神殿にいた妖精達に外に出されていた。
そして雲の上の神殿には、クーリーフンに支えられるようにして、ガーベラがやってきている。ガーベラは話を聞いて卒倒していたのだった。
「アシュラン、あなたの力があれば、神を復活できるはずでしょ？ そうでしょ？」
ガーベラはそれを聞きにやってきたようだ。
「皆に聞かれるが、もはやハロルドの神器がバリアスのようなものだ。バリアスは消えたといっても消えてないというか、なんというか」
「そんなことハロルドにいったら、神器を使えなくなっちゃうわよ！？」
ガーベラは仰天して言っていた。
「だから私もそこまでは言ってない」
「アシュラン様でもどうにかならないんですか？」
クーリーフンが聞いた。
「どうにかなるならしてるぞ。これは運命だ。バリアスは、ハロルドの力の素になる運命だったんだ。と思うしかないだろう」
「そんな……」
ガーベラもクーリーフンもがっくりうなだれてしまった。
ハロルドは、銀に輝く鎧の一式と神器の剣を神殿の奥の部屋にしまい込んでしまった。今はもう鍵をかけなくても物を壊す者もいないのである。
「父様、みんながいるところにおこうよ。鎧がかわいそう」
キュリアがつい言うと、「鎧は悲しんだりしない」とハロルドは返した。
ハロルドは、息子を亡くしたのが辛すぎて、鎧を見ることができなくなってしまったのだった。
つづく
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