第28話
神の国、ダーナの神殿である。ガーベラはダーナに呼ばれてダーナの神殿にやってきている。
「見せたいものってなあに？」
「これよ」
ダーナは、神殿の中の部屋の隅に立っている白い柱を指していた。緑の大きな葉っぱがついた蔓が柱にはからまり、ピンクの大きな花がたくさん咲いていたが、上の方には大きな実が一つぶら下がっている。緑色の実で、果物のようなものにはみえない。触ると柔らかそうで、下に膨らんでいる。
「あれはなあに？」
ガーベラが聞いた。実は人の頭くらいの大きさである。ガーベラは他の柱も見たが、実はそれ一個だけのようだ。
「それがわからないのよね。触ると柔らかくてプルプルしてるんだけど、何かの卵っぽいのよ」
「卵？」
「徐々に大きくなってるし、あれから鼓動を感じるの」
「へえ？」
卵、というには奇妙なものである。なぜあんな所にひっついているのだろうか。
「男のガーベラと愛し合ったでしょ？ あれから、私の中の何かが変わった感じがするの。力があがったような。気がついたらあの実があったのよ」
「そうなんだ。何かが産まれるのかしら？」
「神獣かしらねえ。わくわくするわ」
ダーナはうれしそうである。キラキラ輝くダーナを眺めながら、（確かに、前より輝いてるかも？）とガーベラは思った。
（愛がついた神同士の交わりかあ。なんだかうらやましい）
「ねえ、ダーナ、次はあなたが男になってよ。 それで私と愛し合ったら楽しそう」
ガーベラはついそう思った。
「えー？」
「ダーナの男版、いいかも。是非そうしましょ。私も素敵な恋人が欲しい！」
ガーベラはダーナが男になった所を想像していた。優しくてハンサムな神になりそうだ。男版ガーベラのように恋人を一杯作ることはなさそうだ。
「ぷっまあ、ガーベラにだけ男になってもらうのもなんだし、男になる実があったらなってもいいけどね」
「男になる実、早くならないかしらねえ」
床に何かがべたっと落ちてきて、二人は床を見てわっと足を浮かせていた。
落ちてきたのは先ほど見上げていた緑の実である。
「落ちちゃったわよ！」
ガーベラが言った。
「もう産まれるのかしら？」
ダーナはその実に触ってみた。実はぷるんとしている。二人はしばらく実を眺めていたが、何かが中から出てくる様子もなかった。
「まだ時間がかかるのかも？」
「何かが出て来たら教えてね」
時間がかかりそうだったので、ガーベラは神殿を出て行った。
ガーベラがぶらぶら野原を歩いていると、パティウスが飛んで行くのが見えたので、ガーベラは「パティウスー」と呼び止めていた。
パティウスが近づいて来た。
「ねえ、今度男になる実を見つけたら、ダーナを男にしてよ」
「ダーナ？」
「ダーナを男にしてくどきたい」
「ダーナ男は容易に想像できるから面白くないなあ。どうせならハロルドを女にしようよ。全く想像できないから」
「ハロルドを女に？」
ガーベラは女版ハロルドを想像したが、確かに想像できない。
「ハロルド女は怖い」
「だから面白そうじゃん」
パティウスは飛んで行った。
「うーん、やっぱり想像できないわ。たくましい女、マチルダ系になるのかしらねえ。たくましすぎるかも？ ぷっ」
横を大きな獣がだっと走って行った。神獣リリーである。後ろからハンターが追って行き、馬に乗ったバリアスがその後ろを走っていた。
神の国の様子も随分様変わりしたものである。
「バリアスもすっかり変わったわよね。ちょっと前までいたずらばっかりしてた子供だったのにねえ。子供の成長を見ることができるって楽しいわね
ガーベラはバリアスをたのもしく思いながら、見送っていたのだった。
一方、その頃、海の神殿側に、ラクアとラクアの娘ユリアナとイオナ、そして最近産まれた水の妖精シレーヌがやってきていた。シレーヌは男ガーベラと、水の妖精達の一人の子供である。シレーヌはユリアナとイオナより少し幼いくらいで、三人は神と妖精という差はあるが、毎日仲良く遊んでいる。神殿では、海の大神マリナールの孫レヴァーンが、魔法の鏡を持って来て、シレーヌに見せていた。シレーヌが鏡をのぞき込むと、鏡に映っていたシレーヌの姿がぼやけて、やがて大人の女性の顔が映し出された。
「おおー！！」
周りにいた者達が歓声をあげている。これは未来の姿を映す鏡なのである。
「美しい！」
「さすがガーベラ様の血！」
ラクアもつい鏡をのぞいている。ウエーブがかった水色の髪の見目麗しい女性が鏡に映っていたので、ラクアもつい唖然としていた。なんとも愛らしい姿である。
「美しい。僕の妻はもう決まってるから、なんだったら愛人に……」
パコンと音がした。ラクアがレヴァーンの頭をはたいた音だった。
「冗談ですよ」
「目がまじだよ」
「ラクア様だって、あんなに美しい妖精が側にいたら好きになっちゃうんじゃないですか？」
「僕はシレーヌを子供のように思ってるから大丈夫だよ」
「大人になったらわからないですよ」
「うるさいよ」
「ユリアナ、イオナ、君達もこの鏡を見よう」
レヴァーンは鏡を持って二人ににじりよっている。
「見なくていい。さ、海で遊ぼうか」
「行こう行こう」
ラクアはさっさと子供達を神殿から連れ出したのだった。
「僕も行くよ」
レヴァーンは鏡を棚に置いてついていった。
ここは海の神殿の大広間だが、今はマリナールもエヴァも不在で、妖精達が数人いるだけである。そこにレヴァーンの姉、セスティナがやってきた。セスティナは棚の上の大きな手鏡に気がつくと、手にとって自分の顔を映していた。この鏡、大人が見ても何も変化はない。
「これ魔法の鏡じゃない？」
セスティナは鏡の裏を見ている。
「大人の姿を映す鏡ですよ。レヴァーン様がもってきたんです」
部屋にいた妖精が説明した。
「ラクア様達がいらして海に出てますよ」
「そうなの。今日はルチアは来るのかしら」
ルチアは海側ではすっかり珍しくない存在になっていた。いつでも歓迎されている。そのルチアがマチルダと一緒にやってきた。
「いらっしゃい。やっぱり来たのね」
ルチアはうれしそうな顔でセスティナに近づいて来た。
「そうだ、ルチア、これをちょっと見て」
セスティナはルチアに鏡を向けた。ルチアは鏡をのぞいている。
「これは魔法の鏡でね、なーんと……」
ルチアの姿がぼやけて大人になった姿が映ったのだが、その姿を見たセスティナは、「ん？」と目を細めていた。黒と金の長い髪の房が交互にある大人が映っているが、顔の骨格を見ると、女というよりは、どう見ても男である。
しかも、上背がありそうなかなりの美丈夫である。
「あれ？」
ルチアは目をぱちくりさせている。セスティナは目をこすってもう一度鏡を見た。先ほどよりは顎のラインが細い女性がそこに映っていた。
「びっくりしたーさっきのはなんだったのかしら？」
ルチアはセスティナの腕を引っ張っている。
「はいはい、わかったわかった。行くわよ」
セスティナは鏡を置いてルチアと海に出たのだった。
「あールーちゃんだ！」
「ルーちゃん！」
ユリアナとイオナがルチアを見ると喜んで側によってきた。
（さっきの男はなんだったのかしら。結構いい男だったけどなあ。でもすぐ消えたし、鏡が間違えたとか？ 謎だわ）
ルチアはどこからどう見ても女の子なので、セスティナは（鏡の間違いよね）ということで結論づけたのだった。
「マチルダさーん、やりましょう！」
海岸では、マチルダは男の妖精達と遊んでいた。遊びといっても、戦いの稽古であるが、妖精達はうれしそうな顔で相手をしてもらっている。これも毎度の光景である。
夕方、海の神殿にグレンがやってきた。
「実は、魔法の鏡をちょっと貸していただきたいんです」
夕方にはマリナールが神殿にいたので、グレンはそう頼んでいた。
「どの魔法の鏡だ？」
「大人になる姿を映す鏡があるとうかがったんですが……」
「ああ、それか。どこにあったかのう」
「ちょうどそこにありますよ」
広間にいた妖精が、棚にあった鏡を持って来てマリナールに渡した。
「ここにあったか。持っていくがいい」
「ありがとうございます」
グレンは丁重に礼をして、鏡を受け取った。そこにラクアと娘達、ルチアとマチルダがやってきた。
「それじゃ私達はこれで帰りますので」
ラクアがマリナールに言った。
「あ、グレンだ」
「ほんとだ」
ユリアナとイオナがグレンに気がついていた。
「こんにちは、いらしていたんですね」
「わしがまとめて送ってやろう」
「またねー、近いうちに来てね」
レヴァーンがあわてて言っていた。
一同はマリナールの魔法でラクアの神殿に飛んだのだった。
ラクアがグレンがもっている鏡に気がついた。
「それ、魔法の鏡だろう？」
「そうですよ。ヒルデリア様に頼まれまして」
「ふーん」
「それでは」
グレンがお辞儀をして飛んで行こうとしたら、ルチアがグレンに飛びついていた。
「あれ？ 一緒に行きたいんですか？」
ルチアはうなずいている。
「わかりました」
グレンはルチアを連れて飛んで行き、マチルダは地上で手を振っていた。
「今日は別行動なんだね」
マチルダは子供達に手を振り、一人去って行った。
雲の上の神殿に乗ると、ルチアはグレンから離れて神殿の中に入っていった。グレンはヒルデリアの元に行き、鏡を届けた。
「おーこれじゃこれじゃ」
ヒルデリアの間にはヒルデリアの娘である大人の女の妖精が五人、最近産まれた花の妖精フルールがいた。首までの金髪のストレート、青い瞳のフルールは男ガーベラの娘である。
「フルール、これを見てごらん」
ヒルデリアはフルールに鏡を見せた。フルールが鏡をのぞきこんだ。
すると鏡に、美しい女性の姿が映し出された。
「おー！！！」
妖精達は喝采をあげている。
「よし！ やはり美しい。あのファティマよりも上じゃな。のうグレン！」
ヒルデリアは珍しくもガッツポーズをし、グレンの顔を見ていた。
「いやー美しいです。本当に」
グレンはお世辞ではなく言った。大きな青い瞳、愛らしい顔立ちである。髪は今よりは長くなっている。
「妖精なのが惜しいが、やはり神力は妖精にしては高めかもしれんな」
「だあれ？」
フルールは鏡の中の自分に言っていた。
「フルールが大人になったらこうなるのだよ」
ヒルデリアが言うとフルールは首をかしげている。
「いいなあ。私もガーベラ様の恋人になりたかった」
「私もー」
妖精達はうらやましがっている。
「もっと子供ができればよいのう」
ヒルデリアは超ご機嫌だったので、グレンもうれしかった。
その頃一緒に来たルチアは、アシュランの間にいた。ルチアはアシュランにジェスチャーで何かを訴えている。アシュランの間にいたハロルドは、「わかった神器の杖をよこせって言ってるんだな」と気がついていた。
ルチアはうなずいている。
「杖で何をするんだ？」
アシュランはぱっと右手に杖を出してルチアに渡した。ルチアはにこっと微笑み、杖をかざしている。すると七匹のコウモリ達が飛んできた。
アシュランとハロルドは何が起こるのだろうと見ている。
ルチアはコウモリ達に、杖の先端にある黒くて丸い石のような部分を指している。コウモリ達はルチアの周りを飛び回っている。ルチアはしきりに石の部分を指して、しまいには赤いコウモリをつかまえて石に近づけていた。
コウモリが石に吸い込まれるように消えて、ハロルドもアシュランもびっくりしていた。
ルチアは他のコウモリ達も呼んでいる。
「……どうなるんだろう？」
ハロルドはドキドキしながら言っていた。
「さあ」
コウモリ達はちょっと怖がっているようだ。ルチアはコウモリ達が言うことを聞かないので、自分で捕まえて全部石の中にほおりこんでいた。一体何が起こるのだろうとハロルドとアシュランは瞬きもせずに見つめている。
すると赤いコウモリが石から出て来た。そして他のコウモリ達も。
「？」
ルチアも首をかしげている。コウモリ達には何も変化がないようだ。ルチアはちょっとふてくされたように頬をふくらませて、神器の杖でガンガン床をついていた。
「こらこら、やめろ。床に穴が空くだろう」
アシュランがあわてて言い、ルチアはやめた。
「ルチアは何がしたかったんだ？」
「さあなあ」
コウモリ達は広間から飛んで行ってしまった。
ルチアは杖を眺めて何かを考えている。やがて何かに閃いたような顔をして、ハロルドににじりよっていた。
「なんだ？ なんだ？」
ハロルドは逃げ腰である。
ルチアは黒い石をハロルドに近づけている。
「やめろ」
ハロルドはアシュランの後ろに逃げていた。
「この中に入ったら何かなるのか？」
ルチアはうんうんうなずいている。
「試しに入ってみろ」
アシュランがハロルドに言っていた。
「いやだよ」
そこにグレンがやってきた。
「アシュラン様、明日の朝こちらに来る前に海の神殿に行ってきますので」
「何をしに行くんだ？」
「魔法の鏡を借りたので、返しに行くんです」
「魔法の鏡？ ちょっと見せてくれ」
グレンが鏡をアシュランに渡した。
「どんな鏡なんだ？」
「子供がこれを見ると大人の姿が映るんです」
「へえ、ちょっとグレンこっちを向いててくれ」
「はい？」
アシュランはグレンを自分に向かせたまま、ルチアに合図をしていた。ルチアは神器の杖を持ったままこちらに近づいてきて、グレンの頭に杖の先端を乗せていた。
「？！」
グレンは黒い石に吸い込まれてしまった。
「おい……」
ハロルドがちょっと不安げな声をあげている。
「グレンは大丈夫なのか？」
「さあ」
とアシュラン。
「だって何が起こるか気になるじゃないか」
「だからと言ってあんな……」
ルチアが杖をふると、グレンが杖から出て来た。
「？？？？」
グレンは床に座り込み、何が起こったか分からない様子である。
「グレン、大丈夫か？」
ハロルドが聞いた。
「今、何が起きました？ 何かに吸い込まれたような」
とグレンはきょろきょろ周りを見ている。
「ルチアの杖に吸い込まれたんだ」
ハロルドが説明した。
「何も変化はないようだな。残念だ」
アシュランは残念そうだったので、ハロルドの頬は引きつっていた。
「何もなくてよかったじゃないか」
「そうだ。ルチアが大人になった姿を見てみよう」
アシュランはルチアに近づいて、ルチアに鏡をかざした。
「さぞかし美人なんだろうなあ」
アシュランは横から鏡をのぞいている。
「？」
アシュランは不思議そうな顔をしている。
「どうしたんだ？」
「うーん、これは意外な展開……」
「まさか不細工になるってわけじゃないだろ？」
「お前も見てみろ」
ハロルドが近づいて鏡をのぞいた。
「ん？」
そこに映っていたのは綺麗な女性である。
「美人じゃないか」
「あれ？ さっきは違ったんだが」
ルチアは鏡から離れたので、その映像は消えた。
ルチアはアシュランに杖を返して、グレンの手を引っ張った。
「下に降りたいんですか？」
ルチアはうなずいている。
「グレン、平気か？」
ハロルドが聞いた。
「もう大丈夫ですよ」
グレンは歩いて行き、ルチアはグレンと手をつないでいた。
二人が広間から去った後、「さっきは大人の男が映ったんだ」とアシュランがハロルドに言った。
「気のせいだろう」
「いや、ほんとだ」
「私が見たのは女だったぞ」
「うーん」
アシュランは首をかしげている。
そして雲の上からルチアを連れて飛んだグレンだったが、突然猛スピードで飛び出したのでグレン自身がびっくりしていた。
「え？ 何？ なんだ？ うわー！！！」
スピードが制御できない。グレンは地面に激突してようやく止まっていた。
「な、な、なんだ？ 何がどうしたんだ？ ルチア様！？」
グレンはルチアの手を離していたことに気がついてあわててルチアを探した。
ルチアは側にいて、喜んでいるように飛び跳ねている。
「なんなんだ？ さっきのあれか？」
ルチアの杖に吸い込まれたのが原因かもしれないとグレンは気がついた。
翌日、グレンは魔法の鏡を海に返しに行ったのだが、なんといつもの三分の一くらいの時間で海についてしまった。
「うーん、すごすぎる」
グレンは自分でも驚いている。飛ぶ速さは自分では制御できないようである。一人で飛ぶにはいいが、誰かを連れて飛ぶのはちょっと困る。すごい速さで飛んでいるグレンを見たパティウスは、
「何それ、どうやったの？ 僕にも教えて！」
とかなりうらやましがっていた。
「秘密です」
「ずるいよ。グレン！ 教えてよー！」
いつもはパティウスの方が速いのだが、今はパティウスは全くグレンに追いつけなかった。
「僕も速く飛びたいよー！」
「逃げ足が速くなるのはだめですよ」
グレンの話を聞いたアシュランは、「おお、杖の効果か。神器の性能があがる効果か？」と驚いていた。ちなみに、コウモリ達はビュンビュン速く飛び回っているというわけではないようだ。
光の玉が通り過ぎたと思ったらグレンだったので、空を飛んでいたラーズやサーラは驚いている。
「グレンに一体何があったんだ？」
「グレン、かっこいいー！」
サーラは拍手している。
「一体いつまで続くんでしょうか」
グレンがアシュランに聞いていた。
「さあなあ、まあ速い分にはいいじゃないか。私が杖に入ったらどうなるんだろう。試してみたい」
「アシュラン様……」
「ためしてみたいー自分が抑えられない」
「抑えてください」
アシュランは自分の好奇心と戦っていたのだった。困った最高神である。
さて、ダーナ神殿にある緑色の実なのか卵なのか不明な物体だが、今は大きなかごの中に入れられていた。ガーベラが時々見に来ているが、まだ何かが出てくる気配はない。じょじょに大きくなっているようだが。
「これ、割ったらどうなるんだろう？」
「だめだよ。割っちゃ」
「割ってみたいーていうか、やぶってみたい」
「だめだめ。温かく見守らなきゃ」
虹の妖精達はカゴを囲んで言っている。
そこにウィルがやってきた。
「さっきグレンが鳥にぶつかってたぞ。ものすごい速さで飛んでるんだが」
「そうなの？ グレンに何があったのかしらねえ」
ダーナが聞いた。
「さあ」
「僕らも速く飛びたいよね」
「飛びたい」
「あ、動いた！」
その声でダーナとウィルがカゴに近づいた。みんなで上から眺めていると、緑の物体がぷるんと振動していた。
「やっぱり生きてるんだわ」
ダーナが言った。
「何が出てくるか全く想像できないな」
とウィル。
「あーわくわくするー」
「早く出てこいー！」
みんなで見守っていたが、まだまだ何かが産まれる気配はなかった。
そしてグレンは、飛んでいると時々鳥などにぶつかってしまうので困っていたのだった。
つづく
１３部
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